新人事制度 大阪での報告①~③
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二年前に起きたイラク人質事件で拘束された高遠菜穂子さんが話しに来るというので、昨日、青梅まで出かけて行った。「青梅大好き! 豊かな自然・平和を守る市民のつどい」という会である。『青梅9条の会』が企画したらしい。 会場となった青梅市民会館には300名ほどは入っていたろうか。満席とはいかなかったけれど、なかなかの盛況だ。第一部は青梅囃子、沖縄音楽、コーラスなど市民サークルによる実演があり、休憩のあと高遠さんが登壇した。「人質事件のときはご迷惑をかけました」とまずわびてから、イラクの現状について映像を交えての報告をしてくれた。 高遠さんは現在、「イラク・ホープ・ダイアリー」というプロジェクトに関わっているという。人質事件のあとはイラク国内には入っていないが、隣国のヨルダンをこれまでにも9回訪れ、そこを拠点としてイラク民衆への支援活動を行っている。 彼女が最初にイラクに入ったのは、人質事件が起きる約一年前である。5月1日にバクダッドに着いた。二日目に自分に向けて発砲されるということがあった。すでにバクダッドは陥落していたが、戦争は終わっていないと実感したという。 人質事件が起きた頃、アメリカ軍はファルージャで掃討作戦を進めていたが、「情報の壁」が布かれ、現地ではたいへんなことが起きているのに、誰も報道に行けないという状態であった。 会場のスクリーンには、頭を吹き飛ばされた子供の死骸、腐乱してウジが涌いている死体、警察での拷問で頭にドリルで穴を開けられ、首を切られた遺体などが映し出される。TVなどでは決して流されることは無い映像だ。とても正視していられないが、これが今イラクで起きていることであり、その殺戮行為を我々の政府も支持し派兵しているのである。それらの映像が撮影され、イラク国外に持ち出されるまでにも、少なからぬジャーナリストが命を落としている。 高遠さんら人質になった3人が、いかにも「軽い気持ち」で現地に飛び、「人騒がせなことをして迷惑をかけた」というイメージがバッシングの過程で作り出されたが、情報を遮断されている中でイラクで起きている惨状を世界に伝えたいと彼らは真剣に格闘したのである。そしてあのバッシングが、まさにその情報封じのために組織されたものであったことも明らかであろう。実際、拘束から解放されたあとの彼らは、イラクで起きていることを世界に伝えるどころか、人々の前で面を上げることすら許されぬような状況に追い込まれてしまった。そんな状況を作り出してしまった私たちの非力を、彼らに、そしてイラクの人々に恥じなければならない。 以前TVで視た高遠さんは、何と言うか丸っこい感じがあったような気がするが、昨日の話しぶりには凛としたものを感じた。
by suiryutei
| 2006-05-15 22:09
| ニュース・評論
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Comments(10)
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梵
at 2006-05-16 08:24
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異議なし!!
本当にそうですね、「私たちの非力」、その通りですね。痛感します。 高遠菜穂子さん、素晴らしい人間ですね。 青梅9条の会』、しっかり頑張っていますね。 高遠さんと青梅9条の会に心からの拍手を送ります。 酔流亭さん、 私が「思考停止」に陥りそうになると、貴兄の研ぎ澄まされた文章が「思考覚醒」に訪れてくれます(笑)。いつもありがとう。
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saheizi-inokori at 2006-05-16 08:45
そうですか。やはりね。いいことを教えていただきました。いろんな報道が・憶測がなされていましたがじかに本人の話を聞き映像を見ればよく分かりますね。ありがとうございました。
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blossom花筏…
at 2006-05-16 21:59
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高遠菜穂子さん、バッシングにもめげず活躍されていることを聞き、喜ばしく思います。
我が家の三女は東京にアピールに行き、解放されたときは少しは役に立ったのかなと喜んでいました。 最近は、国って何なのか疑問に思うことが多くなりました。
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suiryutei at 2006-05-16 22:58
梵さん、こんばんは。
高遠さんは2時間近くを「息もつがずに」という感じで話してくださいました。語りたいことはまだまだたくさんあったようです。バッシングで受けた心の傷はまだ残っているかと思いますが、こちらのほうがとても力づけられました。
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suiryutei at 2006-05-16 23:02
佐平次さん、こんばんは。
我が家から青梅まで二時間半ほどかかり、帰りは深夜になったので昨日・今日と仕事がすこし辛かったですが、行ってよかったと思います。じかに話を聴くとか現場を見るということがやはり大事なんですね。
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suiryutei at 2006-05-16 23:09
花筏さん、こんばんは。
そうなんですか、ご息女が・・・。 あの事件が起きてから3人が解放されるまで、私なども本当にどうなるのだろうと気が気でありませんでした。 当時のバッシングのことを思うと、背筋の寒くなる思いがします。そんな中で、ご息女があの3人の側に立って声を上げていたとは、うれしいことです。
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imakokode at 2006-05-17 22:17
はじめまして。青梅で講演会を聴いたものです。沖縄音楽を演奏したグループの人たちは友人です。
私もブログに高遠さんの講演会のことをかきたかったのですが、 あまりに重い現実に、キーボードを打つ手が進みませんでした。 酔流亭さんが簡潔にあますことなくまとめてくださっているので、 トラックバックさせてください。
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suiryutei at 2006-05-18 00:09
imakokodeさん、こんばんは。はじめまして。
この小さなブログを目に留めてくださって、うれしいです。トラックバック、どうぞどうぞ。 高遠さんの話は重かったけれど、聴いた私たちがさらに多くの人に伝えていかなくてはなりませんね。
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naomu-cyo at 2006-05-22 00:03
あんな仕打ちを受けてもそれでもなお人前に立って声を挙げる彼女の勇気に感心させられます。伝えたいことが明確にあるからできることなのでしょうね。素晴らしいです。
友人が昔NHKで働いており、世界各地から送られてくるニュース映像の吟味役をしていたようです。 中には珍映像もあったそうですが、当時行われていたユーゴスラビアの内戦映像がすさまじく、とても公共の電波にかけられるものではなかったと言ってました。 報道媒体はもちろん政府からいろんな圧力をかけられると思います。だとしたらどこでほんとのことを言えるのか。高遠さんのような形でやっていくしか道はないのでしょうか。彼女の話したことはもっと多くの人に知って欲しいことですよね。
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suiryutei at 2006-05-22 18:35
むーちょさん、こんばんは。
同感です。バッシングで受けた心の傷はまだ残っているのでしょうが、それに潰されなかったのは本当に立派だと思います。 クラスター爆弾のことも話されていました。アフガニスタンやイラクでアメリカが使用した武器です。爆弾から子爆弾がいくつも飛び散り、さらにそれが破裂して無数の破片が人々を殺傷する。それを間近で被爆した妊婦から取り出された赤ちゃんの身体にも十数か所も破片が刺さっていたそうです。
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