新人事制度 大阪での報告①~③
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西日本のほうは大雪である。昨夜、鱈と鶏肉の鍋で酒を飲みながら、TVニュースがその模様を報じるのを視た。こちらは呑気なものだ。 鳥取県のほうで雪の国道に自動車の列が立ち往生している。予想をはるかに超える積雪で、タイヤにチェーンを巻いていても空回りする。前に進むこともUターンすることもできない。 そんな状況の中で、取材しているTV局の記者が若い女性を見つける。彼女はツァーの添乗員で、ツァー客のためにだろう、お手洗いを捜しているところだという。そのツァーというのが、貸切バスで皆生温泉に向かうものである。バスの車内では男性客たちが目的地に着くことはもう諦めて酒を飲みはじめている。気持ちはわかるけれども酒なんか飲んじゃったらお手洗いがますます近くなるのではないの。 その貸切バスに[山陽バス]という標章があるのがチラリと映ったので、「オヤ、こんなところも走っているのか」と思った。 というのは、先月HOWS(本郷文化フォーラムワーカーズスクール)の講座でバス業界の現状について話を聴く機会があり、その話の中に山陽バスのことも出てきたからである。講師は京成労組で長く労働運動に取り組んできた宮川敏一さんだった。 それはこういう話だ。 山陽バスは二〇一一年三月に山陽電気鉄道の自動車部から株式会社神戸山陽バスに移管されました。神戸山陽バスというのは二〇〇四年に子会社として新しく作られたバス会社です。山陽電鉄自動車部と違った、かなり劣悪な条件の下で小さな会社を作った。そこに二〇一一年にバス分離するにあたって丸投げした。そのバス会社に山陽電鉄の自動車部の部門を丸投げしてしまった。丸投げするとどうなるか。わかりやすく言うと例えば月額二〇万円の給料だったのが子会社のバス会社は一五万円だったりする。休日も一〇四日あったのが七三日になってしまった。時間外の計数とか諸手当も下がって年収にすると二〇〇万円くらい下がってしまった。転籍なんですよ。小さな会社を作って、そこにみんな丸投げする。労組がそれを受けてしまった。労働組合に説明もされない中で受けてしまった。転籍だよ。ああしょうがねえなあ、厳しいから転籍なのかなあって。だけど彼らは転籍の意味を知らなかった。行っても労働条件が変わると思っていなかった。行ってみたら酷かった。労働協約、労働条件みんな変わった。こんな筈じゃないってことで労働組合に話しても、もう決まったことだって。翌年ですね、もうしようがないってことで役員改選で分会の役員を全部とっちゃったんです。そうして電鉄労組の中で反映させようとしたけれど全く受けつけない。これじゃしょうがないってことで脱退はいいことじゃないけれど脱退した。一四四人。大量ですよね。全港湾の神戸支部に協力を求めて全港湾神戸支部の山陽バス分会というのを設立した。すぐストライキをやりました。東京の新聞にも載った。 ・・・まだずっと続くんですが、長くなるからやめますね。じつは、この講義のテープ起こしを頼まれて、つい先ほどまでそれにかかっていたのである。地方の小さなバス会社の話だけれど、企業別に組織されて闘えなくなった日本の労働組合が変身していくかもしれぬヒントがここにあるような気がする。山陽バスの労働者が身を寄せた全港湾は日本のほとんどの労組がそうである企業別労組ではない。産業別の労組なのである。 さてHOWSでは明後日(15日)は日本労働弁護団事務局長の嶋崎量弁護士を講師に迎えて、安倍労働法制批判をテーマに講座を行います。進行は酔流亭が務めます。午後6時45分開始です。 HOWSについてはこちらを。 http://www.hows.jpn.org/ 地図はこちら。 http://www.hows.jpn.org/howsmap.jpg
by suiryutei
| 2017-02-13 10:30
| 身辺雑記・自然
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