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イタリアの女優アリダ・バリが亡くなったのは先月22日である。映画『第三の男』で、彼女が並木道を振り返らず歩いて去っていくラストシーンはあまりに有名だ。 昨日の朝日新聞夕刊の『惜別』というコーナーに、改めて短い評伝が載っていた。それによれば、享年84、スキャンダルにもまみれ、経済的には苦しく、晩年は生活保護を受けていたという。平坦な人生ではなかったようだ。 『第三の男』は、手練れの監督(キャロル・リード)が個性ある名優たち(オーソン・ウェルズら)を配役して職人技を存分に発揮した鮮やかな作品ではあるけれど、観て深く感銘するという映画ではない。生意気なことを言うが、酔流亭が観た感想はそうである。アリダ・バリが出演した映画で酔流亭の印象が深いのは、ジッロ・ポンティコルボ監督の『青い大きな海』だ。 ポンティコルボはのちにアルジェリア独立運動を描いた『アルジェの戦い』を撮った人。『青い大きな海』は、たしか彼の劇映画第一作だったと思う。酔流亭は高校生のときNHKで放映されたのを視た。 イタリア南部の漁村が舞台だった。イブ・モンタンとアリダ・バリが漁民の夫婦を演じていた。モンタンは海中に爆薬を投じて、その衝撃で浮き上がった魚を獲っている。危険だし乱獲になるので、漁民組合ではその漁法を禁じているし、警察からもマークされている。だから彼は一匹狼だ。しかし家族を養うためにその漁を続ける。イブ・モンタンが演じた漁師の逞しさに酔流亭少年は惹かれた。自分の父親にすこし弱弱しいところがあったからだろう。 漁の最中に誤って爆薬が破裂し、その漁師が死ぬところで映画は終わる。舟の上で息をひきとる前に、彼は息子に漁民の組合に入れと言い残すのである。 漁村の貧しさと、そこで精一杯生きる人々の姿が印象的だった。もう半世紀近く前の作品だから、当時イブ・モンタンは40代、アリダ・バリは30代であろうか。TV放映されたのを酔流亭が視たときからでも、すでに30数年が経っている。 女優アリダ・バリの訃報に、歳月の流れを思う。
by suiryutei
| 2006-05-23 16:32
| 映画・TV
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