新人事制度 大阪での報告①~③
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紀子さん懐妊の報に、男性の某国会議員がTVのインタビューで「おめでとうございます。男の子であったら、うれしいなと思っております」と答えていた。これを、小説家の内田康夫氏が的確にこう批判している(2/10朝日朝刊『声』欄)。 「・・あぜんとした。何と不用意な発言かと思ったが、彼の資質そのものから発せられた本音に違いない。まるで60年を逆行して、旧憲法時代の男尊女卑思想そのものだ。猛反発が沸き起こるだろうと予想した。だが、こんな発言や意見をきちんと批判する報道に、私はまだ接していない。日本人の良識はどうなっているのか」。 同感だ。そして酔流亭自身も反省しなければならないことである。 今回の皇室典範改正の問題についても、酔流亭は無関心であった。あれはつまり、このままでは天皇制が維持できないということだけが動機で出てきたものである。だから「男の子が生まれるかもしれない」と聞いただけで、急にしぼんでしまう。酔流亭もそうだが、そもそも天皇制に批判的な人間は、冷ややかにならざるをえない。某国会議員のような発言に対する反発が鈍いのも、それがあるからだろう。 しかし、「・・『男の子であったら』と語る議員のような人物の言葉が、男の子を産むことのできないでいるお嫁さんの心をどれほど傷つけていることか」(上記内田氏)。 こういう言動を放っておいてはならないだろう。 憲法の第一章に天皇の位地を定めているということは、天皇は国民とは別の存在なのだ。だから国民に保障されている基本的人権は天皇家には及ばない、と主張なさる人もいる。生身の人間を人権の枠外に置くとは、恐ろしい考えである。 たしかに憲法は、天皇を国民一般とは別の存在として規定している。日本国憲法に限らず、一般に人民という概念の中に王は含まれぬであろう。 だが同時に、憲法第一章一条によれば、天皇は日本国の象徴なのである。基本的人権が国民にあまねく保障されているはずの国の、その象徴には基本的人権が無いというのはおかしい。それでは象徴にならないだろう。 人民概念に王は含まれぬと前述したが、これは言うまでもなく絶対王政の時代の話。現憲法は、天皇を統治に関わらせない象徴にとどめることによって、絶対主義を否定しているのだ。天皇制そのものの廃止にまで進まなかったのは現憲法の不十分なところではあるけれども、天皇はすでに人民と対立するところの絶対権力者としての王ではない。国民とともに基本的人権を保障される存在でなければならぬ。 酔流亭も含めて、天皇制に批判的な側は、たとえば天皇制が戦前どんな暴虐をふるったかを言い募ることに急であった。天皇制国家の非道は事実であり、だからそれはこれからも言い続けていかなければならないことだが、天皇家の人々が置かれている抑圧から彼らを解放することもそろそろ視野に入れねばならないと思う。紀子さんに男子が生まれたとして、将来その妻となる女性は「男を産め」と、雅子さんや紀子さん以上のプレッシャーにさらされるのである。こんな男尊女卑の人権侵害は、いい加減やめさせなければならない。 将来の天皇制廃止を展望しつつ、まずは皇室典範の改正を求めたいと考える。
by suiryutei
| 2006-02-12 17:14
| ニュース・評論
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Comments(10)
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sakuraasako at 2006-02-12 19:43
酔流亭さん、お久しぶりです。いつも読ませていただいております。
最近のワイドショーは何か事件が起こると、視聴者に対して噛んで砕いて (まるで流動食のようにあとは飲み込んだらいいだけにして)、用語説明を付け加えてくれます。小泉さんが靖国参拝したときには 「そもそも靖国とは・・・」 とか、ホリエモンがニッポン放送の株を時間外取引で買ったときには「M&Aとは・・・」 や果ては 「ホワイトナイトとは・・・」 みたいに。 ( その用語説明が 「なるほどね」 か 「えっ?それ違うでしょ」 かは別として ) なのに、この皇室典範問題に関しては、「そもそも天皇制とは・・・」 という用語説明が、どこからも聞こえてこないような気がします。各局の 「天皇制説明」 を楽しみにしているのに、残念です。 生物学的には、一本のY遺伝子死守存続へのこだわりに大変興味をそそられます。が、天皇制を問い直す事もなく繰り広げられるお世継ぎ問題には是の気持ちも非の気持ちも湧きません。ただ、「 特権を有する人間に人権を主張する権利はない 」 と言い放ったある評論家の言葉が、この言葉を肯定するところまではいかないにしろ、いつも頭のどこかに引っかかっているのです。
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suiryutei at 2006-02-12 21:07
sakuraasakoさん、こんばんは。もう徳島に帰られたのでしょうか。
今日書いた日記にasakoさんからコメントをいただくのは、とてもうれしいです。本当に「『そもそも天皇制とは・・・』という用語説明が、どこからも聞こえてこない」のですから。 あの人たちの特権を廃して人権が保障されるようにしたいと思います。 いつも、本当に共感するコメント(こちらからコメントしたときはレスを)をくださる。ありがとうございます。
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suiryutei at 2006-02-12 21:39
夢八さん、こんばんは。
夢八さんがこの問題について書かれたこと、読んでますよ。同感しています。それにしても、今回、改正に動こうとした人たちの、あの場当たり性は何だろうと思います。
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miyu
at 2006-02-13 00:33
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saheizi-inokori at 2006-02-13 08:21
自主規制という保身で言葉狩りをやっているマスコミの諸君が案外差別意識をそのまま持ち歩いていると思います。ジエンダーだけでなく貧富・障害・学歴・肩書き・・一見差別なき論調に見えてもその裏に本音が見えてしまう。そういうところが何かでポロリとでてしまうのですね。国会委員の発言を咎めない、というようなところで。直木賞のホームレス差別も同じだなあ。
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suiryutei at 2006-02-13 09:13
miyuさん、おはようございます。
「天皇が男系でなくなったら、日本が日本でなくなる」なんて焦っている人もいますね。滑稽というか、こんな非論理的なことをよく恥ずかしげもなく口にできると呆れます。だいいち、日本とはなにか、わかっているのかしら。 ところで、miyuさんのブログに行くにはどうしたらいいのでしょう。
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suiryutei at 2006-02-13 09:20
佐平次さん、おはようございます。トラックバックもありがとうございます。
東野圭吾さんの小説のことですね。この作品にも数学者が出てくるみたいですね。小川洋子さんの小説とはずいぶん違うようですが。
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miyu
at 2006-02-13 21:09
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suiryutei at 2006-02-14 17:18
miyuさん、こんばんは。
では、たのしみに待っています。じつは私もブログのことは全然わからない。ぜんぶ妻に作ってもらったんですよ。今でも、写真のupなんか自分じゃできなくて、妻にやってもらっています。自分でできるのは文章を書くことだけ。 パソコンを始めてから、ますます妻に頭が上がらなくなった・・・。
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