新人事制度 大阪での報告①~③
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8月最初の土曜日、午前の東海道線下り列車なら行楽客で混んでいるかと思ったが、午前10時03分東京発の下り熱海行き(各駅停車)は意外と空いていた。その30分ほど後に「快速アクティー」熱海行きがあるから、そちらのほうを利用する人が多いのかもしれないし、また夏の行楽ならばもっと早い時間に東京を脱出してしまうのかもしれない。 横浜を過ぎると、さらに空いてきた。4人掛けのボックス席にひとりとなる。東京駅で買った穴子の押し寿司の駅弁を食べながら、これも東京駅で買った一本の缶ビールは、そのころにはもちろんもう空である。 大船を過ぎ藤沢を過ぎる。そろそろ海が近く、車窓からの眺めも広やかになってきた。 酔流亭のバッグの中には山梨の銘酒「七賢」の四合瓶が眠っていた。宿で寝酒が足りなくなったときに備えて持ってきたのだ。うっかりぼんやりで忘れ物の多い酔流亭だが、自分の飲む酒の心配だけは抜かりないのである。 しかし、このとき酔流亭はHOWS(本郷文化フォーラムワーカーズスクール)の夏季セミナーに参加するため湯河原に向かっていたのだ。二泊三日のこのセミナーの第一講は『20世紀社会主義総括の視点』。 こういう講座に参加するのに直前に酒を飲んでしまっては、やはりまずいのではないか。いつもの物見遊山ではないし、理論的な会話に乏しいこのごろの労働組合の泊まりこみ会議とも違う。酔流亭だって、まだこれくらいの自制心は働く・・・・はずであった。 大磯を過ぎると、いよいよ青い海が見えてくる。もういけない。酔流亭は前夜は9時半までの勤務で帰宅は11時半過ぎ。つまり、前夜は飲む時間がいくらもなかった。そして夏季セミナーのプログラムを見ると、上記の第一講のあと夕食となり、そのあと夜7時からは第二講の『現代における誠治と文学について』が行われることになっている。すなわち、この日の夕食でも酒は飲めないということである。 そこで・・・ならば移動中の列車の中でくらい少しぐらい飲んだっていいじゃないかという考えが頭をもたげてくる。あれこれ弁解がましいが、これが酒飲みというものの論理である。 四合瓶をバッグから取り出し、封を切った。むかし青梅の小沢酒造で貰った利き酒用の大きめのグイ呑ミに注ぐ。「七賢」というのは美味い酒だ。そして七賢も小沢酒造も山の造り酒屋であって、これを東海道の海を眺めながら飲むというのが、なんとなくいい気分なのである。一合半ほど飲んだ。 第一講の開始は午後1時からである。ロビーでコーヒーでも飲めば、その時間までには酔いは醒めるだろう。 ところが、正午過ぎに宿に着いたときベレー帽を被った老紳士と一緒になった。武井昭夫さんである。前にも一度書いたが全学連の初代委員長。HOWSというフォーラムは武井さんを慕う人たちが中心になって運営している。酔流亭にとっても、遠くから敬してきた方だ。 その武井さんと、宿のエレベーターに乗り合わせることになった。小さなエレベーターである。そして古い型のものらしく非常にゆっくり上昇する。酔流亭の身体から発する酒の匂いに、武井さんは当然気づかれたはずである。まずいなあ。昼間っから酒気を帯びて講座に参加しようという男を、この筋金入りの闘士はどう思われたことだろうか。
by suiryutei
| 2009-08-08 10:39
| 旅行
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