新人事制度 大阪での報告①~③
最新の記事
タグ
労働(124)
辺野古(46) 郵便局(43) 文学(31) コロナウイルス(31) 韓国(19) 朝鮮半島(12) 映画(11) NHK朝ドラ(10) ひよっこ(9) 大西巨人(9) なつぞら(8) 神田まつや(8) 労働者文学(8) 神聖喜劇(7) 関西生コン労組(6) 狭山事件(6) ブレイディみかこ(6) ケン・ローチ(6) 蕪水亭(6) 最新のコメント
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ブログジャンル
画像一覧
検索
|
音楽評論家の吉田秀和さんの文章を読むと、いい気分になる。同感される人は多いのではないか。先月27日の朝日朝刊に、この人の『音楽展望』が久しぶりに載ったから、上等な酒をちびりちびり飲むように、ゆっくり読んだ。 今年生誕200年を迎えるショパンの話である。色々なピアニストの弾くショパンのこと。 たとえば旧ソ連のピアニスト、エミール・ギレリスによるソナタ第三番ロ短調を「晴れ上がった冬空に浮かぶ富士山を見るよう」なんて書く。 酔流亭は音楽のことには疎いのだが、ギレリスというピアニストは記憶に強く残っている。多分、彼が来日しての演奏を高校生くらいのときTVで聴いて、その印象が強烈だからである。これは逆にいえばクラシック音楽にその程度しか親しんでいないということ。滅多に外食しなかった子ども時代に都内の食堂で食べたカツ丼の味をいまだに忘れかねているようなものだろう。 しかも酔流亭がそのとき聴いたギレリスは、ショパンではなくてたしかブラームス。ピアノ協奏曲だったと思う。でも、あの明晰な弾きっぷり。ブラームスではなくショパンを弾いても、きっと「冬空に浮かぶ富士山」だろう。 ギレリスが活躍したのと同じ時期、ソ連にはリヒテルという名ピアニストもいた。 「・・彼のショパンはショパンの音楽の枠をぶちこわし、そこからとび出してしまったような感じを与える。・・・凄いショパン。でも、ショパンがきいたら『君のは少し強すぎるよ、僕はベートーベンじゃないよ』といったのじゃないかしら」。 漠然と感じていたことを正確に言葉にしてくれる。吉田さんの文章を読むといい気分になる理由のひとつは、そういうことかもしれない。 今日(5日)、中央線快速の下り列車に乗る用事があった。荻窪を過ぎ吉祥寺のあたりで、高架を走る車窓から富士山が望めた。雨上がりの快晴だったけれど、なにしろ今日は冬空ならぬ初夏の陽気(もう三月だ)。やや朦朧とした富士で、ギレリス的ではなかったような。
by suiryutei
| 2010-03-05 17:10
| 音楽
|
Comments(4)
こんばんは。
その記事は私も読みました 吉田秀和氏は専門用語を使わずに 分かりやすい言葉でその本質を ズバリと伝えてくれます 素人にも優しい真の評論家だと思っています
0
あれー!読み逃してます!!まだ捨ててないよなー!
Commented
by
suiryutei at 2010-03-06 09:35
天ぬきさん、おはようございます。
同感です。文章に品がありますね。
Commented
by
suiryutei at 2010-03-06 09:37
いっちゃんさん、おはようございます。
私はあの日、溜まった新聞を二日分まとめて持って家を出、通勤電車で読み捨てにするつもりでしたが、吉田さんの文章の載った紙面だけは破りとって持ち帰りました。
|
ファン申請 |
||