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10代の最後の三年、つまり18・19・20歳の夏、8月6日は広島で迎えた。原水爆禁止世界大会に参加したためだ。したがって9日は長崎にいた。1973~75年のことである。 おおよその記憶だが、8月3日に夜行で東京駅を発ち、4日に広島入り。5日は原爆資料館に行ったり病院で入院中の被爆者から話を聴いたり、市内のあちこちで開かれる分科会や分散会に参加。そして6日朝の平和記念式典に列席(といっても学生は一番うしろのほう)し、夕方、またも夜行で長崎に向かう。そういうスケジュールであった。最後の75年は、3日の午前中に国立の郵政研修所で郵政省職員の採用試験を受験し、それから家で荷造りして集合場所の東京駅に向かった。退学届けは一学期の終わりに学部当局に出していた。 当時は敗戦からまだ30年たつかどうかというときだ。20歳で被爆した方なら、まだ50歳になっていない。今の酔流亭より若かったのだ。「被爆体験の風化」への危惧がすでに語られてはいたけれど、被爆者から伺った体験は生々しかった。女性や子どもなど非戦闘員を無差別に殺すのが核兵器であり戦争だと知った。母親の胎内にいる胎児にだって放射能は容赦をしなかった。 核兵器や戦争に反対する理由はいくつもあるだろう。しかし最大の理由は、女性や子どもの殺戮をそれは必ず伴なうからだと酔流亭は考える。 時代がずっと下って7年前の2003年、アメリカがイラクに侵攻した。2003年といえば酔流亭はこの日記を書き始めた年。タイトルどおり酒飲み日記として書き始めたのだが、ときにイラクでの戦争についての考えを述べることもあった。戦争では非戦闘員も犠牲になると何度も書いたのは、若き日の広島と長崎での見聞も記憶の底にあったからである。 そんな或る時、日記(当時はまだブログではなく、『さるさる日記』というレンタル日記を使っていた)の読者という人から怒りのメールが送られてきた。アメリカが行っていた非道を糾弾しているのではない。怒りは酔流亭に向けられていた。「戦争反対」のプロパガンダをやるのに「女子ども」をダシにしているというのが彼の怒りの理由であったようだ。「古代ならともかく現代の戦争でそんなことあるわけがない」。そんな意味のことを書いてきたから、兵士以外は戦争では死なないと本気でそう思い込んでいたのだろう。事実は、時代が新しくなるほど兵士以外、つまり非戦闘員の死者が増えているのはすこし調べてみれば誰にでもわかることだ。国民国家の成立で戦争は総力戦の性格を帯び、武器の破壊力は技術の進歩とともにいよいよ凶暴なものとなっているのだから当然そうなる。 しかし、「女子どもも死ぬ」ということが多くの人びとが戦争に反対する大きな理由であるとすれば、その事実を見えなくしてしまえば反戦の声を大きく弱めてしまうことができるだろう。事実、イラク開戦直前には、「人道的空爆」などという戯言を吐いた評論家も出てきた。武器の高度化は軍事施設だけを正確に破壊することを可能にしたので「人道的戦争」も可能になったというのである。それが全くの虚言であったことは開戦後の現実が明らかにした。イラク市民(兵士ではなく市民ですよ)の死者数は控え目にみても10万人を超すという調査結果がある。 戦争や核兵器は兵士だけでなく女や子どもや赤ん坊も殺す。今朝の読売新聞『編集手帳』がちょっと触れていたが、名作TVドラマ『夢千代日記』で吉永小百合さんが演じたヒロインは母親の胎内で被爆して生まれた。その原爆症はドラマの進行とともに彼女の体力を奪っていく。 そういうものである戦争に、核兵器に反対しなければならないと酔流亭は思う。 ※関連する過去ログとして ☆『8月6日』(09年8月6日)
by suiryutei
| 2010-08-06 13:58
| ニュース・評論
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Comments(4)
65回目のヒロシマの日を歌った拙歌にTBさせていただきました。
原水禁運動については、愚劣な政治主義的分裂のまともな総括が分裂を主導した双方から未だにされていないように思いますが、いかがでしょうか。
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酔流亭さん、こんばんは。
≪秋葉忠利(広島)市長の広島平和宣言≫からの抜粋を。 以下、一部抜粋です。 『このように、核兵器廃絶の緊急性は世界に浸透し始めており、大多数の世界市民の声が国際社会を動かす最大の力になりつつあります。 こうした絶好の機会を捉(とら)え、核兵器のない世界を実現するために必要なのは、被爆者の本願をそのまま世界に伝え、被爆者の魂と世界との距離を縮めることです。核兵器廃絶の緊急性に気付かず、人類滅亡が回避されたのは私たちが賢かったからではなく、運が良かっただけだという事実に目を瞑(つぶ)っている人もまだ多いからです。』 『また、内閣総理大臣が、被爆者の願いを真摯(しんし)に受け止め自ら行動してこそ、「核兵器ゼロ」の世界を創(つく)り出し、「ゼロ(0)の発見」に匹敵する人類の新たな一頁(ページ)を2020年に開くことが可能になります。核保有国の首脳に核兵器廃絶の緊急性を訴え核兵器禁止条約締結の音頭を取る、全ての国に核兵器等軍事関連予算の削減を求める等、選択肢は無限です。』 私はこの中で、「選択肢は無限です」という部分にとても心を打たれました。
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suiryutei at 2010-08-08 09:24
髭彦さん、おはようございます。トラックバックもありがとうございます。
18歳の私を誘ってくれたのは原水禁のほうの人でしたので、以来ずっとその大会に参加してきましたが、分裂は一方だけが悪いということではもちろんないと思います。意見の違いはあって当然。論争しつつ協働をすることへの辛抱がどちらにも欠けていたのでしょう。そのことへの総括がされないまま、他の分野でも分裂がくり返されていますね。
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suiryutei at 2010-08-08 09:29
ゆうこさん、おはようございます。
私も、この言葉をTVの中継で耳にしてとても印象に残りました。やること・やれることはたくさんあるのですよね。あれはだめでこれでなくてはいかんというようなことを言い合うより、とにかくできることをやることが大事と思います。
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