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月に一度、朝日の朝刊に載る丸谷才一さんのエッセイが面白い。『袖のボタン』というタイトルだ。すこし前になるが(もう3週間くらい前かしら)、今月は「『野火』を読み返す」として、あの大岡昇平の名作について書いていた。 ずっと前に読んだ丸谷さんの『文章読本』のことを思い出した。この本は古今の名文が豊富に引用されていることでも評判なのだが、ことに石川淳・大岡昇平・吉行淳之介の3人については、印税を分けたらどうかと冗談に言われたらしい。石川淳への丸谷さんの深い敬慕はよく知られているところ。吉行淳之介は『戦中少数派の発言』がほぼ全文引かれている(第8章「イメージと論理」)。そして大岡昇平の『野火』は第9章「文体とレトリック」において一章まるまるを使って精緻な分析が試みられた。 『文章読本』は読んだり書いたりすることが好きな人以外にはあまり縁の無さそうなジャンルの本だろうが、第4章「達意といふこと」という章だけは多くの人に読んでほしいという気がする。これは明治憲法と現憲法とを比較した文章論である。小説家が自分のフィールドでやってみせた見事な護憲論と言ってもよい。 いや護憲論なんて言葉を使うとなんだか月並みになってしまうけれども、二つの憲法の文体の話から林達夫の『旅順陥落』を経て幸徳秋水の『兆民先生』にゆく、その文章選択の趣味の良さに酔流亭はほとほと舌を巻く。 『袖のボタン』がつぎに掲載されるのは5月3日だそうだ。あ、憲法記念日じゃないか。
by suiryutei
| 2005-04-27 18:38
| 文学・書評
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