新人事制度 大阪での報告①~③
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20日に開催した「新人事制度」学習会でチューターとして行った報告を、今日から4回に分けてUPします。 交渉の過程で変わってきたことは 2008年1月 JP労組第1回中央委員会「頑張った者が報われる制度を」 2009年4月 「人事・給与制度の概要(案)」提示 2012年4月 交渉再開(制度再提案) 2012年11月 「第四次要求書」への回答 2013年1月 「労働力政策」回答 ここ5年ほどの流れをごく大雑把にふりかえると上の通り。2009年4月の「新人事制度」提案から12年4月の交渉再開まで三年間の空白があるのは、民主党中心政権への政権交代があって小泉民営化がいったん凍結されたから。そのかん民主党政権提出の法案も宙に浮き、足踏みしていたわけです。去年4月の郵政法案成立を睨みながら交渉再開となった。また、やはりそのかんに起きたことですが、2010年の宅配便統合失敗による事業会社大赤字が、リストラの最大の武器として成果主義的な能力主義賃金体系を早く、という動きを強めた。 2009年4月の当初案と今日では何が変わってきたか。 まず、「役割基本給」と「役割成果給」の比率が当初は7:3だったものが8:2になった。査定部分の幅が狭められました。つぎに、「新一般職」が、当初は郵便局会社だけに提案されていたのがグループ会社の全てに創設するとなった。また昇給や賞与における査定幅が若干縮まった。昇給では自動昇給分(当初2.8号俸、修正されて3.2号俸)と別に、当初Aランクは+5.6号俸、Eランク▲2.8号俸でAからEまで8.4号俸の開きがあったのがA+4.8号俸、E▲2.0号俸と6.8号俸の開きに縮まった。賞与では当初A+2ヵ月、E▲1ヵ月と2ヵ月の差だったのがA+0.8ヵ月、E▲0.5ヵ月と1.3ヵ月の差に。さらにAは+18.2%、Eは▲11.4%というふうにパーセンテージに換算されるようになった。退職金は最大差約500万円とされていたのが約350万~400万円だそうです。 現行では基本給に査定部分が占める割合はおおよそ9:1です(会社が提示した資料によれば基礎昇給87%、加算昇給13%)。昇給の最大差は4号俸、賞与では0.6ヵ月。 そして一番新しい「第四次要求」への回答で、それまで最低ランクのE(▲2号俸)だけは絶対評価・絶対選考で、あとA~Dまで絶対評価・相対選考としていたものをDも絶対選考にした。昇給で▲1号俸になるD評価は10%が割り振られていて、「いくら頑張っても10人に1人は▲になる」と慌てていたのが200点満点で90点以上とればパーセンテージに関係なくC評価(全体の60%、プラスマイナス〇)にとどまれることになった。昨年度でみれば90点以下は5.3%だったそうです。そのうち60点以下は1.5%でした(60点以下のうちで全体の1%がE評価)。 これらのいわば「メリハリ緩和」を、JP労組中央は「大成果」だとして、もう心配することはないと宣伝しています。はたしてそうか。 この程度の「緩和」(会社の譲歩)は、会社は最初から想定していたことであって、制度導入の合意を取り付けるためのJP労組中央との「出来レース」ではないか。私たちはそう考えます。「新人事制度」の能力主義・成果主義の毒は、この程度の数字の細工ではいくらも薄められはしない。査定部分が一割ちょっとの現行でも月100時間を超す時間外労働が頻繁に行われ、数字には顕われないサービス残業が蔓延し、自爆営業が止まらない。ここに従来に倍する「競争へのインセンティブ(動機づけ)」が持ち込まれれば職場がどうなるか。 『伝送便』今月号の「短期集中連載」は「ポイント制度」の問題点を指摘しています。地域によってバラツキはあるのでしょうが、外勤で時間内ではとても配りきれない郵便物があるとして、しかし超勤が多かったり応援を受けたりしていればポイントがつかない。では、ポイントを稼ぐにはどうするか。まず考えられるのは交通ルールも無視するような猛スピードでの配達。しかし、その結果、誤配したらポイントは帳消しどころかマイナス。万が一交通事故を起こせば大マイナスです。ならば、次に考えられるのはサービス残業が増えるだろうということ。実際には時間外まで働いても残業と届け出ない。そうして時間内に処理できる優秀な社員だと粉飾する。そうしなければポイントが貯まらない。班単位で仕事をする場合は仕事の遅い人は“針のムシロ”だ。「こいつがいるから班の成績が上がらない」と。2005年、当時の郵政公社は全国で5.2000人強を対象に、金額にして32億円強の残業代を追加支給しました。一労働者の告発が契機となって不払い残業の実態調査が行われたからです。この数字でさえ「氷山の一角」とも、今日また不払い残業が増えているとも言われます。現状でもこうなのです。もっとサービス残業を増やすような人事制度になったら、どうなるか。考課が公正なら競争そのものはいいことだと言う人がいます。JP労組中央の考えはそう。しかし、仮に公正な査定であったとしても(これも困難なことですが)、競争をこれ以上けしかけること自体に私たちは反対です。 (つづく) ※関連する過去ログとして ☆『郵政新人事制度反対 学習会を開催!』(13年2月21日)
by suiryutei
| 2013-02-23 08:42
| ニュース・評論
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