初詣

穴八幡に初詣に行った。
なんで穴八幡かというと、神楽坂に２日から店を開けている蕎麦屋があるからである。初詣のあと初蕎麦もできる。あと、穴八幡は「ぼけ封じ」のご利益があるそうだから、われわれにピッタリだろう。

お昼に穴八幡に着き、お参りをすませてから、おみくじを引いた。酔流亭は神仏は一切信じない男であることをまず明言した上で（だから初詣に行くのは正月気分を味わうためだけだ）言うのだが、このおみくじが意外と当たっているのである。たとえば「貴方は良い友人とともに敵も多く作ります。・・・自分の心にある虚勢、激情、独裁等を抑制して・・・」なんて書かれているのは、つい最近、古くからの活動仲間と言い争いをしたばかりなので、ギクリときた。
以前、労働組合の活動を一緒にやっていた友人たちが最近発行したビラの内容を酔流亭が批判し、それは一方的な論難であり罵倒だとの反発をもらったのである。労働運動の流れを変えるとか再生だとか言っているくせに、こんなつまらない主張をしていていいのかよという酔流亭の気持ちが語気の強さになって出たことは事実だ。
それから神楽坂まで歩く。穴八幡のある早稲田からは地下鉄で一駅だから、歩いてもいくらでもない。飲んでいるうちに、女房の友人であるmisaさんも合流。
この蕎麦屋の店主は腕はいいのだが、かなり無愛想だ。その分、おそらく店主夫人であろう花番さんが感じがよいので、それで救われているところがある。ところが、その花番さんが器を落としたのかどうか、ちょっと音を立てたとき、店主の「何やってんだ！」と叱責する声が厨房から聴こえた。
酔流亭は、こういうのはダメである。どんな間柄だろうが、あんなふうに人に頭ごなしにモノを言ってはいけない。また、もし酔流亭が女房にあんなモノの言い方をしたら、女房は絶対に許さないだろう。「自分の心にある虚勢、激情、独裁を抑制して・・・」。そうだな。たまにはおみくじを引いてみるのも悪くない。