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新人事制度 大阪での報告①~③
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9月24日にHOWSホールで開催された講座で行った報告を数回に分けて連載します。当日は 「拡大する限定正社員問題 -郵政職場に導入された新人事制度の中で」 と題して、まず酔流亭が1時間20分ほど話し、そのあと討論をしました。20数名の参加でした。 なお当日の報告では下の写真のような新聞の切り抜きなどを使った手作りの資料も用意したのですが、このブログにはそれまでは紹介できないことをお断りします。 はじめに 9月9日の日本経済新聞朝刊にこんな見出しの記事が載っていました。 ![]() 記事によれば、今年4月から6月までに転職や社内登用によって正社員になった人が99万人いるとのことです。そのほとんどが「限定正社員」。記事は、7月の現金給与総額が前年同月比2・6%伸びたのも「その要因は正社員の登用拡大」だと解説しています。2・6%伸びたといったって4月から消費税が3%アップしているのだから実質は0・4%のマイナスでしかないのですが、そのことは措いても、この解説はどこまで本当でしょうか。たしかに、このところの人手不足で非正規雇用の時給がアップしているということはあります。ことにブラックだと評判がたった企業は人が寄り付かないから時給を上げざるをえないし「正社員にしますよ」なんて言います。しかし給与総額が増えたのは大企業の正規雇用にほとんど限られたベースアップによるところのほうが大きいのではないでしょうか。記事が挙げている99万人の中には郵政の「新一般職」4700人も含まれているのですが、この郵政版「限定正社員」に登用された人たちは手取り賃金が大幅に減ってしまっているのです。このことについては最近私が書いた文章があるので一部を引用します。 今年五月の賃金支給日、大阪で郵便外務の仕事をしているAさん(三〇歳)は「給与支給明細書」を見て目を疑った。四月の賃金の振込額が十三万六九〇〇円でしかなかったからだ。四月の明細(つまり三月分の賃金額)では二十一万五一七七円が振り込まれていたのに。八万円近い減収である。どうしてこんなことになったのか。 こうなってしまったのは、非正規のとき高いスキル評価を得て加算されていた部分を登用に際して剥ぎとられてしまったからです。今年登用された4700人はみんなベテランだからスキル評価は高かった。それを削られた。私の働いている内務では時給制の最高は1100円台なので外務ほど極端ではないけれども、月額2万円~4万円くらい下がっています。私たちが「新一般職」に反対してきたのは従来の正規雇用と比べてあまりに待遇が下がるからでしたが、これほどとは予想できませんでした。じつは賃金が下がると見込んで登用試験の受験を諦めた人は相当数いました。それでもまだまだ見方が甘かった。それにしても新一般職は従来の正規と全く同じ仕事をしているのです。強いて違いを捜せば「配転を伴う転勤は無い」(地域限定)ということですが、配転を伴うような転勤はこれまで私たちにだって無かった。違いを際立たせるためこれから増やされるかもしれないが。 この新一般職というものが、格差なしの正規雇用化を求める労組の闘いがまずあって、会社のほうがそれに圧されて出してきたものだったなら、「格差なし」という要求は通らない不充分なものだったとしても、ここまで無慙な結果にはならなかったと思います。しかし主流労組であるJP労組にはそういう闘いを組むつもりもなかった。かつて、もう4年前になりますが亀井静香さんが郵政改革担当大臣になって「希望者全員の正社員化」というアドバルーンを上げたとき「本気でやれよ」と突っ込むのではなく、逆に「無責任なこと言うな」「経営を考えろ」と抗議の声を挙げたのがJP労組の幹部たちです。郵政ユニオンのほうは、それぞれ別の労組(ユニオンと郵産労。2年前に合同)だったときから正規雇用化を掲げて闘ってきていますけれども、いかんせん組織が小さく、交渉力も弱い。いま郵政グループ全体(郵便・ゆうちょ・かんぽ・持ち株会社としての日本郵政)で正規・非正規あわせて42万人弱が働いている中でJP労組は24万人弱、郵政ユニオンは正確な数字はわからないけれど2000人いるかどうか。新一般職は、賃金制度を成績重視に変えようという「新人事・給与制度」の交渉の中で会社のほうから持ち出してきたのです。会社としては、まがりなりにも正規化すれば雇用保障は強まるのだし、賞与などは増える。その持ち出し分は月々の賃金を削ることで取り返すぞというところではないでしょうか。 (つづく)
by suiryutei
| 2014-09-28 07:51
| ニュース・評論
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