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先週、関西に行ってきた女房の京都土産のひとつに[イノダ]のコーヒー豆があるので、今は毎朝、これを淹れている。やや粗挽きで、香りが高くて美味しい。 皆さんご存知だと思うが、[イノダ]は京都を代表する老舗の喫茶店だ。女房は京都では市内のホテルに泊ったので、朝は[イノダ]まで歩いて行って朝食を摂ったのだという。本店は朝7時から店を開いている。 「私の朝は、イノダのコーヒーから始まります。・・イノダのコーヒーを飲まんことには、一日が始まりません」。 これは、故・池波正太郎が『むかしの味』という本の中で紹介している京都の老舗商家の老主人の言葉。もちろん池波も、京都に泊った朝は[イノダ]を欠かさなかったようだ。 かく言う酔流亭だって、京都の朝は[イノダ]で始まった。どういうことかというと、20代・30代の頃、たまに京都に行くのは夜行バス(『ドリーム号』といったな)を利用することが多かったのだが、これは早朝に京都に着く。京都駅で洗面をすませてから、堺町通りにある[イノダ]本店まで行ってモーニングコーヒーを飲んだものなのである。夜行バスの東京ー京都は新幹線の運賃よりだいぶ安いから、若者の一人旅にはよい。勤務を終えてバスに乗り、2日ほど京都で遊んでまた夜行バスで帰って、そのまま出勤なんてこともあった。さすがに疲れたけれど。 池波正太郎なら、京都では有名な[俵屋]旅館あたりで「よい匂いのする一夜」(各地の名旅館を紹介した池波の本の名)を過ごし、それから[イノダ]に出かけたろうから、同じ「京都の朝はイノダから」といっても、酔流亭とは随分ちがう。 我が家では、朝、コーヒーを淹れるのは酔流亭の仕事だ。その間に、女房はチーズトーストを焼く。旨いコーヒーを淹れるのもなかなかにむずかしく、味は日によって微妙に違うのだけれど、今朝はまず上手く淹れられたほうである。
by suiryutei
| 2005-10-22 09:43
| 酒・蕎麦・食関係
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Comments(14)
朝のお二人の様子が見えるようで、いいですね。
僕は、サラリーマン時代、日本橋の老舗デパートで京都フェアーがあると、必ず朝、サボって催事場に行きまして、イノダの臨時コーヒー喫茶で、2杯ほど飲んでました。もう時効で、当時の部下も許してくれるでしょう。 ただ、やはり京都で飲むコーヒーが良かったですね。今年の暮れは、 花まきさんのせいで、京都旋風が巻き起こりそうですね。
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chaotzu at 2005-10-23 09:54
京都は「イノダ」、神戸は「にしむら」、大阪は知りませんが(笑)。
イノダの初体験時、はじめからミルクも砂糖も入っていて ぴっくりしました。まるで自由軒のカレーみたいやなと思いました。 20年ぐらい前までの京都はしもたや風の喫茶店があちこちにあって、独特の喫茶文化を感じましたが、いまではイノダのみ健在のようですね。
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suiryutei at 2005-10-23 10:11
夢八さん、お、そんなことしてたんですか。
コーヒーに関しては、癪ですが(?)関西の優位を認めざるを得ないようです。水がいいということもあるのでしょうか。
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suiryutei at 2005-10-23 10:14
takさん、夏の京都は暑かったことでしょう。でも鱧と鮎がありますね。
ウエイターやウエイトレスの客あしらいの見事さも、東京の老舗蕎麦屋と通じるところがあるようです。
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suiryutei at 2005-10-23 10:17
chaotzuさん、そうそう、京都に「イノダ」あれば神戸には「にしむら」ありですね。震災のあと神戸には行っていないのですが、三宮の「にしむら」本店は今どうなっているのかしら。
一昨年、大阪に行ったとき、千日前の「丸福珈琲店」に入ったのですが、ここは美味しかったですよ。
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sakuraasako at 2005-10-23 22:13
私は四国に住んでいるので「イノダ」も「にしむら」も日帰り圏内。takさんの「イノダはコーヒー界のまつや」発言に、逆に「まつや」に行ってみたくなりました。
水の美味しい四国はコーヒーもレベルが高いです。でも今までで一番美味しかったのは、川原でカヌーイストの野○知佑さんにいれてもらっためちゃくちゃワイルドな一杯。野○さんのハーモニカ付きでした。
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suiryutei at 2005-10-24 08:45
わっ、それは素晴らしいコーヒー体験ですね。美味しかったろうなあ。
もし東京にいらっしゃることがあれば、「まつや」いつでもご案内します。そのときは夢八さん・Wakuさん・saheizi-inokoriさん・・・「カマトト日記」ファンを集めてオフ会にしましょう。
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さいとう
at 2006-11-12 17:32
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また、引っ張り出してすみません。
朝の珈琲、効くっていうのもあるし、じゅわわぁ~んって 沁み渡るっていうのも好きです。 大阪の珈琲屋さんで「丸福珈琲店」さんが秋葉原に お店を出されました。いまどきな風ではなく、白い 珈琲カップとソーサーに小さいミルクピッチャーと 白い角砂糖、そんなレトロというより正統派なお店に なってます。 紀州大阪紀行の記事の中で大阪の「丸福」が 酔流亭さんのお好きな喫茶店というのがあったので、 書き込みさせていただきました。
引っ張り出し名人のあとから、
いま、日本橋三越で、京都フェアやっていて、 イノダが出店してます。 確か今週まではやってると思いますが。 あさってあたり、いづうの鯖寿司買って、寄ってこようと思ってます。
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suiryutei at 2006-11-13 18:13
さいとうさん、こんばんは。
「丸福珈琲店」が秋葉原に! それは貴重な情報ありがとうございます。白い角砂糖ですか。いいですねぇ。今度、泊まり勤務が明けたときでも行ってみよう。大阪の本店のコーヒーは美味しかったです。
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suiryutei at 2006-11-13 18:15
夢八さん、イノダもいいですが、いづうの鯖寿司と聞いて、涎が・・・。
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さいとう
at 2006-11-17 00:51
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引っ張った上に、続けてしまって申し訳ないのですが、
秋葉原って、今時の若いニーチャン、ネーチャンだけではなく、 この珈琲屋さんや高速道路脇のちょっとしたお店、 そして、今となっては思い出のかのお店、「夢八」さんも 秋葉原でしたね。初めて連れて行ってもらったときのこと、 今でも、昨日のように思い出します。
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suiryutei at 2006-11-17 17:10
さいとうさん、こんばんは。
そうでしたね。夢八さんのお店にもご一緒しました。駅の近くなのに、電気街のあの喧騒が嘘のようなところに[夢八]はありました。裏を神田川が流れ、横は神社でしたね。帰りに神田川にかかる細い橋を渡ると、川風が酔った頬に気持ちよかったものです。 夢八さんとは、お店を閉じてからのほうが個人的にも親しくなったんで、それはそれでいいのですが、良いお店でした。
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