新人事制度 大阪での報告①~③
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昨日、昼食を摂ってからすこし昼寝することにした。泊り勤務が続く勤務パターンの初日である。 昼食は大好物のカレーライス。午睡に入る前に肩の凝らない文章をすこしだけ読もうと思った。食べてすぐ横になると牛になるという。カレーはビーフカレーであったから、牛を食べてウシになったんではシャレにもならない。 本棚を見渡すと、山口瞳のエッセイ集『男性自身』の文庫版が並んでいるのが目に留まった。そのうちから一冊を抜き取り、無作為に開く。寺山修司のことを書いたページにあたった。寺山が死んだとき彼を追悼したものだから、20数年前に書かれた文章である。寺山のこの短歌を引用してある。 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや 「・・・この歌には我等戦中派の無念が集約され結晶しているように思われる。調べも上等だ」(山口)。 酔流亭はそれから横になった。午後四時前に起きて、コーヒーを淹れて夕刊を開く。家は五時に出ればよい。 ここでまた、さきほどの寺山の短歌を目にすることになる。夕刊(朝日)の『思潮21』というコラムに、寺島実郎氏がこの歌を引用して、こう述べているのである。 「・・・それは、決して祖国を愛さない『非国民』的な心象風景ではなく、むしろ『身捨つるほどの祖国』への希求を潜在させた熱い思いを象徴しているとさえいえる。・・・・・一人の大人として、若者に『国を愛すべきだ』と語るのではなく、愛するに値する国を創ることに責任を共有せねばならないと思う」(『「時代の空気」について』)。 言うまでもなく、「国のために命を奉げよ」とまた国民に要求しかねない安倍・新政権への批判として寺島氏はこれを書いている。 かねてより寺島氏は、アメリカと日本に世界およびアジアのリーダーにふさわしい行動をとることを説き、ナショナリズムは開かれたものでなければならないと語ってきた。酔流亭などは、たとえブッシュ氏や安倍氏のような極端な政権でなかったとしてもアメリカや日本はリーダー顔なんかしないほうがよいと思うし、たとえ開かれたものであったとしてもナショナリズムには要警戒だと思っている。「身捨つるほどの祖国」など無くてよいと思う。 このあたり、寺島氏とはちょっと考えが違うのであるが、しかし、ことに「9.11」以降、同氏が時代の歪んだ空気に正面から向き合って誠実な発言を続けていることには心からなる共感と尊敬を覚える。 酔流亭は短歌の良し悪しはわからないし、「戦中派の無念」も芯のところは理解不能だろうけれど、寺山のこの歌にはグッとくる。安倍氏らの説く安っぽいナショナリズムに対する解毒作用があるかと思う。
by suiryutei
| 2006-10-03 16:19
| 文学・書評
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Comments(13)
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saheizi-inokori at 2006-10-04 00:24
「国」というものに美しいも何もないですよね。
故郷ということなら記憶があり情念がある。 国に対しては本当のところ何があるんでしょうか? オリンピックの時の感動? 人為的に作られた国境をなぜ我々が尊ばなきゃならないのか、と思います。
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suiryutei at 2006-10-04 18:27
佐平次さん、こんばんは。
故郷→くに→国家と、いつのまにか(意図的に)すりかえられちゃうんでしょうね。 ちょっと話が違いますが、私の職場の労働環境はここ2~3年、ひどくきつくなってきているんですけれど、同じ課の中での人間関係がギスギスしてくると同時に、他の課の人間に対しても、ただ課が違うという理由だけで喧嘩腰で応対するような人が増えてきました。これって、今の我々の日常生活と隣国との関係のことと似ているような気がします。
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saheizi-inokori at 2006-10-04 23:16
いろんなことでぎすぎすしてきたのではないでしょうか。
直ぐにクビだとわめくのもリンチに似ています。 相手が反撃できないのを見越して役人叩き。 擁護しようものならその人のブログまで押しかけて悪口雑言。 ちょっと怖い社会になってきました。 日教組や総評が懐かしいくらいですよ。
去年、こんな歌を詠いました。
050529 日々歌う 恋ひしきは国家に非ず列島の山河人びと言の葉なれど 愛せよと恋ふるあたはぬ国家をばえらき人たち命じ始むる たかが歌されど歌なれ歌はねば停職となる歌もある世に 赤尾敏生まれ変はらばさぞかしや今ぞ出番と張り切るならんむ <非国民!>対の言の葉<愛国>のそろそろ踊るチラホラ躍る
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suiryutei at 2006-10-05 09:49
佐平次さん、おはようございます。
攻撃的な風潮の世の中になってきましたね。小泉氏や石原氏の“人気”も、安倍氏の登場も、その風潮に乗っかっているようですが。
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suiryutei at 2006-10-05 12:58
髭彦さん、こんにちは。
あれこれ言葉を連ねるよりも、三十一文字のほうが言いたいことを的確に表せることがあるんだなと、髭彦さんの御歌にいつもそう思います。 「非国民」とは、さすがにまだ言いづらいようですが、代って「反日分子」という言葉が飛び交い始めましたね。
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Fou
at 2006-10-05 17:58
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「この国の継続可能な平和的な社会・経済の発展を実現するために」と言う言葉が、首相を始め、閣僚、政党党首、政治家、知識人、実業人、あらゆる階層の老若男女から日常的にあらゆる場で発せられている国では「愛国」は真剣な思いから出る荘重な言葉ですが、イデオロギーのスパイスを効かせると未来が閉ざされてしまう言葉になってしまいますね。
ネパールの現首相は85歳の肺機能の低下に苦しむ老人ですが、失敗もあったようですが、生涯を祖国の民主化のために生きた人。「いつまで生きながらえることができるかはわからないが、私の生きているうちに『民主化運動II(2006年4月革命をもたらした)』の実現を果たす」と言って、ネパールの人々はみな「コイララは丈夫な男だ」と認めるほどのハードスケデュールをこなしています。それでも人々の批判は厳しいのですが。 今のネパールを見ていると、真の愛国精神のみが発展の遅れたこの国にこの国の歴史にふさわしい威厳ある発展をもたらすことができるのだろう、と思います。
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suiryutei at 2006-10-06 17:36
Fouさん、コメントありがとうございます。
ネパールの首相はそんな高齢なんですか。立派な人のようですね。愛国という言葉と民主という言葉がその国ではもっと重なり合っているんでしょうね。国立の[ロージナ茶房]のロージナとは、ロシア語で「愛国」という意味だと聞いたことがあるのですが、この店を始めた人(1954年創業)も、現在我が国で安っぽく飛び交っているその言葉とはまるで違う意味をこめていたのだと思います。
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suiryutei at 2006-10-06 17:41
髭彦さん、ありがとうございます。
髭彦さんの前で恥ずかしい。 牧水のように旅と酒に生きたいと思うのですが、酒量においてもあの先生の足元にも及びません。 ところで、我ら飲み仲間の間では髭彦さんが酒が一番強いんじゃないかとと・・・。
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根保孝栄・石塚邦男
at 2015-02-20 06:56
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suiryutei at 2015-02-20 20:17
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