新人事制度 大阪での報告①~③
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先月5月3日、憲法記念日に横浜臨港パークで開催された憲法集会は3万人が参加する盛会であった。もう一月以上前のことだが、この集会に参加しての報告記事を『伝送便』誌の今月号に書いたので、同誌から転写します。 朝、<ゆうせいネット>の旗を取りに神田にある本誌事務所に寄る。秋葉原の電気街に通じる大通りを右翼の街宣車が軍歌を大ボリュームで喧しいこと。そうか、憲法記念日はあの人たちもハッスルする日なんである。押し付け憲法ぶっ壊せと。外国からの観光客が呆れた顔で眺めている。 通すな戦争参加法 さて午後一時から臨港パークでの大集会の前に、近くの横浜市市民活動支援センターにおいて「通すな戦争参加法in横浜・学習講演会」が開催された。「壊憲NO!96条改悪反対連絡会議」の主催である。受付に山田勇さんがいる。東京中郵→新東京局を通じて現場の運動を先頭になって担い、一〇年まえ定年退職。現在は住居のある横浜を中心に労働相談等に奔走している。本誌の読者であり、『伝送便』のネットワークがこんなふうにも張り巡らされていることを心強く思う。「集団的自衛権と安保関連法」というテーマで呉東正彦弁護士の講演があり、厚木基地爆音防止規制同盟の大波修二さん・ジャーナリストの山口正紀さん・連絡会議共同代表の二瓶久勝さんから提起を受けた。六月二十三日には日比谷野外音楽堂において「戦争への道をゆるさない6・23東京集会」が開催される(主催は戦争をさせない1000人委員会)。これを労働者が先頭に立って成功させようと確認された。それから臨港パークに向け移動開始。 福島瑞穂さんの演説 途中、交差点の角で青いスーツの小柄な女性がマイクを握っている。社民党の福島瑞穂議員である。政治家デビュー以来、福島さんは演説が下手という定評があるようだけれども、この日はそうでもないと思った。国会での質問中の「戦争法案」発言への自民党からの難癖をはね返した先日の一件のような孤軍奮闘が鍛錬になっているのだろう。あれは戦時中の斉藤隆夫国会除名事件を思わせるような出来事であった。立憲民政党の代議士だった斉藤隆夫が日中戦争を批判する演説を議会で行ったことをもって当時の帝国議会は彼を除名したのである。一九四〇年のことである。あんな時代に戻してはいけないのに野党の反応は鈍い。長妻昭・民主党代表代行が斉藤隆夫の例を引いて自民党を批判したのは福島議員の発言に自民党が修正要求を出して六日も経ってからのことだった。福島さんの孤軍奮闘と述べた所以。 臨港パーク 会場に着くと、大島花子さんのコンサートが始まっていた。坂本九の娘さんで歌手になっている。父が命を落とした日航ジャンボジェット機墜落事故から今年は三〇年だから、そのことでも最近ちょくちょくTVで視るけれども、憲法集会で歌声を聴けるとは嬉しいですね。 続々と人々が集まってくる。のちに主催者から三万人と発表された。臨港パークと言うだけあって演壇の後ろに青い海が広がり、白い船が時おり行き来するのを望めるのが気持ちよい。 檀上は集会を呼び掛けた人たちのスピーチに。憲法学者の樋口陽一さんが、憲法の精神を体現していた人として去年亡くなった菅原文太の名を挙げていたのが印象に残った。菅原文太は仙台二高において樋口さんや故井上ひさしの先輩にあたる。文太兄ィはあれでなかなかインテリだったのである。去年三月、雪の郡山脱原発集会でもお見かけした大江健三郎さんは、これも最近亡くなったドイツの作家ギュンター・グラスの想い出を語ったが、話しぶりがちょっと回りくどかったか。でも、澤地久枝さんといい、老齢をおして駆けつける姿には本当に頭が下がる。 一点だけ苦言を述べたい。沖縄からは高里鈴与さん(行動する女たちの会)の発言があった。ところが、その発言時間と、ヘリコプターに搭乗していた山本太郎さんと会場とが交歓する時間とがどうもかちあってしまったらしいのである。そのため高里さんの発言はいくらか端折られてしまった感が拭えない。沖縄の闘いに連帯することこそが憲法集会が最も強く打ち出さなくてはならないことであったのに。これほどの大きな集会を時間通りに運営するのはたしかに難しい。おそらくは前の発言者に時間オーバーが続いたための不手際なのだろう。しかし、有名人の人を集める力に頼るような運動の作り方の弱さが露呈したとも言える。現場の闘いをもっと中心に据えるべきではなかろうか。 私たちの憲法だ この集会を呼び掛けた著名人たちの中に、色川大吉さんも久しぶりに名を連ねていた。三多摩の草深い山里で民家の土蔵から五日市憲法草案を発掘した歴史家である。一九六八年のことだから、もう半世紀近くたつ。天皇夫人の美智子さんが七十九歳の誕生日に際して同憲法草案に言及した(二〇一三年)ように、五日市憲法草案が今日も輝きを失わないのは、人民の権利に篤いその内容に現在の日本国憲法と通じるものが多いからである。 今年の五月一日、佐伯啓思・京都大学名誉教授は朝日新聞朝刊のコラムで「(日本人は憲法意識が弱い)その理由の一端は、自らの手で、自らの『国』にあった憲法を構想しようという試みを怠ってきたからではないか」と述べた。押し付け憲法云々という右翼や安倍総理の粗雑な決まり文句を、彼らに無い教養人ふうの口ぶりで補強しているようにも読める。事実はどうか。明治一〇年代、五日市憲法草案のような試みは各地で無数にあった。問題はそれが明治二〇年代以降、確立した天皇制権力によって押しつぶされてきたこと、この権力はやがて絶対主義的かつファシズム的強権をふるい、その倒壊は一九四五年の敗戦を俟たなければならなかったことである。戦後憲法は、地下に伏流していた日本人民自身の営みを受け継いだ。押し付けられただけのものではない。 5・3憲法集会に話を戻せば、集会の最後は歌手クミコさんのコンサート。聴いていたいところだが、なにしろ三万人の結集である。帰り道の混雑が予想されたから、歌声に送られるようにして引き揚げた。初夏の日差しに、そのあと中華街にくり出して飲んだビールがたいそう美味かったこと。
by suiryutei
| 2015-06-05 08:56
| ニュース・評論
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Comments(2)
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by
saheizi-inokori at 2015-06-05 11:33
久しぶりに街頭行動に参加しました。
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suiryutei at 2015-06-05 16:11
佐平次さん、同志よ!
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