新人事制度 大阪での報告①~③
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非正規雇用労働者の正社員化をテーマとした座談会。小川町企画関西事務所で行われた。参加は20人強で、酔流亭を含む3人の発題者からの発言のあと活発な討議となった。会場は大阪天満宮のすぐ近く。 酔流亭の発言メモを下に転写します。 9/05座談会(於 大阪)発言メモ (憲法27条に)「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」とある。いつ雇い止めされるかわからないような働かされ方(非正規雇用)は、憲法が保障する「働く権利」を絶えず侵害されているということではないか。亀井静香・前郵政金融担当大臣が「希望者全員の正社員化」を打ち出したとき、JP労組幹部から出た反応は「そんなことしたら郵政はつぶれる」「大臣は経営感覚が無い」といったものだった。亀井氏の「経営感覚」を言う前に、そういうことを平気で口走る労組幹部たちの「感覚」こそ問われねばならないだろう。 郵便事業は元々がそう利潤の上がる業種ではない。総資本の営利活動を円滑ならしめるため採算を度外視して物流の下支えをしてきたからだ。旧郵政省および公社時代は利益の上がる貯金・保険とくっついていたから「三事業一体」ということでやってこれた。それが小泉改革によって分割・民営化され、貯金・保険から切り離される。郵便事業単独でも利潤の出るように迫られて、無理な人件費削減を強行する手っ取り早い手法としてとられたのが非正規雇用への置き換えであった。 だから、民営化を前提とし経営サイドの考えに立てば非正規雇用の待遇改善や正社員化などはもってのほかということになる。むしろ、それをさらに進めなければ企業として行き残れないと考える。実際、そうであるからこそJP労組はこのかんの非正規雇用急増に歯止めをかけようともせず、非正規雇用社員の劣悪な労働条件にも知らん顔を決め込んでいたのである。 上記は、今年のHOWS夏季セミナーにおけるパネルディスカッションでの発言メモからのコピー。JP労組中央に対する批判だが、しかし最近ややショックを受けたのは、過去、ともに反合闘争を闘ってきた同僚の何人かの口からも、JP労組中央と同じような声を聴いたことである。正社員化によるコスト増でオレたちの退職金に影響が出るんじゃないか・こんなことやって会社はもつのか・・・。 逆もある。3年前、心筋梗塞で急死した同僚のYさんを「深夜勤の犠牲者」と文章に書いたとき「あんな仕事をやらなかった人間をお前は擁護するのか」と詰られたことがある。その詰ってきた人は非正規雇用の低賃金には同情的だが、その同情は「高給の割りには働かない正社員」への憎悪に転じるのである。「正社員化」に耐えられる企業体質を作るためにもっと働こう、というのは、生産性向上運動の新たな装いとなるかもしれない。 いずれにしても、正規・非正規が連帯するのではなく、一企業の枠内で取り分をめぐっていがみ合わされている構図だ。この構図をどう崩していくのか。憲法27条の労働権はひとつの武器になるだろうが、せっかくの武器も振るう人間の腕力(かいなぢから)が弱くては有効に働いてくれない。プログラム規定に止められている。だが、まずはそういう武器があることを知ることから始めよう。 正規・非正規の格差解消は、本来なら全国的な統一した闘争としてゼネストでもって闘いとられるべき課題である。そうなっていない状況で一企業の労組が対応すれば、どうしても資本の論理におされていく。正社員化のためにもまずは経営基盤の強化を・・・という形で。生産性向上運動の新たな装いになりかねないと先述した所以である。ここでも、統一闘争を呼びかけ組織すべき政治指導部=前衛政党の不在が状況をいっそう困難ならしめている。しかし、だからといって諦めたり傍観しているわけにはいかないのであって、闘いつつ状況をどう変革していくか、本日の討論で学びあいたいと考える。 さて私の職場で旧全逓内反対派が公然と旗揚げをしたのは1995年である。「分会交流会」という緩やかなグループを結成し、当時焦点化した「新昇格制度」の導入に対して反対署名を行い、また全国大会代議員選に立候補した。反対署名は笹山久三氏が全国の組合員に呼びかけたもの。代議員選は落選したが数百票は獲得したと記憶する(当選には千票前後が必要)。集めた署名を携えて95年全国大会(於 甲府)会場前に全国の反対派とともに集結、ビラ撒き及び交流を行った。 この分会交流会の運動を中心的に担ったのは、全逓○○支部○○分会出身の組合員であった。かつて「59・2」合理化に続く翌年の人員削減提示に対して分会独自でワッペン着用闘争を取り組むなど、○○分会は支部から「ハネアガリ」「玉砕戦術」と批判されながらも独特の気風を持っていた。分会書記長だったY・I氏(すでに退職。新社会党党員)のイニシアティブによるところが大きい。敗北したといえ、「最後まで闘った」ことによる組合員同士の連帯感が現在の職場への異動後も生きていたのである。 しかし、分会交流会は数年後には、中心メンバーの他局への配転や党派の問題、それを乗り越えられなかった私たち自身の弱さによって活動が低迷する。そのあたりについて去年HOWSで行った報告から引く。 、 私たちが○○郵便局でやってきたことについても述べておかなければならない。全国大会の代議員選挙で反対派として立候補したところで「分裂分子」の札付きになりました。分会の役員からも外される。それをやるのは職場にいる役員ですから、中央本部の幹部よりもこの人たちのほうが憎らしくなる。じつは現場にいる役員だって本部方針に必ずしも納得しているわけではなく、ただどう動いていいかわからないものだから、とりあえず上からの指令どおりに動く他ないのですが。だから、いがみあうのではなく彼らを説得していく働きかけが必要なのだけれど、それを充分やってきたとはとても言えないと思う。 分会交流会は2000年代に入って解散、それを受け継ぐものとして現在は「○会」というグループが細々と活動している。分会交流会が解散してから私はずっと遠ざかっていたのだけれど今年の全国大会前後には、三回にわたってビラを作成・配布した。内容は深夜勤・新人事給与制度・正社員化・日通統合の問題など。この場(○会)も含めて何らかの形で反対派の再結集ができないかといま考えている。
by suiryutei
| 2010-09-06 14:13
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