新人事制度 大阪での報告①~③
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北京五輪の熱戦が続いている。 前半のみものは競泳と柔道である。競泳のほうは予選を夜やり決勝は午前中という不思議なスケジュールだが、柔道のほうは日本の時間では(北京との時差はそう大きくない)昼下がりから予選が始まり、夕食を摂る頃ちょうど決勝の実況放送となる。 酔流亭は今週は泊り勤務が入ってないから、我が家で酒盃片手に実況に視入っている。オリンピックの観戦は酔流亭は好きだし、自国選手を熱心に応援するほうだ。ナショナリズム(国家主義)には距離をとりたいが、パトリオティズム(愛郷心)はおおいに持っているのである。 12日の女子63キロ級の谷本歩美選手の一本勝ちは鮮やかでしたね。相手選手の胴が畳に落ちた瞬間には谷本選手はもう満面の笑みで、その表情がとてもよかった。 秩父から帰った10日の夜は、男子66キロ級の内柴正人選手が金メダル、女子52キロ級の中村美里選手は銅メダルだった。連覇の内柴選手は立派。銅メダルの中村選手はまだ19歳、平成になってから生まれた。日本の柔道選手中最年少もちろん五輪初出場での銅は大健闘だろう。翌日の新聞記事も「快挙」と報じた。 ところが表彰式での彼女にあまり笑顔がない。涙も、うれし涙ではなく悔し涙なのだという。「金メダル以外は同じ」と取材に答えたそうだ。 志が高いのはいい。しかし、金メダル以外、何もみえないというのは、どうであろうか。第一、現在の実力からして金メダルを狙える位置にいたとも思えない。 競泳の男子100メートル平泳ぎで北島康介選手が世界新記録で優勝したとき、それまでの世界記録保持者だったハンセン選手(米国)はすぐに北島選手に寄ってきて祝福した。ハンセン選手は2コース、北島は5コースで泳いだのだから、ハンセンは2コース分をまたいで祝福に来たのである。なんと性格のよい男であろうか。酔流亭のような反米主義者でさえ、アメリカの若者というのは、きっとああいういいヤツが多いんだろうなあと、その光景を見れば思う。そしてオリンピックが平和と友好の祭典だというのは、人々の心にそういう気持ちを喚起するからではないのか。 だとすれば、金メダルを取るためだけに北京に来ましたみたいな振る舞いをする選手を送り出した国を、他の国の人々はどのように思うだろうか。 いや中村選手を責めるのではない。全力を尽くして戦った直後の19歳の少女を批判するのは酷である。悪いのはまわりの大人たちだ。金メダルを取ることが日本柔道の宿命だみたいなことを言いたがる連中がいるのだろう。五輪種目に採用されるほど世界に普及しているスポーツを、ただ発祥の国というだけの理由で自分たちの独占物であるかのように思い込むのは奇妙なことだが。 それに東京都知事の石原慎太郎氏のような人物もいる。選手たちを北京に送る場で、身体を張ってメダルを取って来いと彼はアジッていたものだ。 こういう勇ましいアジテーションを聴くと、この人は本当は「お国のために死んでこい」と兵士を戦場に送り出したいのに、憲法9条に邪魔されてそれができないものだから、代りに五輪を戦争にみたてているんじゃないかという気になってくる。開催地が北京というのも、中国に敵意を燃やす石原氏の戦意をおおいに掻き立てたのだろう。 五輪憲章に謳うように、「オリンピックは、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」のだ。そのことを忘れずに、自分にとって身近に感じられる(それは大抵の場合やはり自分と同じ郷土の選手ということになってしまうが)選手を応援したいと思う。
by suiryutei
| 2008-08-14 18:54
| スポーツ
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Comments(2)
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