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大晦日なので、部屋の片付けをしている。自分が書いた古い文章のコピーが出てきて、そこにスーザン・ソンタグの名が見える。つい、手にとって読んだ(だから片付けが捗らないのだが)。ソンタグ女史が亡くなったことを昨日の朝刊で知ったばかりだからだ。 享年71歳。ベトナム反戦運動で知られ、最近もイラク戦争に反対してきた。批評家・小説家。言語学者チョムスキー、やはり最近亡くなった作家サイードらとともに、アメリカの良心的知性を代表する人であった。逝去は28日、死因は急性骨髄性白血病とのこと。 なぜ酔流亭の古い文章にソンタグ女史の名が出てくるか。 「9・11」のあと、職場のミニコミ紙に、事件の背景にはアメリカが世界を収奪している構造があること、しかし数千名の市民を殺戮したテロには同感できないと酔流亭は書いたのだが、それに知人の新左翼活動家が噛み付いてきた。酔流亭の考えはブッシュと同様だというのである。そのとき彼は、ソンタグ女史の事件についての発言「『文明』や『自由』に対する『卑劣な』襲撃なのではなく、世界の超大国を自称するアメリカに対する襲撃、アメリカの行動や利益の結果に対する攻撃」を引用した。 酔流亭は不思議だった。ソンタグ女史が言うのと同じことを酔流亭も書いたつもりだからだ。またソンタグ女史はあの「9・11」テロを支持したのでもない。以下、Sさん(その新左翼活動家)へ酔流亭が書いた反論の一部を抜き書く。 「・・・一昨年、NATO軍がユーゴを空爆した折、ソンタグ女史は空爆を支持した。女史をおとしめるためにこれを言うのではない。現代における態度決定のむづかしさをSさんに知って欲しいのである。・・・私自身はユーゴ空爆は反対だ。・・しかし、当時のユーゴ国内の情勢には眉をひそめさせるものがあったのも事実である。・・少数民族の虐殺が行われていたのは間違いの無いことだったようだ。そこで、国際社会は深刻なジレンマに直面したのである。軍事介入は避けたい。といって、ユーゴ国内の惨状も座して見るに忍びない。そこから、、好戦的軍拡論者では決してない人々の間でも意見の分岐が生じ、ある人々は空爆やむなしとする立場に立った。だが、こうして苦渋の選択として断腸の思いで空爆を支持した人々と、最新兵器の試し撃ちができる絶好の機会とばかり空爆を歓迎した連中とでは、同じ空爆支持といっても、その思考法は千里の開きがあるのだ。だから、前者の人々をおしなべて帝国主義の同調者とか手先と呼ぶのは正しくないと思う。大事なのは、意見の対立が生じたときは、事実に即して討論し、それを通じて分析を深め、対立をより高い次元で止揚するのを目指すことである。自分が持つ思想なり観念を図式化し、その図式に現実を当てはめるがごときであってはならないのである」。 現代における態度決定のむづかしさと、そこで誠実に生きることの大切さを、スーザン・ソンタグ女史の軌跡は示しているかと思う。 部屋の片付けが終わったら、今年最後の日記をもう一本書くつもりです。
by suiryutei
| 2004-12-31 11:11
| ニュース・評論
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Comments(3)
「同じ空爆支持といっても、その思考法は千里の開きがある」・・・ああ、そうか、そうだった、と改めて思いました。こないだのアメリカ大統領選挙のときも、「ケリーを積極的に支持する」人たちと「ケリーのほうがまだましだから支持する」人たちと「ブッシュが嫌いだから支持する」人たちと・・・。この態度決定の困難さはいろいろな局面につきまといますね。勉強させていただきました。
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戦争というものへの態度表明は、本当に難しいものです。
私はいつも 「すべての反戦運動は総論で行われるが、すべての戦争は各論で行われる」 と言っています。 それゆえにいわゆる 「反戦運動」 は無力なのだと。 しかし、忘れてました。スーザン・ソンタグ的反戦は、総論ではなかったですね。 ただ、それゆえに、シチュエーションの相違で態度も変えなければならなかった。 本当に難しいです。
私自身は、やはり戦争には反対したいと思うのですが、それにしても思考停止して一般論を言うのでは反戦の力は強いものにはならないと思います。最近読んだ『脳力のレッスン』(寺島実郎・著)という本で、著者は物事を具体的に考える力を脳力と呼んでいますが、これが大事だと思います。
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