新人事制度 大阪での報告①~③
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13日の「キャンドル行動」には、最初から最後まで参加していたわけではない。泊まり勤務明けだったから遅れて会場に入ったことは15日の日記にも書いた。 開始時間は午後1時なので、全電通会館でのイベントは午後4時ごろには終わるものと酔流亭はなんとなく思っていた。ところが会場でプログラムを見ると午後6時半まで続き、それからデモとある。落ち着いて考えてみれば、キャンドルを持ってのデモなのであるから、出発は日暮れてからになるのが道理である。 困ったことに、午後4時をまわったら腹が空いてきた。泊まり勤務明けで朝食を摂ったきり、一眠りしてすぐ出てきたので(出がけに妻が梨を剥いてくれたが)、夕方になれば空腹になるはず。 ここに運のよいことに、全電通労働会館というのは神田のはずれにあって、酔流亭行き着けの蕎麦の[まつや]まで歩いて数分なのである。で、途中、会場を抜け出して[まつや]で腹を満たすことにした。外へ出ると、あちこちの辻に警官が立って物々しいのは、これも15日の日記に書いたように右翼が大挙押しかけていたからである。 [まつや]はいつものように賑わっていた。デモをする前だから酒を飲むのは我慢し、ビールの小瓶だけ注文、それから蕎麦ではなく掻き揚げ天丼をたのんだ。若奥様が気づいて笑顔を向ける。 いま放送中のNHK朝ドラ『おひさま』では、ヒロインは信州松本の蕎麦屋の嫁になる。ドラマの現進行時点は戦争が終わってわずか2~3年のところ。、その蕎麦屋[丸庵]ではまだ蕎麦を入荷することができなくて苦労している。コンニャクを細切りしたもの(つまりシラタキみたいなものですね)を蕎麦替わりに客に出したりしている。[まつや]も戦前から続く店であるから、戦後すぐの頃は蕎麦を扱えなくてあんなふうに苦労していたのであろうか。 天丼で満腹して全電通労働会館に戻る。この会館も酔流亭には思い出が深い。初めて入ったのは1972年の暮れだった。神奈川県相模原市で、ベトナムへ送られようとする米軍戦車を市民や労働者や学生が道路に座り込んで止めていたときだ。これから相模原現地へ向かおうという学生たちの集会がここであり、そのころ高校3年生だった酔流亭も顔を出していたのだ。 集会のあと大学生たちは相模原に急いだが、「高校生はやめておきなさい」と酔流亭は止められた。行けばその日はもう帰宅できる時間ではないし、現地では機動隊とのぶつかり合いで逮捕者も相次いでいた。高校生が行くのはたしかに危険なことだった。 この相模原での米軍戦車輸送阻止闘争で公務執行妨害で逮捕された学生で、のちに郵便局に就職した人がいる。この人はそれから30年近く経ってからその経歴を密告されて失職した。戦争をしに行く戦車を止めようとするのが悪いことであろうか。ひどい話だが、酔流亭だって、もう一年早く生まれていてあのとき高校生でなかったとしたら、相模原でどうなっていたかわからない。全電通労働会館に来ると、いつもこのことを思い出す。 ※関連する過去ログとして ☆『戦車を止めようとしたのは悪いことなのか?』(07年12月14日) ☆『キャンドルを手にデモをしました』(11年8月15日)
by suiryutei
| 2011-08-16 20:12
| ニュース・評論
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Comments(2)
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