新人事制度 大阪での報告①~③
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郵便事業会社が計画しているリストラ(非正規切りと賃下げ)について、新聞『思想運動』に寄稿した記事を転写します。 小泉民営化のとき郵政事業は貯金・保険・郵便局・郵便事業の四社に分割された。貯金・保険はともかく郵便局と郵便事業との違いはわかりづらいかもしれない。窓口が郵便局会社、物流を受け持つのが郵便事業会社である。街で配達していたり夜中に区分作業をしているのは事業会社の社員。その郵便事業会社が今年三月期に1050億円の営業赤字が予想されていることは本紙前号でも報告した通り。1月28日、「経営改善策」を総務省に提出した。運送の効率化と大口顧客との取引条件見直しのほか、成果主義賃金の導入、賃金・ボーナスのカット、期間雇用社員の削減や配置転換などによって2012年度に日本郵便全体で営業黒字、5年程度でゆうパック事業を単年度黒字にすることを目指すとしている。かつて経験したことのないリストラが私たち郵便労働者に襲いかかろうとしている。 業績悪化が経営側の責任であることは商業新聞さえ指摘した。付け加えて言っておかなくてはならないのは、責任があるだけでなく経営側によって意図的に作られた面が多分にあるということだ。ともに利益率の低いゆうパックと日通ペリカン便とを統合することで、採算性の悪さをむしろ梃子に低賃金・悪労働条件の別会社を作ろうとしたのがJPエクスプレス。とても黒字になりそうにないので事業会社は乗り気薄だった。それをグループの総帥、西川善文・日本郵政社長(当時)が叱責、強引に話を進めた。これでは新会社の企画設計も杜撰になるはずで、総務省は開業を認可せず。一昨年のことである。今さら退くこともできず、JPエクスプレスでやろうとして果たせなかったことを今度は郵便事業会社まるごとで目論んだ結果が昨夏の「お中元ゆうパック遅配騒動」だった。すなわち赤字の火だるまに突き進むことで、これをリストラの起爆剤に転じようというのだ。「あまねく公平に」というユニバーサルサービスを切り捨てるにも、労働条件を劇的に引き下げるにも、「業績悪化→会社存続の危機からの脱出」は格好の錦の御旗として使える。 いま前面に出てきた成果主義賃金体系の導入とは、「新たな人事・給与制度」と呼ばれて会社とJP労組の間で数年来交渉されてきたもの。基本給の三割をカットして、それを成績給に振り分ける。原資から500億円を差っ引いた上でこれを導入しようというのである。三月期に予想される赤字は1050億円だ。ということは賃金制度を改悪すれば赤字のモトなんて二年間で取り戻せるではないか。リストラに利用するため作られた赤字だと述べる所以である。いかに労使協調のJP労組指導部とはいえ、年500億円の賃金カットには平時ならおいそれとは首を縦に振れぬであろう。だが「債務超過の恐れ」と脅しつけられたらどうか。企業あっての労働者という意識に骨がらみとなった組合官僚などたやすくねじ伏せられると会社は読んだのである。事実、今月17・18日開催のJP労組中央委員会の議案は「かつてない危機的な・・・日本郵政グループ各社の現状を考慮した」云々と、闘う前から頭を下げてしまった。 さらにJP労組は、期間雇用社員の雇い止めについては「JP労組組合員の雇用に配慮することを求める」としている。労組が自組合員を守ろうとするのは当然のことではある。だが正社員の9割を組織するJP労組といえども期間雇用社員における組織率は22%に過ぎぬ。このとき雇い止めそのものに反対するのではなく、また全ての労働者を守るため闘うのではなく、JP労組の組合員だけは配慮してくれと懇願することは何を意味するだろう。組織拡大に雇い止めを利用しようというだけのことではないか。 JP労組の心ある組合員―われわれもその中にありたいと思うーは、このような恥ずべき方針をひっくり返すべく反リストラの旗を鮮明にすべく力をふりしぼろう。 ※関連する過去ログとして ☆『郵政リストラをめぐって』(11年2月3日)
by suiryutei
| 2011-02-18 09:55
| ニュース・評論
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