新人事制度 大阪での報告①~③
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季刊『社会評論』No.175の<労働者通信>欄に寄稿した文章を転写します。なお末尾にある「二月を目途に討論会ないし学習会」は2月19日(水)に開催予定で準備を進めています。 背景に何があるかは説明するまでもないだろう。コストぎりぎり、ときに採算割れも辞せずに繰り返されるダンピング的な仕事の奪い合いに各社の設備も要員も追いつかないのだ。日本郵便の場合、二〇一〇年の日通ペリカン便との統合時の混乱はまだ記憶に新しい。赤字を続け、日本通運にとってはお荷物でしかなかったペリカン便を郵便事業会社(当時)はなぜ抱え込んだのか、今日でも謎の部分が残る。動機のひとつとされているのは日通が持っていた冷凍・冷蔵設備が魅力だったということである。郵便局には大きな冷蔵庫はあるのだが、冷凍能力はない・・・。その程度のことが本当に統合を急いだ理由なのか怪しい気がするけれど、一応そう言われている。そしてあの統合失敗が響いて大赤字を抱える日本郵便はそのご新たな設備投資はほとんどしてこなかった。日通から継承した冷凍設備をフルに使ったとしても大量の貨物が殺到する繁忙期にはパンクする。 それにしても、今日の昼間、岐阜県高山市の精肉店でスライスしてもらった飛騨牛が明日の午前には千葉県の我が家に届く。この便利さは絶対必要なことか。こんな過剰サービスを実現するため区分にあたる作業員もトラックの運転手も深夜不眠の労働で寿命を縮めているのだ。 さて十一月十七日の朝日新聞朝刊は年賀ハガキの「自爆営業」の実態をスクープした。「自爆営業」とは、利用者に売るはずの自社商品をそこに働く者がしょいこまされること。ブラック企業のやることである。同記事によれば、たとえば長崎県内に住む三〇代の郵便局員(正規雇用)は、一枚四〇円の値段で四千枚の年賀ハガキを北海道の金券ショップに送った。そんな遠くを選んだのは「足がつかないように」との配慮。局員だって社内割引なんてものはなく正価の五〇円で買わされるのだから四千枚を一〇円引きの四〇円で売れば四万円も自腹を切らなくてはならない。金券ショップの年賀ハガキは一割引(四五円)での販売が相場。利鞘の五円を金券ショップが稼ぎ、正価で局員に押し付ける日本郵便の腹はもちろん痛まず、働いている者だけが泣きを見る。この記事が出た十一月十七日は、私も関わっている『伝送便』誌(郵政で働く者の交流誌)の全国編集委員会が大阪で開かれていた。宿舎になった寺の広間に修学旅行の高校生みたいに雑魚寝した朝、コンビニに朝日新聞を買いに走った。前夜おこなわれた各地からの職場報告でも年賀ハガキの販売ノルマは正規雇用で一人七千枚前後が相場、最高は大阪の某局一万五千枚である。非正規に六千枚というのもあった。だから朝日のあの記事が伝えるところはおおむね正確。 記事が触れておらぬこととしては今年四月からスタートする「新人事制度」との関係がある。同制度の下では査定幅が今より拡大するから、会社が口先だけで「コンプライアンス遵守」をいくら謳おうと、強制された自発性として自爆営業はもっとひどくなるだろう。さらに「新一般職」新設はどういう役割を果たすか。非正規雇用と従来の正規雇用との中間に置かれる職種として日本郵便では今年四月に五二〇〇人の登用を予定している。対象となる月給制の非正規雇用は同社では全国で六千~七千人。枠からはみ出す人数を少し残してあるのがイヤラシイ。枠から外れないためにノルマを達成しなければという強迫効果があるからだ。 私たちは今年も二月を目途に討論会ないし学習会を都内で開催しようと考えている。ブラック企業化に抗して連帯を拡げていきたい。
by suiryutei
| 2014-01-07 09:41
| ニュース・評論
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