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このブログは朝食を終えた午前8時ごろから取り掛かり、9時前後に更新ができれば一番いいのだが、今日の午前はインターネットの接続がずっと不調だった。お昼も食べ終わって、もう午後である。 さて昨日の朝日新聞朝刊には18ページに柄谷行人、19ページには斉藤幸平のそれぞれインタビュー記事が載っていた。18ページと19ページは見開きになる。マルクスに連なる思想家についての記事が左右両面に載るなんて、こんにちの商業新聞としては珍しいことだ。 柄谷さんが交換を重視するのはなんとなくわかるような気がする。わからないのは、このインタビュー記事でも「生産様式がいくら変わろうとも交換様式は変わらない」(2段目)と述べているようなところだ。 柄谷さんは交換様式をAからDまでに分類する。いま手元に氏の著作が無いので前に図書館から借りて読んだときの記憶で書けば A 互酬 B 略取と再分配 C 商品交換 D Aのより高い次元での再現 ではなかったかと思う(間違っていたらごめんなさい)。 ならば「交換様式は変わらない」ではなく交換様式だって変わっていくのではないか。交換が行われることは変わらない、と言うのならわかるのだが。 国家の恐ろしさへの認識が社会民主主義者もマルクス主義者も不充分だという指摘は酔流亭もそう思う。 斉藤幸平のほうのインタビュー記事は〔坂本龍一が遺したもの〕というテーマの連載における、その最終回での氏の登場である。 ここに柄谷行人のことが出てくるのが面白い。前述した交換様式Dと斉藤の「脱成長コミュニズム」とを融合させてということだろうか、世代を超えて盛り上げていけと、亡くなる前の坂本龍一に依頼された、というのである。 それから斉藤が影響を受けた思想家としてサイードとともにグラムシの名を出している。彼の著作を初めて読んだときグラムシのことが頭に浮かんだので、そのことを雑誌『労働者文学』No.88(2020年12月刊)にコラム的な書評として書いたことがある。マルクスに連なろうとする者がグラムシから学ぶのは当たり前のことであるが。 柄谷流「交換様式論」も斉藤流「脱成長コミュニズム論」も、酔流亭はわかるようでわからないのは、先に柄谷に即して述べたとおり。 でも、こういう話は面白いと思う。 ※関連して #
by suiryutei
| 2025-05-15 13:41
| ニュース・評論
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韓国のハン・ガンさんが書いた今のところいちばん新しい小説『別れを告げない』の初めのほうに、こんな描写がある。 ・・私は去年の秋にインソンの家で会った小さなインコたちのことを思い出した。その一羽が、コンニチワ、と私に声をかけた。・・(略)・・もっと不思議だったのは、その鳥がまるでインソンの質問を理解しているみたいに、「ソウ」とか「ウン」とか「チガウ」とか「シラナイ」といった返事を交差させながら、かなりもっともらしい会話を続けていたことだ。・・ (58ページ) インソンというのは、この小説の語り手である女性作家キョンハの親友。不慮の事故に遭って緊急入院したインソンに、済州島の家で彼女と暮らしているインコの世話をキョンハが頼まれたことが物語のとば口になっているのだ。 鳥と人間とのこんな会話もどきに、酔流亭はなんだか既読感めいたものがある。『別れを告げない』を読み始めるより少し前に読んでいた『水車小屋のネネ』(津村記久子)においても、オウムの一種、ヨウムという鳥が主人公である理佐と律の姉妹を相手に、似たような会話もどきをやってみせるからだ。本の題名にある<ネネ>とは、そのヨウムの名前。 それで、いまインコとオウムの違いをネットで検索してみると、AIが答えて言うに、冠羽(かんう。くちばしの付け根から頭頂部にかけて生えている羽のこと)が無いのがインコで、あるのがオウムだということである。ただし、冠羽があるのに名前の中にインコと入っている種類のオウムもいるらしい。ややこしいが、つまりインコもオウムもどちらも似たようなものということだろう。 なお『水車小屋のネネ』は毎日新聞夕刊に2021年7月1日から22年7月8日まで連載され、23年3月に単行本になった。『別れを告げない』の<あとがき>には2021年初秋とあるから、それが脱稿した時季だろう。斎藤真理子さんによる日本語訳は24年4月出版。つまり二つの作品はほぼ同じ時に別の言語(日本語と韓国語)で書かれた。どちらか一方が他方からインスピレーションを受けたということではないだろう。それぞれが独自の発想で、人間と会話もどきをやる鳥に自作の中で重要な役を与えているのである。 いま書いたことは『別れを告げない』の周辺的な話であって、この小説の核心にはなんら触れていない。『別れを告げない』は、自分が所属する社会の現代史の闇に、暴力に、作者が自分の存在をかけて対峙しようとした作品である。こういう作品に向かって何か書くにはこちらも覚悟がいる。 ※労働者文学会HP扉のコラムでは『蕎麦掻き』というタイトルで『水車小屋のネネ』に少し触れています。 #
by suiryutei
| 2025-05-14 08:15
| 文学・書評
