新人事制度 大阪での報告①~③
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これも『伝送便』誌8月号に掲載された文章です。 バスの運転席にはドライブレコーダーが設置されており、衝突する瞬間の模様が映像に残された。その動画は今もネットに載っている。凄まじかった。 https://mainichi.jp/articles/20170610/k00/00e/040/275000c 乗用車を運転していて死亡した男性は六二歳の勤務医である。初め、事故が起きた時刻(早朝七時半ごろ)からして、もしや徹夜の宿直明けだったのではないかという思いが頭をかすめた。しかし、これはそうではなく、医師は自宅から勤務先の病院に向かう途中であった。ただ、そうであっても慢性的な過労状態にあったのではないかとは推測されるのである。統計によれば「六〇~七〇時間未満」以上働いている医師は計四〇・〇%。つまり医師一〇人のうち四人が過労死ゾーンに入っている。新潟市民病院に勤務していた三七歳の女性研修医が去年一月に自殺したのは過労が原因だったと、つい五月三一日に労災認定されたばかりだ。彼女は月一二〇時間もの時間外労働をしていたという。 そこで、医師の直前の勤務状況を知りたくてネットで事故の続報を捜してみたのだけれど、これがわからない。個人情報保護ということで表に出ないのだろうか。 いっぽう観光バスの運転手は六八歳。乗員に一人の死者も出なかったのは、自ら重傷を負いながらも彼の操縦が冷静なものだったかららしい。やや左にハンドルを切ることで正面から飛んできた乗用車をバスの右角の骨格が頑丈な部分で受け止めた。病院に運ばれてからも乗客の安否を一番に気にかけていたと報道されている。自分の仕事に誇りを持つ、立派な労働者だ。 バス運転手には比較的高齢の人が多い。一五人が死亡した、去年の軽井沢スキーツアー・バス事故で二人の運転手のうち一人は六五歳だった(もう一人は五七歳)。 高齢であることに難があるのではない。そもそも若年労働力が不足しているのだから、働く意欲と能力のある人は年齢を問わず働いてくれなくては世の中が回らなくなってしまう。現に六五歳で一律に雇止めしたことで郵政の現場はそうなっている。 大事なのは、高齢であっても安心して働ける労働条件が確保されることである。 この日、バスは午前五時二七分に出庫している。すると、始業点検などの時間を考えると、遅くも五時前後には運転手は就労しているだろう。山梨県で観光したあと夜七時前後に戻ってくるスケジュールだったという。バスを車庫に収めた後の点検とか洗車、日報作成の時間を考えると控えめに見積もっても一六時間前後の拘束時間になるのではないか。 医師もドライバーも長時間労働が常態化しており、しかも今度出てきた時間外労働上限規制案でも適用除外となっている。バスの運転席はレコーダーで常に労働を監視されていることも含めて、今回の事故は日本の労働社会の縮図のように思われる。
by suiryutei
| 2017-08-03 08:35
| ニュース・評論
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