新人事制度 大阪での報告①~③
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北朝鮮がミサイルを発射した5日は、酔流亭は昼間の勤務であった。 職場の休息室にもTV受信機は備え付けられているが、同僚たちの関心は午前11時半のミサイル発射より、午後の競馬の出走のほうであるらしかった。よく言えば冷静。まあ、無関心なんですね。 帰宅してから、TVのニュースをちょっと視た。“街の声”としてマイクを向けられた人の中で、 「本当に発射するなんて信じられない」 と話している人がいた。 どうも、この人は、ミサイルが日本列島めがけて撃ち込まれると、事前には漠然とそう思っていたのではないかしら。だから「本当に撃ったのかよ」とびっくりしたのだろう。しかし、実際には列島の上空を高く通過し、はるか太平洋の彼方へとあっというまに飛び去っていったのであった。 新聞報道などを丁寧に読んでいれば、今回の発射はこれほど大騒ぎすることでも、また「信じられない」というほどのことでもないことは分かったはずである。たとえば東京新聞4/4朝刊の『こちら特報部』という欄では『ミサイル問題 日本騒ぎすぎ?』というタイトルで、「北朝鮮はどこかにミサイルを撃ち込もうとしているのではない。世界の、特に米国の関心を引こうとパフォーマンスをしている。それに日本政府が過剰反応している。金正日総書記はほくそ笑んでいるだろう」「日本に落下する可能性は『道を歩いていて交通事故に遭う確率よりはるかに低い』」と、比較的冷静に分析していた。 とはいえ、その東京新聞だって一面見出しには「ミサイル」という言葉が踊る(この拙ブログだって、そうですが)。ミサイルといえばまず兵器だと思うし、なにしろ北朝鮮は過去に拉致事件を引き起こしたような軍事独裁国家であり、核保有を宣言した国である。日本との仲は険悪。そして私たちは日々の労働に追われ営業ノルマで駆り立てられ、あるいは育児や介護に疲れ果てている。新聞の解説記事にゆっくり目を通すいとまなど無いのだ。そういうところにもってきて政府やマスコミがこれほど大騒ぎすれば、日本列島にミサイルが撃ち込まれるんじゃないかと錯覚させられてしまったとて無理はない。 だから、政府の要人や、軍事の専門家であるところの防衛省は、こういうときこそ人びとの気持ちを鎮め、冷静であれと呼びかけなければならなかったはずだ。事実は逆。発射前日の4日に、防衛省が「発射された」と二度も誤報を出したのは、騒ぎをことさらに大きくしたかった、この人たちの心理を反映しているだろう。北朝鮮の愚行をもっけの幸いとして、この人たちは戦争ごっこがやりたかったのであり、「有事」の予行演習を行うことで軍事費増強への国民の合意をとりつけたかったのである。 こう書いたとて、北朝鮮の行為を擁護するつもりは、酔流亭にはさらさら無い。昨日の朝日新聞朝刊の解説記事によれば、ロケットが他国の上空を通過するのはなるべく避けるのが国際信義だという。国際法違反をくり返す、あの乱暴なイスラエルでさえ、国の東側には中東諸国が広がっているから、ロケットを打ち上げるときは物理的に不利になるのを承知で地中海の広がる西側へ向ける。この「物理的に不利」というのは、東に撃てば地球の自転する方向と同じなので自転速度を利用することができ、打ち上げ速度をかせぐことができるんだそうだ。 もっとも、北朝鮮の西のほうは広大な大陸が広がるから、北朝鮮が撃つとすれば、日本海があり、その向こうには太平洋が広がる(そして地球の自転速度も利用できる)東のほう、ということになってしまう。言うまでもなく、わが日本列島のある方向である。 であればこそ、北朝鮮はミサイル発射などやってはいけないのだ。軍事力の密集地帯であるアジアでこんな火遊びをやられては、隣近所は物騒でかなわない。 さて、今回の発射が国連決議に違反しているかどうかを巡っては、国際社会の対応は割れているようだ。06年7月と10月の二つの安保理決議は「弾道ミサイル計画に関する全ての活動の停止」を求めているのだから、厳密に考えれば、これに違反しているのは間違いない。 それでも国際社会の意見が割れるのは、北朝鮮の「対決姿勢」に強硬姿勢で応えるより、「六者協議」など交渉の場であの国のかたくなさをほぐしていったほうが、結局はより有効だろうという判断があるのがひとつ。 もうひとつは、これまで核兵器はじめ軍事技術をほしいままに開発してきた大国や、その大国によりかかってきた国に、自分のことを棚に上げて小国の軍事力開発を避難する資格があるのかという反発が国際社会にはあるのではないか。このことは、私たちはよく考えなければならない。軍縮と緊張緩和へ自らが誠を示さないでは、相手の軍事偏重を詰ったところで説得力を欠くのだ。 そして私たちがもうひとつ気をつけておかなくてはならないのは、失政続きで国内の支持基盤が弱くなった政権は、人びとの目を外に逸らすために対外的に強硬姿勢を執ることが多い、という点だ。小沢民主党の迷走で一息つけそうとはいえ、麻生自民党はやはり末期症状。“仮想敵国”相手に勇ましく拳をふりかざすことで人気回復を図りたいところだろう。ゆめ乗せられるな。
by suiryutei
| 2009-04-07 10:18
| ニュース・評論
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