新人事制度 大阪での報告①~③
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これも『伝送便』誌寄稿文です。7月5日のブログ記事を土台にして加筆したもの。深夜労働をやる者にとって、この夏の酷暑はホントにこたえた・・・。 秋風が吹く今日この頃にはちょっと時季外れの話題になってしまったが、先月号特集記事『酷暑に泣く郵便屋さん』は主に外勤の職場が取り上げられていたから、内務の職場の夏をここでは報告。それにこの異常気象だ、真夏日は一〇月に入ってもまだあるかもしれない。 「隣りの職場で、出勤前に二度吐き、それでも出勤してきましたが、やはり具合が悪くて、いま身体を横にして休んでいる人がいます。皆さんも体調管理にはくれぐれも注意してください」 七月下旬からの少し涼しかった時期が過ぎ、猛烈な暑さがまた襲ってきた頃だから八月に入って一週間ほどたってだろうか。深夜勤の始業ミーティングのとき、こんな周知が流れたことがある。私の職場の深夜勤は夜七時始まりと九時半始まりの二つ。その夜の私は遅い時間からのほうだった。具合が悪くなった人は早い時間からの深夜勤に出てきて倒れたのである。その人の容体についてはその後なにも聴いていないから、幸い大事には至らなかったようだ。お盆の頃、他部でのことだけれど、去年退職して再任用で今も働いている人が夜勤で出勤してきたところロッカー室で倒れて入院した。この人も一指定(二八日間)に四回の深夜勤をやっているが、深夜勤従事者が倒れたからといって全て深夜勤が原因だとするには慎重でなければならない。持病とか他の原因かもしれないのだ。私にしてからが、いま倒れたとしても「あんな酒ばかり飲んでいる奴、深夜勤やってなくても引っくり返るよ」と言われそうである。ただ、そんな我が身に照らして思うに、九年前に深夜勤が導入されて以来一指定に七回ないし八回の深夜勤をやってきたけれども、体調管理が難しいのは間違いない。過ごしやすい季節でもそうなのに、今年の夏の猛暑ではなおさらだ。その入院した人の直接の原因は熱中症。これは二~三日でおさまったそうだが日頃から血糖値などが高い。危険ラインと診断されて病院暮らしは九月初めまで続いた。 一指定に七~八回こなすとなると深夜勤は連続する。一晩寝ずに働いて、朝帰宅し、その日の夜また出勤だ。遅い時間からの深夜勤が終わるのは午前八時半。今年の夏は八時前には気温が三〇℃を超した。その炎天下に徹夜明けの身体を自宅まで持って行くのだって大儀である。そして昼前には気温は三五℃前後。閉め切ったカーテンの合間から洩れる陽射しは強烈で、いかに室内のエアコンを効かしたといっても充分な睡眠が摂れるわけがない。だいいち深夜勤従事者全員の家庭にエアコンが完備されているとも限らない。日暮れれば、前夜の不眠労働の疲れと日中の暑さでクタクタになった身体に、もう一晩の徹夜労働が待っている。しかも夜になっても気温はなかなか三〇度を下がらない。私の職場は輸送部なので、郵便トラックが頻繁に発着するホームでの作業は夜通し熱風に吹かれたままだ。かすかに風を涼しいと感じられるのは夜明け前のいっときくらい。逆に真冬の深夜には気温零度前後の寒風に吹きさらされるが。 さて関東甲信越以西の今年の梅雨明けは七月六日であった。その六日から八日間の私の勤務を紹介しておこう。 ●6日 日勤(09:00~17:45 休憩45分間を引いて実働8時間) ●7日 中勤(11:45~19:30 休憩45分間を引いて実働8時間) ●8日 深夜勤(19:00~翌06:00 休憩1時間を引いて実働10時間) ●9日 深夜勤(21:30~翌08:30 休憩1時間を引いて実働10時間) ●10日 明け ●11日 深夜勤(21:30~翌08:30 休憩1時間を引いて実働10時間) ●12日 深夜勤(21:30~翌08:30 休憩1時間を引いて実働10時間) ●13日 明け 一〇日と一三日の「明け」は勤務指定表では「非番」と記入されている。「非番」といえば休みのように聞こえるけれども、見られたように前夜からの勤務が一〇日も一三日も朝八時半まで続く。つまりこの八日間、一日まるまる休める日というのは無い。 すると週単位での労働時間はどうなるであろうか。六日~一二日までの一週間を切り取ってみよう。六日と七日がどちらも八時間勤務、八日と九日(一〇日にまたがる)、一一日(一二日にまたがる)が一〇時間勤務であるから、ここまで六日間の合計が8×2+10×3=46時間。これに一二日夜の21:30~24:00の2時間半を足して48時間30分である。 労働基準法は週四〇時間を法定労働時間の上限と定めているのに、超過勤務をやるわけでもないのにそれを八時間半もオーバーしてしまう。特別なケースとして挙げたのではない。連続深化勤に入る前の日が休日でない限り、その日から七日間の労働時間は大抵は四〇時間を超す。 こういう働かせ方が可能なのは、変形労働時間というものを労働基準法が認めているからだ。ある週が四〇時間を超えても、またある一日が八時間を超えても、もっと長い期間をとって均してしまって週四〇時間・一日八時間になっていればいいという考えである。だから、私の勤務も、週四〇時間に満たない週もある。そうやって多い労働時間の週の埋め合わせをする。ならば文句は無いだろうって? そうはいかない。こんなふうに波のある労働時間では身体のリズムが狂ってしまう。それで不眠症になったり、「うつ」を患う人が深夜勤従事者には少なくない。私だって年二度の健康診断のとき自分の睡眠時間(深夜勤の続くときの昼間は熟睡できるのは三~四時間)を医師に正直に言ったら指導票に「不眠症」と書かれた。医療区分では「要観察」だ。大抵の深夜勤従事者は、こういう慢性疲労状態で今年の酷暑を迎えた。 勤務指定を作る人だって苦労している。少ない人員の中で、夏季休暇や年次有給休暇の希望も容れながら日々の稼働人員をひねり出さなくてはならないから、前記したような勤務にならざるをえない。深夜勤が導入される前の泊まり勤務は拘束時間は長いかわり三時間くらいの仮眠時間があったから、週に二度この泊りをやるとすれば実労働時間は週三十四時間。それでも昼間の週四〇時間より身体の負荷はきつかったと思う。深夜労働・変則労働に従事する者には週四〇時間では長すぎるのだ。ところが変形労働時間制の下では昼間労働でも上限の週四〇時間さえ時には超してしまう。 しかるに「労働力政策」における「あるべき姿」が実現すれば郵便事業だけでも二万人前後が減らされる。労働時間をもっと「弾力化」すなわちメチャクチャにしなければ乗り切れなくなる。TPPの下すすむであろう労働法制の「規制緩和」は変形労働時間制のような働かせ方をもっと拡げるだろう。 この夏の出来事としてもう一つ。ロールパレットの上段から落下して頭蓋骨を骨折するという事故が七月二十二日に起きている。会社の対応は、見たところヘルメットと安全靴着用のチェックを強めたくらいだ。
by suiryutei
| 2013-10-05 19:08
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