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1972年11月8日に早稲田大学第一文学部自治会室で起きた川口大三郎さん虐殺事件とその後については、このブログでも何度か書いてきた。酔流亭は1973年に早稲田の法学部に入学したので、川口さんが殺されたときとそれからの数か月のことは直接には知らない。しかし、4月にキャンパスに立ったとき、早稲田を暴力から解放しよう、まともな学生自治会を作ろうという運動はまだ続いており、酔流亭もその空気をいくらかは吸った。そのことは〔いてんぜ通信〕去年秋号に書いたとおりだ。 川口さんが殺された直後、事件を起こした革マル派の自治会執行部をリコールして生まれた第一文学部自治会臨時執行部の副委員長として、闘いの中心にいたのが野崎泰志さんだ。委員長は『彼は早稲田で死んだ』(2022年大宅壮一ノンフィクション賞受賞)を書いた樋田毅さんである。 酔流亭は一年前の夏、当時の早稲田についての記事をネットで検索していて、野崎さんが書かれている『「X団」顛末記』を読むことができた。X団とは野崎さんたちが当時第一文学部において作ったグループである。詳しくは直接読んでください。 納得したし、教えられるところが多かった。それがキッカケで野崎さんのブログをときどき訪ねるようになった。 今年の春はあまり更新をされていなかったので、しばらく覗いていなかったのだが、先月末から更新の頻度が上がっている。半世紀前の早稲田のあの日々を考える上で必読と思う。 上の写真は映画『ゲバルトの杜』のパンフレットから撮影した。野崎さんは映画の中でインタビューを受けているが、映画の視点に対しては批判的である。その批判も酔流亭はほぼ納得する。 なお、今週末、同世代の友人たちと飲む予定なのだが、その顔ぶれで飲むようになったのは去年の初夏『ゲバルトの杜』を観て語り合ったことがキッカケだ。映画は5月に観て、7月に語り合う会をやり、12月には忘年会をやった。今度は3回目だ。メンバーが死に絶えるまで続く集まりになるかもしれない。 #
by suiryutei
| 2025-05-13 09:06
| ニュース・評論
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今朝7時すこし前、朝食の準備をしながらTVのBS放送を点けると大リーグのドジャースの試合の中継をやっている。ちょうど大谷が打席に入るところ。イニングは6回まで進んでいたかな。 相手チーム(ダイアモンドバックス)のキヤッチャーが着けているプロテクターがピンクなのに驚いたら、大谷の振るバットの色もピンクだ。 今朝は日本では12日の朝だが、この時間アメリカは11日の夜。ピンクは<母の日>に因むらしい。 この打席、大谷はタイムリーヒットを放った。もっとも、そのあと盗塁に失敗。バッターは誰もがピンクのバットである。試合はドジャースがリードのまま、多分もう終わったろう。 大リーグって何かと面白いことをやる。 さて食事室でTVを点ける前、午前6時台は自室でハン・ガン『別れを告げない』を読みながらFMラジオを聴いていた。NHK〔古楽の楽しみ〕という番組。マグダレーナ・コジェナーの歌声が流れてくる。楽曲はヘンデルである。 コジェナーのことはずいぶん前に書いたことがある。 ところが、上の文章を書く少し前まで彼女の歌はまだ聴いたことがなかった。だから彼女の歌については吉田秀和の文章からの受け売りなのである。音楽を論じたつもりはないので、それでもいいと考えたのだが。 それ以降は、ラジオの音楽番組を聴いていて、コジェナーの名を聴くと耳を澄ませるようになった。チェコ出身のソプラノ歌手である。 今朝、天気はぐずついているけれど、たまたま点けたラジオでコジェナーの歌を聴き、TVのスイッチを入れた途端に大谷のヒットを目にしたのだから、週のスタートとして悪くない。 そしてハン・ガンさんの『別れを告げない』は、酔流亭は人から借りて読んでいるのだが、済州島の4.3事件をテーマとして、くり返し読まれなければならない作品だと思う。
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by suiryutei
| 2025-05-12 08:46
| 音楽
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都心に出るついで、神田に足を伸ばした。 この街に来たら蕎麦の〔まつや〕に寄らないわけにはいかない。焼き海苔をアテに菊正宗の熱燗を浅酌、もり蕎麦を手繰った。 まだ明るい時間である。店を出て、すぐ裏の〔竹むら〕のある通りに出た。〔竹むら〕というのは、去年のNHK朝ドラ『虎に翼』においてヒロイン寅子(演・伊藤沙莉)らが入り浸っていた甘味屋・・じゃなくて、その甘味屋〔竹もと〕のモデルとなったお汁粉屋。 その〔竹むら〕を過ぎて歩いていくと、角に祭りの天幕が張られて、須田町という幟と共に神輿が鎮座している。 祭は今日11日が本番というか神輿の宮入・・である。法被姿の町衆の姿もあちこちで見かけた。 この近くの〔近江屋洋菓子店〕に寄った。 写真は外観だが、天井が高い店内もいかにも神田の老舗らしい。 家への手土産に焼き菓子の箱入り詰め合わせを買おうと思った。水色の制服の若い女店員が応対してくれる。 焼き菓子のうちレーズンビスケットは生クリームを使っているので要冷蔵だ。ところがこの日、夜に用事があって帰宅は遅い。さて、どうしようかと酔流亭が戸惑っていると、女店員さんが言うに、保冷剤を使うと紙の箱だから紙が湿って傷んでしまうし、箱の外から貼るので効きも弱い、もし家で食べるならバラで買って袋に入れたほうが保冷剤も効きます、ということである。バラ買いなら数も自由にできるし、とも。 じつは、連れ合いと2人暮らしだから、箱入り詰め合わせだと数がちょっと多いかな、と思っていたところである。そこで、数を少し減らして袋に詰めてもらうことにした。箱は有料だが、保冷剤は無料ということだ。 女店員さんの対応は涼やかで感じがよかった。〔まつや〕の花番(蕎麦屋のお運びのお姐さんをこう呼ぶ)さんたちもそうだし、神田の街で働く人たちのこういうところが好きである。 焼き菓子はフルーツケーキとレーズンビスケットとマドレーヌの3種類。 #
by suiryutei
| 2025-05-11 08:57
| 酒・蕎麦・食関係
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