新人事制度 大阪での報告①~③
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JP労組第6回定期全国大会(8月20~22日、長野ビックハット)の会場入り口で撒いたビラ『奔流』の全文をここに紹介します。大会初日(20日)と二日目(21日)では中身の違う内容になっているので、今日は初日のビラをUPします。二日目のビラは明日に。 なお、文章は酔流亭一人で書いたのではなく、原発問題とアフラックとの提携などについては池田実さん(U-sayネット代表)が加筆してくださったし、レイアウト・印刷は『伝送便』誌編集長のYさんが引き受けてくださいました。つまり『伝送便』編集委員会による集団制作です。 さだみつ惨敗は組合員の良心だ けれども、これは残念な結果でしょうか? このあいだまで「さだみつ選挙」一色 だったJP労組新聞のどこを読んでも、同候補が当選したとして働く者のためにプラス になるという確信を得ることはできませんでした。沖縄への非道なオスプレイ配備に も原発再稼働の動きにも黙したままだ。替わりに毎日新聞七月七日付「アンケート」 によれば、彼は改憲には「賛成」、首相などの靖国参拝は「問題なし」、原発輸出も 「賛成」と答えたそうです。付け加えると本大会議案「提案にあたって」にはこんな 文言があります。 「九六条の先行改正には与野党の慎重な議論と国民への徹底した情報開示が重要とな ります」(二ページ) まるで条件さえ整えれば九六条改正も可であるかのようです。 JP労組の中には、このかんの脱原発行動に参加してきた人が少なくないし、若い組合 員を沖縄に派遣して平和の大事さを学ぶといった取り組みをやってきた支部もありま す。さだみつ候補が出馬した全国比例区には、日米軍事同盟の負担に苦しむ沖縄から 平和と安全な生活を求めた候補も、福島第一原発の事故による放射能汚染で故郷を追 われた人たちの声を背に避難地から立候補した人もいたのです。こうした人たちへの 票をむしりとるようにして、何故さだみつ候補に入れなければならないか。同候補の 票が伸びなかったのは当然ではないでしょうか。敗北はむしろ少なからぬJP労組員の 良心の証しです。彼がもし当選していたら、JP労組の組合員というのは結局、自分た ちの既得権を守ることだけに脇目をふらず汲々としている連中だと思われるところで した。 国内最大の民間単一労組であるJP労組が組織総力を挙げて取り組んだ「さだみつ 選挙」の敗北について、本部はその総括を徹底して行い責任をとるべきです。そして 「政治基盤の強化」の名の下に組合員に対し加入促進を行ってきた「みらい研」(郵 政未来研究会)についても抜本的に総括するとともに、民主党支持についても真剣に 論議すべき時期に来ているでしょう。 さいたま新都心局での自死事件 その一方で、職場ではどのような事態が進んでいるでしょうか。 『選択』という雑誌の今年七月号に「日本郵便でまた『不祥事』」と題する記事が載 りました。副題は「『トヨタ方式』導入で相次ぐ自殺者」となっていて、さいたま新 都心郵便局で二〇一〇年一二月に起きた自殺を追っています。 局のビルから飛び降りて胸を強打し命を絶ったAさんは享年五十一歳。岩槻郵便局か ら〇六年に新都心局集配課に異動してきました。日本郵便関東支社と同居する同局は 集配のモデル局。管理者たちは常々「ミスるな・事故るな・残業するな」と繰り返し 職場は重く暗い雰囲気だったといいます。そうした中、Aさんは「うつ」を患い二度 の休職を余儀なくされますが、二度目の休職から復帰した〇九年暮れ、身に覚えのな いミス(後日、無関係と判明)で支店長室に呼びつけられ、のみならず「年賀状は何 枚売ったんだ」と詰問されます。そのあと夜間勤務も命じられました。同じ道でも夜 と昼では違って見えます。これらが「うつ」から復帰して間もない人に許される仕打 ちでしょうか。新都心局では、交通事故やミス、営業ノルマ未達の社員を朝礼で台に 立たせ「悪うございました、迷惑をかけました」などと謝罪させていたとのこと。A さんは一〇年四月、とうとう三度目の休職(二ヵ月)に追い込まれました。そしてそ の年の暮れ、自ら命を絶ったのです。ご遺族(お連れ合い)は新都心局の責任を明ら かにする決意を固め、「さいたま新都心郵便局過労自死事件の責任を追及する会」が 今年六月に結成されるに至っています。 