新人事制度 大阪での報告①~③
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朝日新聞夕刊のコラム『ニッポン人脈記』で連載されていた「手をつなげ ガンバロー」というシリーズが22日、三週間にわたり15回で終了した。その題名通り、働く人々の置かれている状況を改善しようと闘っている人々に取材したものであった。 このシリーズに、たとえば純文学作家の佐伯一麦さんの名前が出てくる(連載11回目)のは意外なような気もするが、佐伯さんは作家修行をしていた23歳から五年あまり、都内を電気工事に回っていた。防火のためとの国の指示で石綿が天井や壁に吹き付けられていた。やがて、ひどい咳が止まらなくなり、好きだった電気工の仕事ができなくなった。 一昨年、アスペクト被害のことを新聞で知った。現場で一緒に働いていた人たちは口より腕という気風。ひ孫請け、日雇い、出稼ぎ・・・症状があっても、すんなり仕事との関連を証明できる人は少ない。「言葉で表現する仕事の自分が書かなければ」。改めて石綿と向き合った。取材を重ねて、今年ルポルタージュ『石の綿』(新潮社)を出版する。 下町に小さな診療所を開いて、保険制度の網から漏れた外国人労働者の診療などに取り組んでいる東大医学部卒の団塊世代の医師を取材した回もあった。切り抜き損ねたので、いま酔流亭の手元にその日の記事は無いのだが、その診療所「ひまわり診療所」からは、年に何度か『通信』が我が家にも送られてくる(関連する記事は06年3月16日の日記に)。 連合の前会長に取材した記事もあった(連載14回目)けれど、記者の眼差しはむしろ大労組がこれまでカバーしてこなかった一人ひとりに向けられているようである。シリーズ最終回の22日に取り上げられたのは、日雇い派遣会社「フルキャスト」及び紳士服大手「コナカ」で最近、労組を結成した若者。27歳と25歳である。団塊世代の息子くらいの年齢だ(団塊の弟あたりの年齢である酔流亭からみても息子ほど)。 「会社を優遇して労働規制をゆるめたことで20~30代の彼らが一番苦しんでいる。派遣や契約社員など不安定な仕事ばかりが増え、運良く正社員になれたら、身を削ってがんばるしかない」。 「コナカ」に入社して待っていたのは、朝8時半から夜11時まで働く生活。今年2月に労組を作ると、会社との交渉で労働時間は守られるようになった。 いっぽう、「フルキャスト」で昨年9月に労組「フルキャストユニオン」を立ち上げて委員長となったのは登録スタッフを手配する側の正社員だが、彼は派遣されるスタッフの酷い待遇に心を痛めていた。労組を結成してから、一回の派遣ごとにスタッフの給与から250円を天引きしていたのを労使交渉でやめさせるなどの成果を挙げている。 最近読んだ新聞記事の中で、この連載ほど励まされ、また己の怠惰を叱責された記事は無い。労働組合運動の沈滞が言われて久しいけれど、しかし現場では地をはうような様々な取り組みがされているんだなと、改めて思う。 記事を執筆したのは鶴見知子記者。これまでも深夜労働の過酷な実態などを取り上げた記事を書いているのを何度か目にしたことがある。連載を結ぶ以下の言葉は平凡なようだが、この15回の連載を毎日熟読してきた者の目には新鮮で感動的に映る。 「・・たしかに、一人ひとりの力は弱い。でも、少し勇気をだして声をあげれば、きっと仲間はみつかる。そこから道はひらける。だから、手をつなげ、ガンバロー」。
by suiryutei
| 2007-10-24 18:17
| ニュース・評論
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Comments(2)
記事に取あげられた人達と立場は違いますが、彼らの勇気ある行動にエールを送りたいと思います。弱い立場の人が自らの力で立ち上がることこそが壊れ続けている日本に歯止めを掛けることにもなります。こういう人たちの力になれない「連合」や既成政党に奮起を促したいものです。また、この種の記事をコツコツと書く記者と、このルポを記事にした酔流亭さんにも賞賛の意を表したいと思います。
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suiryutei at 2007-10-26 08:36
自分の職場での組合運動に対して、このところちょっと半身に構えているのですが、そんな我が身を叱責されたような連載でした。この職場にあと何年残れるかわからないような状況ですけれど、やれることはやらねば。今から出勤します。
私も彼らにエールを送りたい。ありがとうございます。
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