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昨日観たのは、映画『東京裁判』の最後の三分の一の部分であった。なにしろ4時間半の大作である。映画を観ながら感想を述べ合うという企画であるから、一度に全部は観きれない。それで三分の一ずつに分けて3回の例会で消化した。ところが酔流亭は前2回の例会は勤務で参加できなかった。それで、映画の大詰めのほう、A級戦犯たちに判決が言い渡されるあたりだけ観たということになる。ただ、23年前に劇場公開されたときに通しで一度観ているから、そのときの印象はまだいくらか記憶に残っている。 映画は、裁判の進行と共に日本の指導者たちの誤りや戦争中に日本軍が行った犯罪行為を明らかにしていくけれども、しかし同時に、あの裁判が“勝者の裁き”であったことの理不尽さも訴えたかったようだ・・・というのが、その23年前に映画を観たときの酔流亭の印象であった。 その印象は、昨日も変らなかった。 あれが「勝者の裁き」であり、かなり杜撰なものであったというのは、事実その通りである。なんといっても、「平和に対する罪」とか「人道に対する罪」というのはは事後法であった。つまり、犯罪が起きた後で、その犯罪を裁く法律を新たに作ったのである。これは法運用の上ではルール違反であろう。それに「人道に対する罪」を言いながら、広島・長崎への原爆投下や東京大空襲などの非戦闘員無差別殺戮は不問にされたのは明らかにおかしい。 しかし酔流亭はこうも思うのである。「勝者の裁き」であったにもかかわらず、敗者への処置は随分ゆるやかなものではなかったか、と。なにしろ、最高権力者は免責されたのである。また第一次大戦後のベルサイユ体制下でのドイツのように賠償金をとことん搾り取られるということもなかった。寛大といえば、これほど寛大な戦後処理はあまり無いだろう。もちろん天皇免責について言えば、それは連合国が慈悲深かったとかいうことではなくて、当時の国際環境とか国内統治上、そのほうがアメリカに都合が良かったからであるが。 しかし、「勝者の裁き」の理不尽さばかりを言い立てて被害者意識に浸る人たちがこのゆるやかさを見ようとしないのは、よほどに世間(世界)を知らないと言う他ない。 日本の戦争犯罪を裁いた国々が、しかしその後、ベトナムでアフリカで中東で侵略的軍事行動をくり返したのは映画のラストシーンが告発するとおりだ。しかしこれも、「だから東京裁判なんて欺瞞だ」と言うだけでは後ろ向きだろう。東京裁判を「戦争違法化への流れ」と位置づけて、戦争への動きを抑え込む論拠として活用することもできるはずだからである。「そっちだって戦争してんだから、オレが戦争したって文句言うな」とねじこむより、「戦争を罪として裁いたはずのあなた方が、自分も戦争をして恥ずかしくないのか」と詰めたほうが前向きではないか。 ・・・・ベトナム戦争のときも現在のイラク戦争でも、日本は逆の態度をとってしまったのだが。
by suiryutei
| 2006-10-08 18:16
| ニュース・評論
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Comments(13)
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saheizi-inokori at 2006-10-08 22:17
賛成です。
戦犯となった個々人にはいろんな思いはあるのでしょうが、戦争では個々人の都合と関係なく死ぬ人は死んでいく、そう思えば東京裁判は総体的にはうまい収め方だった。占領国としてもっと無茶をやられても文句は言えないですね。
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suiryutei at 2006-10-09 20:18
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やまだ
at 2006-10-11 00:49
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はじめまして。中国の大学で日本語を教えている者です。
「戦後60年企画」として昨年の夏に放映された「NHKスペシャル」のうちいくつかを今学期の視聴覚の授業で使いたいと考えています。それは中国の学生たちに日本がどのような視点から戦争に関する番組を制作しているのかを伝え、「日本人から見た第二次世界大戦」を知ることによって多角的にあの戦争について語り合えるようになりたいという思いからです。 そんな中で酔流亭さんの「東京裁判のこと」に出会いました。もし差し支えなければこの記事を配布プリントに掲載させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。(この記事で紹介されているビデオも日本に帰国した時に探してみようと思います。)
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こばやし
at 2006-10-11 01:23
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恥ずかしくないのかなんて。ここで書いてるひと、小学生か?
恥ずかしくないんだよ。
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suiryutei at 2006-10-11 09:36
やまださん、初めまして。
それは光栄です。こんなものでよかったら、どうぞお使いください。 やまださんのような方たちの努力によって、両国の人間同士の理解が深まっていくことがいま本当に大事だと思います。
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suiryutei at 2006-10-11 09:38
こばやしさん、意見交換したいところですが、意味不明のコメントなのでレスのしようがないのが残念です。
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大使
at 2006-10-12 01:05
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> やまださん
映画『東京裁判』はDVDでも出ているようですね。音楽が武満徹だったとは知りませんでした。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0002B58KY/sr=1-1/qid=1160582681/ref=sr_1_1/250-9951808-6068203?ie=UTF8&s=dvd
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やまだ
at 2006-10-12 01:10
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ありがとうございます。さっそくプリントに追加させていただきます。その際、こちらのURLを明記させていだたきたく思うのですが、よろしいでしょうか。こうした考えを持つ日本人もいるということを学生たちに知らせていきたいと思います。
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やまだ
at 2006-10-12 01:20
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大使さま (酔流亭さん、すみません、場所おかりします)
貴重な情報をありがとうございます!さっそく注文してまいりました。 なんと武満徹さんが音楽担当と!今年は没後10年ということでコンサートなども開かれているようですね。 いやはや、ネットというのはすごいものだとドキドキしてしまいました。 酔流亭さん、大使さん、本当にありがとうございます。
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suiryutei at 2006-10-12 09:59
大使さん、おはようございます。
情報ありがとうございます。私はこういうことに全然疎いので助かります。音楽が武満徹だったとは私も知りませんでした。
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suiryutei at 2006-10-12 10:02
やまださん、おはようございます。
URLのことも承知しました。どうぞどうぞ。 ああ、もう10年経つんですか。すると、あの頃は、司馬遼太郎・渥美清・丸山真男・武満徹・・・・同じ頃ばたばたと亡くなってしまったんですね。
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イワパイ
at 2006-10-13 14:42
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先週はお疲れさまでした
いつもご参加、ご協力ありがとうございます 3度に分けてやった『東京裁判』は、いかに自分たちが何も知らなかったかを痛感した企画でした 今後ともフォーラム色川は、『今』という不透明な時代を理解するために 歴史を学んでいく場を、スタッフとみなさんで ノリよく、楽しく造っていきたいと思います 12月には『東京裁判』を含めたフィールドワークを企画しています またお会いしましょう
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suiryutei at 2006-10-13 23:33
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