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10年近く前にBSの再放送で視た『おしん』に反戦の思いが意外にも強く込められていたことを思い出しつつ、現在の朝ドラ『カーネーション』と比較するような文章を書いたのは今月初めのことであった(『「カーネーション」と「おしん」』12/01)。その記事を、こう結んだ。 「『カーネーション』にも戦争の翳が差すようになった。隣家に住む幼友達には赤紙が来て出征したし、神戸の祖父が営む紡績会社は軍服しか作れなくなる。尾野真千子さん演じる実に魅力的なヒロインはこの時代をどう駆け抜けるのだろうか。興味は尽きない」。 それから一月近くが経ち、ドラマの進行は1945年7月まで来た。戦争が終わるまで、あとわずか。登場人物たちがなんとか無事に戦後まで生き延びてほしいと思いながら毎日視ているのだが、しかし、岸和田きっての料亭の娘でヒロインの幼友達だった奈津は、耐乏生活で客足の遠のいた料亭を手放して失踪してしまうし、今朝(27日)の放送の最後の場面で届いた郵便は、どうやらヒロインの夫の戦死を伝えるもの。 哀切きわまりないのは、もうひとりの幼友達、勘助のエピソードである。気が弱くて、ヒロインには「このヘタレ!」と軽んじられているけれども心の優しい若者だ。彼に召集令状が来たのは1930年代後半。太平洋でのいくさはまだ始まっていないが中国大陸では泥沼の戦闘が続いていた。彼も大陸に出征する。ところが二年後に除隊して岸和田に戻ってきたときは心が虚ろになって、別人のよう。 勘助に何があったのであろうか。ドラマは語らないが、彼が大陸にいた時期は、たとえば南京虐殺事件(1937年)が起きている。日本軍による住民虐殺である。そうしたことはあのときの南京市内だけで起きたのではない。日本軍は各地で非道を働いた。酔流亭の勝手な推測だけれど、勘助の心を病ませたのは、それらに遭遇したことだったかもしれぬ。 廃人のような勘助が再び召集されるのは、今度は戦争も末期。もはや日本は兵力が払拭していたのだ。そして僅か一月後には死んでしまう。捨て駒のように使われたのだろう。 さてヒロインの経営する洋裁店は、大政翼賛会からの通達によってミシンを供出させられそうになるが、この危機を軍服を縫う仕事を始めることで切り抜ける。亡父が世話をした人の中に軍需の関係者がいて、この人物に仕事をまわしてもらったのだ。ところがヒロインは彼に頼みにいったときも「軍服」という言葉をなかなか口にできず「グ、グ、グンプク」とどもってしまう。あるいはリヤカーを引いてミシンを取り上げにきた婦人会の面々に「軍服を縫っていますから」とは自分の口ではどうしても言いたくなかったのだろう、店員に代わりに言わせている。ドラマの作り手の戦争に対する思いがこんなところにも窺えるようである。小津安二郎が自分の映画に軍服姿を登場させなかったことと通じるように思った。 ※関連する過去ログとして ☆『「カーネーション」と「おしん」』(11年12月1日)
by suiryutei
| 2011-12-27 10:12
| 映画・TV
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Comments(2)
酔流亭さん、見てますよー。
カーネーションは、ある意味のんびりと平和をむさぼっているお茶の間にはきわどさをつきつけるドラマですよね、それだけにひきつけれ、見逃せないです。ガラスに貼った新聞紙のプリント文字、茶箪笥の小道具、安岡美容院の陶器の重箱、植木など何もかもよく調べ、計算していますねー。脚本家の力がスタッフを力づけ、駆り立てているのでしょう。これは「ちりとて」で賞をとった、あのスタッフたちではないかと思うのですが。 そして、主人公の人生はドラマ以上にすさまじかったようです。 ほとんど、自伝にあることばかりです。 1月からは、恋する女の新たな人生をどう描くか。非難ごうごうかもですが、楽しみです。もう良妻賢母だけを描く時代ではないことをNHKが示す・・痛快かもです。 ところで、深夜食堂終了?わー残念。すっかり最後を録画忘れてましたー。ま、マンガみているのでいいかな、です。 よいお年を!
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ginsuisenさん、こんにちは。
ここまでヒロインは恋とはあまり関係なくきていますから、後半の新展開がたのしみです。それにしても「蛸酒造」の酒、飲んでみたいなあ。 「深夜食堂」での小林薫さんもよかったですね。 では、よいお年を!
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