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お盆休みが終わった。といっても、正月やGWと違って、お盆はカレンダーでは休日になっているわけではない。だから街を歩いても通勤電車に乗っても、世の中がいっとき「止まった」ような感じになっているのとは違う。電車だって平日ダイヤだしね。 ただ、帰省や行楽で東京を離れる人が多いから全体にガランとしている。平日と休日の中間のような、そんな中途半端さが悪くない。 そんな一週間、記憶に残った言葉。 「戦争は兵隊が死ぬだけでなくて、一般の人が死ぬ方が多いんです」 これは13日の朝日新聞朝刊で見た。医師・日野原重明さんの言葉である。今年101歳になる日野原さんは68年前、1945年3月10日の「東京大空襲」のとき聖路加国際病院の内科医長だった。病院には大やけどを負った人が大勢逃げてきた。ところが戦争末期で医薬品がもう無い。 「できることは新聞紙を燃やした灰をただれた肌につけるくらい」 みんな死んでいった。 10年前、イラクにアメリカが戦争を仕掛けたとき、イラク国内はそれまでの経済制裁で医薬品なども底をついていると報じられていた。そこに戦争となれば女性や子どもなど非戦闘員にも大変な犠牲が出る。事実そうなったのだが、開戦前、当時メールをやりとりしていた人にその危惧を伝えたところ「おんな子どもを持ち出すとはケシカラン。古代ならともかく現代の戦争でそんな残酷なこと起きるわけない」という返信をもらった。無知に呆れた。「古代ならともかく」どころか時代が新しくなるほど非戦闘員の犠牲が増えているのが戦争だ。 ところが17日の朝刊によれば、松江市の小中学校の図書館で漫画『はだしのゲン』が閲覧制限を受けることになったという。「描写が過激」というのがその理由である。 戦争とは残酷なものだが、それを伝えようとすれば「描写が過激だから駄目」。 こういうことがやられていけば「戦争で非戦闘員が死ぬはずがない」と本当に思い込む人が出てくるだろう。ちょっとくらいドンパチしたってかまわない、思い知らせてやれ・・・それは戦争に反対する力を弱めてしまう。
by suiryutei
| 2013-08-19 09:36
| 身辺雑記・自然
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