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前回の日記を国分寺のネットカフェから書き込んだのは、そのあと、この町にある蕎麦屋[義蕎]に行くことにしていたからだ。 [義蕎]は、研究熱心なご店主と可愛らしい女将さんが二人でやっている店である。気取った店ではない。バイク好きのご店主は、バイクで築地まで仕入れに行ってくる。 たとえば、せいろを注文すると、山葵を摺るシュッ、シュッという音が厨房から聴こえてくる。ご店主が蕎麦を作るあいだに、女将さんが山葵を摺りおろしているのだ。その山葵は天城で産する極上もの。[義蕎]は、そういう店である。素材を吟味し、一番旨い状態で客の口に入るように、夫婦が力を合わせている。この夜もすっかり満腹した。 翌日は五日市に向かう。目指すは[雙柿庵]。 五日市駅から秋川街道を歩いて辿り着いたのは、一軒の古民家であった。庭には一本の紅梅が咲き、種類はわからないが尾の黄色い野鳥が一羽、飛んでいる。そこが[雙柿庵]だった。俳味があるなあ。謙虚で、いかにも人柄の良さげな若者が一人でやっている。 「蕎麦膳」というコースを予約しておいたのだが、これが素晴らしかった。メインは鴨鍋。炭火のコンロに載せられた鉄鍋でいただく。[銀杏]、[しのはら]など、酔流亭にとって今年は旨い鴨鍋の当たり年であるけれど、その冬をしめくくるにふさわしい鍋であった。そのあと出た豆腐(自家製)がまた旨かった。最後の蕎麦は、せいろ。つゆが下呂温泉[仲佐]のつゆを江戸風にしょっぱくしたような味で、酔流亭はすこぶる気に入った。 そうそう、ここではビールを置いていない。席に着くと、客はまず蕎麦湯を一杯供されることになる。酒は趣味の良い塗り物の片口、ギヤマンの酒盃で。総じて器の趣味がじつによろしい。 帰りに五日市駅の観光案内所で貰った地図によれば、五日市憲法草案が発見された深沢家土蔵は[雙柿庵]から山ひとつ越えたあたりだ。“民衆憲法の里”に、こんな素敵な蕎麦屋が生まれたことを喜ぶ。そして八戸や下呂温泉や駒ヶ根高原(これらの土地には酔流亭の愛してやまぬ蕎麦屋がある)と違って、五日市なら日帰りで行ってこれないことはない距離なのである。このこともまた、喜ばしいことである。 それから帰途、国立に寄って[きょうや]を初めて訪ねたのだけれど、国立の話は、また稿を改めて。
by suiryutei
| 2005-02-27 11:18
| 酒・蕎麦・食関係
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