新人事制度 大阪での報告①~③
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HOWS(本郷文化フォーラムワーカーズスクール)では去年11月23日、国労高崎地本書記長の唐沢武臣氏を講師に『JR北海道の事態はどうして起きたのか』というテーマの講座を行った。その記録が季刊『社会評論』No.175に約30ページにわたって載っている。(講師と)同じ労働者の立場から、その記事について思ったことを話せ、と、同誌の「東京西部読者会」から仰せつかったので、この前の日曜、会場の武蔵野公会堂会議室に出向いた。 要旨こんなことを話してきました。 1.私は1955年生まれ、1975年に郵便局に入局したので、この講座の報告者・唐沢さん(1957年生まれ、1976年国鉄入社)とほぼ同世代です。彼は経歴を見ると1986年に国労高崎地本の青年部長に就いていますが、私は1984~5年に全逓東京中郵支部青年部副部長をやりながら東京中部地区青年部の1年目は組織部長、2年目は教宣部長を兼任しました。このあたりまでは国労・全逓は(国労のほうが前に出ていたけれども)ともに手をとりあって反合理化職場闘争を闘っていたから活動歴もほぼ重なります。ただし、国鉄民営化以降、全逓は「国労のように闘っていたら潰される」という恐怖から路線を急転換、労資協調路線に走っていきます。私も1990年代なかば、反本部の立場で全国大会代議員選挙に立候補(落選)して以降、組合役員には一切就いていません(“反全逓の分裂分子”とレッテルを貼られた)。講座後半の質疑応答の中で「職場で多数派をとれ」という二瓶久勝さん(オリジン労組顧問)の言葉が紹介されているけれども、私などはそれには失敗したクチです。ただし、「職場で多数派をとる」ためになりふり構わなくやってきたのがJR内の政治党派だったのではないでしょうか。郵政における、かつての“左派”などにもそういうところがあります。原則を守りながら多数派をとるにはどうしたらいいか。自分の力不足に忸怩たる思いですが。 2.国鉄(当時)に就職した学生時代の仲間たちのことを思い出します。私の学生時代、ストライキを闘う国鉄・郵政の労働者は輝いて見えた。そこで“大卒サラリーマン”になって身動きできなくなる(今日言われている“無限定正社員”というやつ)より、敢えて中途退学して(学歴をあまり問われない)国鉄か郵政の現場に入ろうと考えた仲間は少なくない。私などは中途退学したのは学費が払えなくなったのが主たる理由ですけれども。そうして国鉄に入った友人3人のうち一人は動労に加入、のちにその運動に嫌気がさしてJRそのものを辞めました。国労に加入した一人は国鉄作家集団の中心的書き手となって定年までいて現在はJR関連企業で働いています。もう一人は音信不通。 3.さて唐沢さんの報告でことに興味深かったのは「本当は民営化されていないJR」という項目。なぜかというと、やはり民営化された郵政も、郵便事業は本当の民営化とは言えないから。採算性に不安があって、したくてもできないのです。ここのところJR北海道と似ている。このあたりの事情については、先月、郵政の仲間で開催した学習会のレジメの冒頭ですこし触れていますので、その部分を読み上げますね(02/25ブログ記事参照)。国鉄民営化の矛盾が一番あらわれているのは安全問題と唐沢さんは言われています。郵政の場合は、国鉄のように事故が起きれば大勢の人命にかかわるというわけではないですけれども事故はやはり増えています。私の職場である新東京郵便局の安全衛生委員会の議事録コピーを持ってきました。今年1月開催のものです。これによれば今年度に発生した業務災害は1月現在で37件。昨年度(2012年4月~2013年3月)の33件を、まだ二か月残しているのにすでに上回っているのです。また郵政民営化で矛盾が一番あらわれているのは非正規雇用問題でしょう。2年前の4月の数字で、郵便事業部では正規雇用が約10万人に対して非正規雇用は約15万人でした。低賃金の非正規雇用労働者が正規の1・5倍です。人件費削減ばかりやってきたのです。 4.同じ分割民営化といっても、国鉄の場合は本州三社と島三社という形で地域で分割しました(それにプラス貨物会社)。郵政は2007年に民営化がスタート(小泉民営化)。政権交代で一時足踏みしたが12年「改正」民営化法成立で再スタート。中身は似たようなものです。こっちは親会社・日本郵政の下に郵貯・保険の金融二社と郵便事業とに分割です。地域分割(JR)と業種による分割(郵政)の違い。ちょっと似ているのは採算のとれる本州三社と苦しい島三社(JR)という対比が、郵政では儲かっている金融二社と苦しい郵便事業という構図で成立するところ。去年9月のHOWS講座での報告の一部を以下に流用します。 5.日本郵政にはどれくらいの人数が働いているか。先ほど挙げた2年前の数字だとグループ全体で正社員が23万人くらい。非正規雇用の人が20万人くらいというところ(リストラが激しいので現在はもうすこし減っている)。雇用人数は3万人くらいの金融二社(ゆうちょ・かんぽ)の儲けが、雇用人数40万人だが採算性の低い郵便事業を支えている。ところが民営化論者の関心はもっぱら金融二社なのです。小泉さんだって郵便事業は100%民営化しろとは言わなかった。政府が三分の一の株を持つ親会社・日本郵政による全株所有です。彼らは郵便事業のことなんかどうだっていい。今すぐ完全民営化しろとも言わないかわり金融二社が完全な民間会社になって郵便事業との関係が切れ、その結果、郵便事業が野垂れ死にしようが知ったこっちゃないのです。(改正民営化法の)ミソはすったもんだの挙句ゆうちょ・かんぽは「全株処分」となったことです。つまり結局小泉民営化に限りなく戻ってしまった。違いは「10年以内」という期限を小泉は付けたけれどそれは入っていないということだけ。それでも民営化推進論者は「それでは不充分だ、民営化の後退だ」と不平ですが。しかし何の規制も設けなければ最後は全株を売るところまで行きます。そのスピードにいくらかの違いが出るくらいだ。そしてゆうちょ・かんぽの金融二社が100%の民間企業となれば、国が三分の一の株は持つ日本郵政―郵便事業との関係は切れます。儲かる金融二社が採算性の低い郵便事業を支えるというこれまでの構図は成り立たなくなる。郵便事業はどういうことになるのか。ユニバーサル・サービスを放棄し、リストラをもっと進め、それでも追い付かず崩壊していくのではないか。
by suiryutei
| 2014-03-18 09:19
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