新人事制度 大阪での報告①~③
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朝、泊り勤務から帰ってくると、地元の駅前商店街が「歩行者天国」の準備をしている。「ホコ天セール」と称して、時々土曜の昼にやるのである。今年は今日が最後だろう。大きな木の臼を洗っている若い衆がいる。餅を搗くのだね。「八戸」と書かれた発泡スチロールの箱が積んであるのは、中身はイカかしら。となると、今回はイカめしの屋台も出るのだな。空は快晴で、街路の銀杏もいい感じに黄色くなった。これなら、かなり人も集まるにちがいない。酔流亭は今夜また出勤だから、そのあいだは寝ていなくてはならないけれど。 明日は天気が崩れるというから、今日は我が町にとって秋の最後の一日ということになりそうである。 季節の変わり目に合わせるように、朝刊(『朝日』)の連載小説も数日前に終わった。辻原登さん作で『花はさくら木』という題であった。今週から桐野夏生さんの『メタボラ』という小説が始まっている。ストーリーはまだ動き出さないようだ。 『花はさくら木』は、ほぼ毎日、目を通していたつもりなのだけれど、全体がどうもよくつかめないまま終わってしまったような感じがする。これは作品が悪いのではなく、こちらがちゃんと集中して読まないせいだ。大体、新聞の連載小説というのはNHKの朝の連続ドラマみたいなところがあって、毎日チャンネルを合わせる(ページを開く)が、他のこともやったり考えたりしながら映像を流している(読み流している)ので、ストーリーも頭の右から左に抜けていってしまう。作者には申し訳ないことである。そういえばNHKの朝ドラは以前は「朝のテレビ小説」とか称していたな(最近はこの言い方はしなくなったみたいだが)。 そんな不真面目な読者であったが、おおまかな印象としては主人公の田沼意次が颯爽としていた。田沼の時代というのは、幕藩体制の胎内で資本主義経済がかなり自生的に成長してきているのだが、彼は封建制の立場からそれを抑えつけるのではなく、むしろその成長に乗った形での改革に乗り出す。それを背景として、その過程で恋あり活劇あり友情あり。田沼意次は智子内親王(のちの後桜町天皇)とお互い心を通わせもするけれど、そこは夫々の立場があり、その気持ちは表に出さないまま別れる。このくだりは、なかなかいい感じであった。 与謝蕪村や上田秋成もちらちら顔を出す。南伸坊さんが描いた挿絵は、蕪村の画に出てくる人物にちょっと表情が似ていた。作中では、蕪村の長編詩『春風馬堤曲』は田沼意次と一緒に淀川を下る船中で着想されたことになっている。 さて現代のわれわれは、春風の季節になる前に、これから長い冬をくぐらないといけない。
by suiryutei
| 2005-12-03 17:35
| 文学・書評
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