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3年前の初夏に北海道を旅したとき、網走郊外能取湖畔にある[能取湖荘]という旅館に泊まった。ここはいい宿で、窓からは能取湖の眺めが広々と見渡せるし、魚が旨い。宿料は民宿並みである。 泊まった部屋には山口瞳・関頑亭コンビによる色紙が掛かっていた。関頑亭さんが描いた観音様の絵に山口瞳さんが折口信夫(釈超空)の「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」という短歌を書き付けたものだ。宿に予約の電話を入れたとき「山口瞳の紀行文で知りました」と伝えたので、その部屋を用意してくれたのだろう。 著名な民俗学者で國學院大學教授だった折口信夫は、歌人としては釈超空という筆名を使っていた。孫悟空みたいで面白い名だとかねてから思っていたが、その由来を考えたことはなかった。ところが、昨日の朝日新聞朝刊で丸谷才一さんがそのあたりのことを書いている(「釈超空という名前」)。 まず、釈というのは浄土真宗の法名である。折口には9歳年上の真宗僧侶である恋人がいた(彼は同性愛者であった)。超空とは山魅、つまり山の妖精。おそらく二人で山中を放浪しているときに、恋人である僧侶がたわむれに折口をこう呼んだのではないか。そして、この恋は僧侶の結婚によって終わるのだが、折口はその名を己の筆名にすることで秘められた初恋を偲んだというのである。 なるほど。なお、この筆名の由来を明らかにしたのは、富岡多恵子さんの『釈超空ノート』(2000年)とのことである。
by suiryutei
| 2004-12-08 09:41
| 文学・書評
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Comments(5)
折口信夫の歌人での筆名、「釈超空」。
この名前の由来を今回初めて知ったように酔流亭さんは書かれていますが、確か以前の酔流亭日乗(ブログ以前の)で既に書いていた、と花まきは記憶しています。いかがでしょうか?
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ええと、折口=釈超空であること、彼は同性愛者だったことなどは書いた気がしますが、名の由来については酔流亭も昨日はじめて知りました。そういえばウチも門徒宗なので、亡父の位牌には釈の字が入っていたな。
あ、そうでしたか。では花まきの勘違いですね、きっと。
大変失礼致しました。(ククッー!←悔しがってる花まき)
きゃ~、酔流亭でログインしていたまま書いちゃったよ。ドジ!
折口信夫が同性愛者だったということは「木島日記」を読んで知りましたが、彼の歌人のほうの名前の由来はなかなかロマンチックというか・・・。もちろん大学の教授たちはそんなこと一言も言ってくれはしませんが(笑)。この本は降り口先生を日々を綴っているフィクションなんです。
あ、花まきさんが勧めてくれた「パレード」読みました。初めての吉田修一作品でしたが、この作品が最初だったおかげでほかのも読んでみようという気持ちになりました。ありがとうございますー。
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