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今日のタイトル、これは「ねぎ」よりも「ねぶか」と読んでもらったほうが感じが出るように思う。言うまでも無く、与謝蕪村のこの句を念頭に置いて、そう書きつける。 葱(ねぶか)買て枯木の中を帰りけり 蕪村の句中でも人気が高いらしい。寒々とした情景が目に浮かぶ。例年になく寒さの厳しい今年はまたひときわ。 「ねぶか」は「根深」とも書く。池波正太郎の時代小説によく登場する根深汁というのは葱の味噌汁のこと。『剣客商売』では、秋山小兵衛の息・大治郎は小さな剣術道場を開いて貧乏しているから、この根深汁ばかり啜っている。関東では葱の地中に埋まった白い部分を主に使うから、地中ふかくということで「根深」という字を充てたのでしょうね。 年上の友人・Kさんと神田[まつや]で昼酒を愉しんだ。先週のことである。焼き鳥に添えられたブツ切りの葱が美味い。それで、もう一皿、葱だけを焼いてもらうことにした。寒い季節に嬉しいのは葱の美味いことだが、ことに[まつや]の葱は吟味されている。この店が池波正太郎に愛されていたことは、もう皆さんご存知ですね。 もちろん燗酒をたっぷりと飲んだ。 Kさんに新潟の地酒の四合瓶と大野晋の対談集『日本語を考える』(中央公論社)をいただく。このところ会うたびにKさんから何かいただく。丸谷才一さんの『文章読本』の文庫版の解説を大野さんが書いている。その文章が素晴らしい。そのことをいつかこのブログにも書いたことがあるのだが、Kさんはそんなことも覚えていらして本を選んで持ってきてくださったのだろう。 相席になって向かいに座っていた男性が、ビールのあと徳利も一本たのんだ。そして話しかけてくる。 「ビールだけのつもりだったのですが、お二人の話されるのが耳にはいってくるうち酒もつい飲みたくなってしまって・・・」 ご子息の大学受験に付いて山形から来られたのだという。 「今日が入試日で、息子はまだ試験の最中です」 山形は村山市だという。最上川流域で、あのあたりも蕎麦の美味いところだ。大石田にいた頃の斉藤茂吉にも蕎麦を詠んだ歌がある。もっともあの歌人の好物は鰻だから、蕎麦はそんなに食べなかったんじゃないか。 「うちのほうの蕎麦は太いんですよ。わしわしとよく噛んで食べる蕎麦です」 「行ったことありますよ。なんという店だったかな」 酔流亭は7~8年前に行った[あらきそば]のことを思い浮かべたのだが、その「あらき」という店名が出てこない。そういえば、この日Kさんを[まつや]にお誘いしたのは先日の飛騨で土産に買った小さなお菓子を差し上げるつもりでだったのに、肝心のその菓子を家に忘れてしまい、そのことに神田に着いてから気づいた。 この頃、よくモノを忘れるのです。物忘れをするようになる(と言われている)食べ物は茗荷(みょうが)であって葱(ねぎ)ではないのだが。 ※関連する過去ログとして ☆『大野晋さん』(08年7月15日)
by suiryutei
| 2012-02-12 09:53
| 身辺雑記・自然
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