新人事制度 大阪での報告①~③
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泊り勤務から帰って、朝と昼を兼ねた食事(例によってビールと酒も少々)を摂っていると、TVの正午のニュースが後藤田正晴・元副総理の死を伝えた。91歳。死因は肺炎である。その年齢なら、このニュースをいつ聞いても不思議はないけれど、つい最近まで元気な姿をTVなどで視ていたので、意外な気がする。そして、こんな世の中であるから、もうすこし生きていてほしかったなと思う。 3時間ほど昼寝してから、机の上に溜まった新聞の切り抜きをめくってみた。これはと思う記事があるとハサミで切り抜いて取って置くのである。すぐみつかった。今年7月13日の朝日朝刊に載った後藤田さんのインタビュー記事だ。この人が語るのを活字で読んだのは、おそらくこれが最後だろう。 「A級戦犯には『結果責任』」という見出しで、「戦後60年 ○○さんに聞く」という企画のひとつだったようだ。そこからすこし引いて、故人を偲びたい。 (東京裁判について)「第一次大戦後、戦勝国はドイツが再び脅威になることを防ごうとして、再起できないほどの過大な賠償を課した。その結果、ナチスの台頭を招いた。その反省から、敗戦国の全国民に責任を負わせるのではなく、平和に対する脅威を引き起こしたナチスの戦争指導者を裁き、そこに責任を負わせる、そういう新しい戦後処理の方法を考え出した。それがニュルンベルグ裁判であり、東京裁判だ。戦勝国の国民を納得させるためにも、それは必要だった。歴史の教訓から生まれた勝者の知恵だと思う」。 「東京裁判にはいろいろ批判もあるし、不満もあった。ただ、裁判の結果を受け入れた以上、それに今さら異議を唱えるようなことをしたら、国際社会で信用されるわけがない。条約を守り、誠実に履行することは、国際社会で生きていくために最低限守らなければいけないことだ」。 (靖国参拝について)「確かに中国に言われて決める問題ではない。サンフランシスコ条約を順守するかどうかの問題であり、日本自身が解決すべき国際道義上のことだ」。 「いま国民全体が保守化しつつあるが、それを背景に政治家がナショナリズムをあおり、強硬な態度をとれば間違いない、という空気がある。大変な過ちを犯している。・・・地政学的な配慮が足らん。アジア近隣各国との友好こそが大事なことだ」。 齢90を過ぎて、そして死の直前だというのに、バランスがとれ、かつ鋭い。たいしたものである。ご冥福を祈る。
by suiryutei
| 2005-09-21 19:17
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Comments(4)
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sakuraasako at 2005-09-21 20:32
後藤田正晴氏全盛の頃、東京近辺に住む学生の間で
「徳島ナンバーの路上駐車は、東京では捕まらない。 捕まった人が、地元から後藤田氏に会いに来た人だと困るから」 などといういかにもそれらしい噂が流れていました。 良くも悪くも地元にとって大きな存在でした。 私の祖母は若い頃、近所に住む後藤田氏を背負ってお守りを したそうです。テレビの向こう(永田町)で睨みをきかす氏に向かって 目を細めて「まさはる、まさはる」と呼びかけていました。
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suiryutei at 2005-09-21 22:22
「目を細めて『まさはる、まさはる』・・・」、とても素敵なエピソードですね。
田中角栄や中曽根康弘に重宝されたことなどで、私は若い頃はあまりいい印象を持っていなかったのですけれど、でも戦争を体験している保守政治家のバランス感覚は貴重だなと今は思うようになりました。 寿命はしようがないことですが、こういう人たちがいなくなってしまうのは寂しいです。
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saheizi-inokori at 2005-09-21 22:27
一度だけ後藤田さんの講演を聞きました。安全保障をめぐる自民党の右側の論を明晰に批判するのにびっくりしました。同じ穴の狢だと思っていたのです。ああいう人が長いこと中曽根の傍で力を振るうところが好き嫌いは別にして自民党の懐の広さだったと思います。宇都宮徳馬さんとか石橋湛山もそうですが。後藤田さんの場合は当時のエリート官僚のレベルが高かったとも言えそうですね。
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suiryutei at 2005-09-21 23:26
石橋湛山なんか本当にそうだと思いますが、地に足がついた議論をしていますね。左はともすれば観念的になりやすい。見習う必要があると思います。
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