これは同局だけの特殊なケースでしょうか? 「新人事制度」で新設されるポイント 制の下、業績手当は課ごと班ごとに配分されます。郵便物が多くて残業すれば「仕事 のできない班」ということにされて手当に響く。どこの職場でも個人へのプレッ シャーはこれまで以上に強まるでしょう。 増える一方の労働災害 新東京郵便局における安全衛生委員会七月の議事録によれば、今年度の労働災害発生 件数はすでに十七件と、前年度七月末までの十二件をはるかに上回るペースです。そ の前年度は骨折事故も二件あり、地元労働基準監督署から要注意の事業場として立ち 入り検査も受けているのです。にもかかわらず労災は増える一方だ。新東京局は深夜 勤に従事する人が多いこと、非正規雇用の率が高いことで際立っています。深夜労働 による疲労の蓄積や、非正規労働者は使い捨てればいいとばかり充分な訓練もないま ま錯綜した職場に投入する働かせ方は、労災の異常な多さと無関係なはずがありません。 改憲賛成・原発推進候補の選挙運動に駆けずり回るより、こうした職場実態とこそ労 組は向き合い、改善のため闘わなくてはならないのではないでしょうか。 脱原発が言えない労働組合とは 3・11から二年半が経とうとしていますが、いまだ震災復興への途は遠く、福島 では原発汚染水の流出が危機的な状況になっています。そんな中でも安倍政権は原発 再稼働に向けて突き進み、原発の海外輸出を積極的に行おうとしているのです。こう した動きに対し、先の参院選に見られるように多くの国民が原発ノーを突きつけ、各 地で再稼働反対の運動が高まっています。しかし、情けないことにわがJP労組はこ の原発問題から一貫して逃げているのです。 昨年、郵便事業会社は「集配バイクを利用した放射線量のデータ測定」を福島県の原 町支店管内と田村市三春郵便局管内の二か所で実施しました。自治体からの要請にも とづき、集配用バイクに放射線量測定機器を搭載しデータを取得するというもので、 説明を受けたJP労組本部は、「集配区ごとに面としての測定ができ、より細かな情 報が得られること、また社会貢献の一環であること」「組合員の安心にも繋がること から積極的に協力する」こととしました。 測定は、五月に原町支店、九月〜一一月に田村市内の集配センターで実施され、その 結果が公表されましたが、全五二地点での最高値は〇・六四六マイクロシーベルト、 最低値は〇・一六マイクロシーベルトというものでした。この結果について会社は、 「政府が示す基準(年間被ばく量最大値二〇ミリシーベルト)に対して全地域が下 回っている」としました。会社は年間二〇ミリシーベルトを一時間あたりで置き換え ると二・二八マイクロシーベルトであり「下回っている」根拠にしたのでした。 赤バイクのモルモット しかし環境省では、除染基準として「被ばく線量が年間一ミリシーベルト以下になる ことを目標」として「毎時0.23マイクロシーベルト」を打ち出し、これに基づき 各自治体は除染作業を行っています。将来の低線量被ばくのリスクをできるだけ少な くするため、より低い基準をめざすのは当然のことです。しかし郵便事業会社は一昨 年の政府基準を持出し、「安全」を強調するのです。会社は今回の測定値が年間二〇 ミリシーベルトを下回っていると言いますが、その計算で単純に一ミリシーベルトに 置き換えると、毎時〇・一四マイクロシーベルトとなり今回の五二地点の最低値神俣 地区の〇・一六でさえ基準を上回ることとなるのです。JP労組は「組合員の安心に も繋がる」と今回のバイク測定に積極的に協力することとしましたが、出てきた数字 は人間モルモットとして高線量下を走る外務員の実態を白日のもとに曝け出す結果と なったのです。 JP労組は福島の外務員の被ばく実態を直視し、喫緊に安全対策を講じることが求め られます。そして全国各地で原発が再稼働され、再び事故が起きたらならば外務員は 同じように被ばく労働に晒される危険があることを認識すべきです。もはや原発黙認 は労働組合として許されません。 (第二日目に続きます)
by suiryutei
| 2013-08-23 11:18
| ニュース・評論
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