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新人事制度 大阪での報告①~③
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2月19日に開催された『伝送便カレッジ早春特別講座』で行った報告を5回に分けて連載します。 ![]() ちょっと長い前置き ~数字で見た郵便事業 これはつい13~14日に開催されたJP労組の第12回中央委員会議案書にも出てくる数字ですが、昨年11月に発表された日本郵政グループ2014年3月期中間決算によれば、郵便事業における2013年度上期の総取扱物数は96億4.000万通(個)で、前年度比0.4%の減少でした。減ってはいますが減り方は僅かだ。そのうち郵便物は79億3.400万通で1.0%の減少。しかし、ゆうパックは2億100万個で10.0%の増加とのことです。私たちが『伝送便』誌面でこれまでも追及してきたしマスコミも最近よく問題にする「ゆうパック自爆営業」による、まさに労働者の涙の賜物でしょう。残る15億500通というのはゆうメール。これは1.7%増。 しかし、別にこういう数字も出されています。2013年度の収益見通しです。これによれば郵便事業部の2012年度の営業収益1兆7.544億円に対し2013年度の見通しは1兆7.271億円にとどまっています。273億円の減少です。 つまり労働者が自腹を切っての必死の“営業努力”で扱い物数総体はトントン(正確には半年で0.4%という僅かの減)のところで踏みとどまっているのに、収益減の足どりはもっと早い(年間でマイナス1.5%くらい?)。なぜでしょうか。よく言われるのはユニバーサルサービスということです。過疎地でもあまねく公平に配達するから採算がとれるわけがないと。それもあります。が、それだけではない。私は新東京局という大きなところにいるので特に実感するのですが、大口の特別割引が増えているのです。切手が貼られた、つまり通常の料金を頂く郵便物が減っている分を大量の特別割引郵便物が物数としては補っている。しかし商売としてはどうか。先ほど述べたダイレクトメールは一度に100万通以上出すと40%引きです。さらに月間で200万通出せばもう40%と二段階で割り引かれます。こんなに大量に、また何度も出すのは大きな会社に限られますから大企業ほど有利です。いっぽう日本郵便としては捨て値になる。それに午後運び込まれた大口は、深夜帯に処理される場合が多い。深夜労働は賃金が割り増しされます(これは当然!)。深夜の午後10時から翌午前5時の間は時給制なら新東京では50%増し。正規雇用はもっと手あつい。深夜労働は身体への負荷がきついのだから賃金割り増しは当たり前で、現状ではまだ少ないくらいだ。けれども、会社の経営ということで言えば、大幅に料金が割り引かれた郵便物を処理するのに賃金が割り増しされた深夜労働を充てるというのはちょっとちぐはぐである。利益が出るはずがありません。 利益が出なくたって、それで日本経済全体の物流を下支えしているんだから、それでいいんだ、と国営時代は考えられていました。近代経済学ではこういうのを指して「社会的共通資本」と呼ぶそうですね。利益が出るかどうかは二の次の公共財。だから個別郵便事業では儲けが出なくたってしょうがない。この「社会的共通資本」という表現だと、前述した大企業ほど有利といった問題がなんとなく見えにくくなる。つまりこれはマルクス経済学のほうの言葉を使えば「階級性」ということが曖昧にされるんじゃないか。そんな気はします。しかし郵便事業とか、あるいはいま問題になっている北海道の鉄道とか、そういうところは利益が出ないのはしょうがない。だから民間企業に任せてはならない。そう考えるのは間違っていない。また、そもそも民間資本のほうがそういう儲けの出ない部門には手を出してこなかった。したがって国営でやっていく他なかったわけです。ところがケインズ主義的な近代経済学とマルクス経済学の双方を攻撃しつつ台頭してきた新自由主義の下で、それ以前は利益が出ないとされていた企業も民営化されてしまった。ものすごいリストラをやって公共性を剥ぎ取り安全には金をかけず人件費を削れば、それまで採算が立たなかった部門も黒字化が可能だというやり方です。このやり方でやっていった挙句の失敗例が今日のJR北海道ではないか。リストラに次ぐリストラの結果、安全軽視の企業体質にされてしまった一方で、民間企業としても利益を出すことができないでいる。では黒字のたとえば本州のJRはあれで結構なのかといえば、たしかに過疎地の路線は廃線にし、人口密集のところで鉄道を核に他の事業もうまく回していけば経営が成り立たなくはない。しかしその過程で前述した「社会的共通資本」としての性格はズタズタにされてしまいます。安全性が怪しくされてしまったのもJR西日本の尼崎の事故(2005年)が示したとおりです。 私たち郵政の場合はどうか。日本郵政グループのうち郵貯と保険の金融二社は、こちらも以前より収益を減らしてきているけれども儲けは出ている。しかし、改正民営化法によって郵便局と郵便事業とがまたくっついた日本郵便は、前述のような“階級的捨て値商売”をやっているんだから、民間企業としての先行き見通しは暗い。大企業の利潤追求活動を採算度外視で支えるという点では、前述したように国営時代よりもっとそうなっています。だから民営化されたといっても、郵貯・簡保は全株式売却を目指すとしているけれども日本郵便については政府が三分の一の株を持つ親会社・日本郵政が全株を保有となっているのです。これは小泉民営化のときからそう。民営化原理主義者といえども金融二社は早く完全民営化したいが郵便については完全な民間企業としてはやっていけないことはわかっている。ところが会社は、この見通しの暗さを逆手にとってリストラを合理化しようとする。民間企業として生き延びていかなくてはならないのだから、そのためには人減らしも一時金削減もやむをえないと。 私たちは、会社のこの手前勝手な論理に踊らされないことがまず大事ではないでしょうか。どうせ捨て値商売をやっているんだから会社の収支に一喜一憂はやめましょう。JP労組の中央委議案を読むと、来年に迫った株式一部上場に向けて会社と一体になって頑張ろうということだが、株が上場されれば株式を投資家にとって魅力あるものにするためとしてまた一段とリストラに拍車がかかるのは目に見えている。労組がやらなければならないのはこれと闘うことではないか。 そう開き直った上で、リストラの切り札として4月からいよいよスタートする新人事制度と向き合っていきたいと思います。 (つづく)
by suiryutei
| 2014-02-25 12:46
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