新人事制度 大阪での報告①~③
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上州の川中温泉(『かど半旅館』)に一泊して、帰りに前橋の[浅川]さんに寄った小旅行から、たった今、帰ってきたところ。郵便ポストに、二日分の新聞とともに、さるミニコミ紙が入っていた。社保庁の問題について先日寄稿を求められた文章が掲載されている。以下、コピーします。 (旅行の報告は後日ゆっくりと) ・・・・・・・・・ 郵政選挙の時と遣口は同じだ 郵便局を“民衆の敵”と設定して小泉劇場の舞台上で行われた05年夏の「郵政民営化選挙」から、はや二年たった。あのとき私が一番呆れ、腹が立ったのは、投票日間近に小泉総理(当時)が行った選挙演説である。「警察だって全国に25万人。なのに郵便局には26万人の正職員がいる。それに非常勤の準公務員が12万人。合わせて38万人だ。民営化すれば、これだけの数の公務員を減らせる」。 何に腹が立ったか。小泉氏が非常勤職員まで彼の言う既得権益者に仕立て上げ、攻撃対象に祭り上げたことに。現実には郵便局の非常勤職員の待遇は酷いものである。いわゆるロストゼネレーション(25歳~35歳)の若者が多いが、正職員とほぼ同じ仕事を、正職員以上によく身体を動かして働いているのに、賃金ははるかに低い。しかも使い捨て。酷使されて腰痛などを患う人がじつに多い。そして身体がきかなくなっては辞めていく。 私の職場では、とうとう死者が出た。深夜勤(夜7時から翌朝6時まで不眠の勤務)が終わった早朝に急に倒れ、亡くなった。49歳。つい二週間前のことだ。この人には老いた母親と二人の子供がいる。非常勤職員の賃金だけでは家族を養えないから、昼間は別の仕事もやって夜は局で働いていたのである。明らかに過労死だ。 あの選挙で小泉自民党が目論んだのは、郵便局員を目の敵にすることで働く者の中に分断を持ち込み、勤労者の中の比較的安定した部分への敵意や妬みを煽り立てることであった。小泉大勝に溜飲を下げた人もいたかもしれない。だが、その後の二年間で郵便現場で進行したのは、正職員以上に非常勤職員の待遇が悪化したことである。 郵政民営化論議は初め、郵貯を通じて集まった金が財政投融資に向かって民間にまわらないから、そのパイプを断つという話であった。無論これは順序が逆である。銀行に資金が余り、融資先が無くて国債を買い込んでいるときに、郵貯を民営化したところで民間に金が流れはしない。それでも、少なくとも日本経済をどうするという立論が初発にはあったのである。ところが、それがやがて郵便局で働いている者の既得権を奪えという方向に走り出した。そして選挙戦終盤では、冒頭紹介した小泉発言のごとく、もともと既得権など持っていない非常勤職員まで槍玉に挙げられた。 年金の問題は、このままではあの制度は持続できないということである。仮に制度がきちんと運営されていたとしても、いずれ破綻してしまうことがはっきりしているのだ。未納者を非難したり社会保険庁のミスや怠慢を、もっぱら現場の職員の“悪労働慣行”のせいにして叩いてすむことではないのに、話が極端に矮小化されているのは、二年前の郵政選挙と一緒だ。 本当に問われなくてはならないのは、憲法25条に謳う国民の生存権がないがしろにされていることである。年金を受け取れなくなる国民もボーナスの返上を無理強いされた社保庁の職員も、そして複数の仕事を掛け持たなければ家族を養えない非正規雇用の労働者も生存権を侵害されている。現憲法も守られていないのに、何が「改憲」か、ということである。
by suiryutei
| 2007-08-07 21:11
| ニュース・評論
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Comments(3)
小泉政権下での衆院選挙も安倍政権下での参院選挙も同じ有権者の投票結果です。結果は随分違いますが、有権者の意識が劇的に変わったと言うより、単に安倍が不人気であっただけのことで、小泉の手法が否定されたわけでもないと思うと、今回の選挙結果は「前進の一歩」とはとても思えません。小泉にあれほどの支持率を与えていた有権者に、どれほどの意識の変化があったのか疑問に思います。
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suiryutei at 2007-08-08 10:17
umeさん、おはようございます。
有権者の意識そのものは、たしかに二年前とそんなに変ったわけではないのでしょうね。ただ、自民党の大将の出来が悪すぎた。小泉氏が郵政民営化を叫んだのは、その当否はともかく彼は若い頃からこのテーマに政治生命を賭けていたのですから、それなりの迫力はありました。それに比べ、安倍氏がいきなり「社保庁をぶっつぶす!」と吠えたところで、いかにも安っぽかった。彼は初め、むしろ「消えた年金」問題は先送りしようとしてさえいたのですから。 ただ、有権者の多くが、その安っぽさを見抜いたというのは、まともなバランス感覚だと思います。元々は、二年前の自民党は勝ちすぎでした。 そして、あの「美しい国」の嘘くささ、「改憲」ムードの危うさも、有権者は感じとっていたのではないでしょうか。
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suiryutei at 2007-08-08 10:36
続きです。
昨日(7日)の朝日朝刊に、朝日新聞と東大の共同調査の結果が載っています。それによると、参院選の当選者のうち「改憲」に賛成なのは48%と、半数を割っているそうです。非改選と合わせても53パーセント。03年の衆院選挙以来、国政選挙のたびに同種の調査を行ってきたが、「改憲」賛成派が「改憲」の発議に必要な三分の二を割り込んだのは今回が初めてとのことです。 面白いのは、民主党の中で、04年時点では「改憲」賛成だったのが今回は反対に回った議員が結構いること。つまり状況次第で変るということで、無責任といえばまことに無責任だけれど、こちらの揺さぶり次第で民主党はまだ変るということです。 こんなふうにコロコロ態度を変える議員というのはあまり質が良くないだろうし、有権者も移り気でしょうが、ともかく今回の選挙結果は、憲法を守ろうとする側にとってはこれまでよりはいくらか有利な局面を切り開くことにはなったと思います。 あまり楽観をせず、さりとて悲観もせずに、やっていきたいと思うところです。
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