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朝日新聞夕刊の毎週木曜日に小説家の赤川次郎さんがコラムを書いている(『三毛猫ホームズと芸術三昧!』)。が、酔流亭は普段読んだことがない。題名からして酔流亭の好みと違う。 ところが3月3日掲載のそれは、つい読んでしまった。「『魔の山』と『菩提樹』の関係」という、その日のタイトルに惹かれたからだ。 トーマス・マンの小説『魔の山』のラストで、主人公ハンス・カストルプが口ずさむのはシューベルトの『菩提樹』であるのを、音楽評論家の吉田秀和さんのインタビュー記事で知ったというのだ。赤川次郎さんは『魔の山』を高校生のとき二日間で読んだというが、そのときは気づかなかったのである。かく申す酔流亭も、この赤川さんの文章でそのこと(ハンスが『菩提樹』を口ずさんでいたこと)を思い出した。 赤川さんが高校時代のことを書くのを読むと酔流亭までなんとなく懐かしいような気になるのは彼が中学・高校の先輩であるからだ。東京の郊外、国立市にある桐朋という学校である。赤川さんが中学一年のときのクラス担任は綿引弘先生。綿引先生の専門は世界史であるが、赤川さんは中学・高校の6年間を通して、この綿引先生の授業が一番たのしかったという。このことは3日の朝日夕刊記事には出てこないが別の場所で赤川さんは何度も書いている。先生はNHK教育TVで通信講座「世界史」を長年受け持たれてもいたから、桐朋の卒業生以外でも先生の授業を聴いたことのある人は全国に多いはずだ。 酔流亭は高校二年と三年の二年間だけ綿引先生に世界史を教わった。赤川さんと同意見である。こんな楽しかった授業を他に知らない。先月3日のブログで御用学者と弾劾した松原聡・東洋大学教授は当時のクラスメイト。かつての級友にあんな言葉を投げつけたくはないけれど、東京新聞での松原君のあのコメントは赦せなかった。 ところでトーマス・マンの『魔の山』は面白い小説である。ヨーロッパ近現代の歴史だの思想史が、それがなにか堅い感じで詰まっているのではなくてストーリィの展開やら登場人物の会話やらに自ずと、しかも馥郁と滲み出てくるような按配。だから吉田秀和さんのインタビュー記事の中でこの小説が話題になるのはじつに自然な感じがする。今はもうブログを閉じてしまわれたけれど、アメリカ在住のhenryさんは音楽に造詣の深い人で吉田秀和さんの文章を好んでいらした。そして彼女(henryとは男みたいだが、これは愛犬名の由)のブログのコメント欄はいつもベルクホークの食卓みたいだった。いろんな方たちが集っていたのだ。 ※関連する過去ログとして ☆『神田古本祭りで高校の恩師の著書を見つける』(03年11月2日) ☆『郵政リストラをめぐって』(11年2月3日)
by suiryutei
| 2011-03-07 16:15
| 文学・書評
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Comments(2)
懐かしいですねぇ。『魔の山』『ファウスト博士』『ブッデンブローク家の人々』。
ドストエフスキーのような、手に汗握る世界ではなかったですが、骨太の文学を味わっているという満足感は得られました。しかし、深く心に残ったのはやはり『トニオ・クレーゲル』でした。
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suiryutei at 2011-03-09 08:24
きとらさん、おはようございます。
『トニオ・クレーゲル』は私は未読です。こんど読んでみますね。 中央線の相模湖駅の駅前に[かどや]という食堂があるのですが、そこで毎晩のようにビールを飲んでいたドイツ人がいて話をしたら(彼は日本語が堪能)リューベックの出身とか。もう10数年前のことですが、彼は今もあの食堂に入り浸っているのかなあ。トーマス・マンというと彼のことを思い出します。
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