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永井荷風が亡くなったのは1959年4月30日だから、あと一週間ちょっとで命日が来る。その日は一般に[荷風忌]と呼ばれている。 それに合わせて、というわけではないのだけれども、我が部屋の本棚の配列を少し手直しして、荷風全集の位置を変えた。中野重治の全集が並ぶ棚の上に持ってきた。いちばん手にとりやすい位置だ。 いただいた当時の酔流亭には、荷風に耽るには、物理的な時間でも気持ちの上でも、そのゆとりがなかった。退職後の愉しみにとっておこうと思った。そして今、そのときが来たのである。 一巻目の冒頭に載っている『おぼろ夜』という短編小説を読む。そう若くはない芸妓が二人、火鉢にかけた鉄瓶で燗をつけた菊正宗を飲みながら話をしている。まだ午前。外は八重桜が咲いているというから、ちょうど今ごろの季節だ。 やっぱりいいですね。
by suiryutei
| 2017-04-22 10:58
| 文学・書評
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Comments(2)
今、ちょうど松本哉「荷風一人暮らし」を読んでいます。これ面白いですよ。両全集贈られたとか、土田さんの人柄ですね。
今こそ、中野の「五尺の酒」論を書いて、でたらめな退位騒動を粉砕しなきゃ。
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suiryutei at 2017-04-23 08:19
> 牧子嘉丸さん
牧子さん、コメントありがとうございます。19日は日比谷お疲れさまでした。あの夜は寒かったですね。 「荷風一人暮らし」という本は知りませんでした。もう3年ほど前ですが、私たち郵便労働者に「資本論」の手ほどきをお願いしに東大経済学部の先生の研究室を訪ねたことがあります。その本棚にも荷風の本が何冊か並んでいたのが意外でした。 「でたらめな退位騒動を粉砕」、同感です。
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