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新人事制度 大阪での報告①~③
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『伝送便』誌3月号が完成した。金曜が発送作業だったから明日の月曜には読者に届くだろう。酔流亭は今号に記事を二つ書いたので、順に紹介します。 ![]() JP労組第十四中央委員会が二月十九~二〇日、東京で開催された。そこでの討議の内容は追って明らかになるだろう。本稿では議案書の記述の一部に絞って批判を述べたい。 冒頭、[提案にあたって]は東日本大震災に触れることから筆を起こしている。 「今後も被災地に常に寄り添い、JP労組の果たす社会的役割とネットワークを最大限発揮した取り組みを継続し、被災地の復興・再生に向けた活動を展開していくこととします。・・・」 そのことに否やはない。が、そのあと議案はあらぬ方向に脱線していく。 「いつ起きるのか予知できない自然災害に対して、命を守ることが最優先ですが、組合員・家族の生活と財産を守ることも重要な取り組みとなります。そのためにも相互扶助の基本制度である総合共済をはじめ、生命共済、火災共済など任意共済商品のさらなる普及・促進に向けた取り組みを積極的に推進することが必要となります」 これでは被災した人々の艱難は、JP労組が扱う共済商品を売り込むためのマクラとして振られただけではないか。しかし、もっとタチが悪いのは、今に始まったことではないけれども、東日本大震災に言及しながら放射能被害には全く触れないことである。福島の原発事故をテーマに『ノクターン-夜想曲』という舞台劇を創った脚本家・倉本聡さんは執筆にあたり、福島に何度も足を運んだそうだ。そして僅かな歳月しかたたないのに「風化が堂々と進んでいる」ことに驚いたという。巨大労組が原発事故にも放射能被害にも知らぬ顔を決め込んでいるのもそうした風化を加速化させるのに加担していることに、JP労組本部は思いが至らないのであろうか。 被曝労働と向き合え 現実の話、企業の発展を全ての発想の前提に置く現在のJP労組が脱原発の立場に立つことはむずかしいであろう。けれども、そうであっても、原発事故現場で廃炉作業に従事している下請け労働者の労働環境改善のため労働組合として一肌脱ぐことはできるはずだし、やらなければならないことである。私たち<ゆうせいネット>は一月三十一日、福島第一原発で働く現役廃炉作業員の方を招いて話を聴く会を都内で開催した。詳しくは今号別ページに載る記事を読んでほしい。被曝に耐えながらの劣悪な環境の下で死亡事故を含む労働災害が多発していること、危険手当も労働者の手に届く前に抜き取られている(中間搾取)実態などが生々しく報告された。また、これは関西の仲間の取り組みに便乗する形で、十二年と十四年には三月に福島を訪ねて現地の仲間から話を聴く機会を得た。被災地の郵便労働者も被曝の不安を抱えながら日々の労働に従事している。 「三・一一震災から第四回全国大会と中央委員会を挟み、第五回全国大会を迎え、ついに『放射能』の『ほ』の字も議案書から消えてしまいました。・・・日々(けっして低線量とは言えない)放射能を浴び続ける組合員の生命と健康について『組合員の幸せ』を希求する『心ひとつに』のJP労組はどうこたえてくれるのか?」 いま引いたのは、三・一一の翌年二〇一二年に開催されたJP労組第五回定期全国大会を前に福島県内のJP労組の一分会から出された『意見書』の一部だ。「被災地に常に寄り添い」という[提案にあたって]の言葉を本物とするには、JP労組は共済商品のセールスをやる前に被災地組合員の声に耳を傾けよ。原発労働者を守るために腰を上げよ。 株式上場をどう考えるか しかし、いまJP労組中央本部の頭を占めているのは三・一一でも目前に迫った春闘でもない。今秋に予定される郵政グループの株式上場のことである。[提案にあたって]に続く第二項は[郵政グループの持続的発展に向けた取り組み]となっていて、上場に対するJP労組のスタンスを述べる。 すこし整理しておくならば、郵政グループの株式一部上場といっても本誌読者の多くが勤める日本郵便は埒外である。日本郵政グループは、まず親会社の日本郵政があって現在ここが子会社たる日本郵便・ゆうちょ・かんぽ三社の株を全て持っている。その親会社・日本郵政の株は今はまだ国の保有。上場されるのはゆうちょ・かんぽの金融二社と親会社・日本郵政である。このうち日本郵政の株は三分の一を国の保有として残す。ゆうちょ・かんぽは全株を売却する方向だ。かつて小泉政権の下で成立した郵政民営化法でも日本郵政の株の三分の一は国の保有としたのは同じ。ただ小泉民営化ではゆうちょ・かんぽの株式完全売却は一〇年以内にと期限がつけられた。二〇一二年成立の改革民営化法ではここが修正されて期限はつけず「できるだけ早く全株売却を目指す」と緩められた。そして日本郵政の西室泰三社長が暮れの記者会見で語ったところでは「金融二社の株式は(保有比率が)五〇%を切るところまでは売却し、そこで一休みする」。民営化原理主義者たちからみれば悠長な話で、彼らが郵政民営化は足踏みしていると地団駄踏む所以である。 いっぽう日本郵便は日本郵政(前述したように最終的には国が三分の一の株を保有)が全株を持ち続ける。これは小泉民営化でも同じ。なにしろ日本郵便は去年九月期中間決算で前年同期に一〇倍する三六五億円という赤字を出している。今年二月一〇日に出た最新の数字(十四年四月~十二月期決算)でも、年末は書き入れ時だったのに純利益が前年比七三・四%減の一七四億円に落ち込み、なお二六〇億円の赤字。「昨年の九月三〇日に実施された日本郵便への増資(六〇〇〇億円)によって、これまでの労使交渉の課題であった『債務超過』という危険性を当面は回避することができた」(中央委議案書二ページ)という状況なのだから、上場だどうのというどころの話ではない。 赤字の真因は この十四年四月~十二月期決算では、ゆうちょは前年同期比五・八%、かんぽは七八・四%の増益である。両社とも売り上げそのものは前年より減っているのだが、それなりに手堅くやっている。これに対して日本郵便は売り上げは増えているのだ。去年九月期決算の時点で営業収益八一九六億円というのは前年比一八七億円の増。ゆうパックなど過去五年で六割も増えた。それが業務の異常な錯綜をもたらし、労働災害のこれまた異常な増加につながっていることは本誌一月号で新東京局の実態に即して報告した。しかるに、こんなふうに繁盛(?)しても赤字は膨らむ一方なのだ。九月期決算で日本郵便は三六五億円の赤字というのは窓口事業が一四〇億円の黒字を出しているからで、郵便・物流事業に限れば赤字額は五〇五億円。 この繁盛貧乏ぶりを、会社は「人手不足による人件費増のため」と説明し、マスコミはその説明を無批判に垂れ流す。なお悪いことにJP労組本部までがその認識を共有している。ところが一方、中央委議案にはこんな記述もある。 「・・労働力確保が困難な状況が続く中で、必要労働力の確保と離職防止は極めて大きな課題です」(五ページ) 離職が止まらず、労働力が確保できない中での「人件費増」とは何なのか。事実は会社が人件費を充分かけないが故に労働環境が悪化し人も集まらないのではないか。赤字の原因を人件費のせいにするのは虚偽だ。この虚偽で、もっと人を減らせ、賃金を下げろという意識へと人々を誘導しようというのである。けれども郵便事業が採算のとれない理由は他にある。「あまねく公平に」のユニバーサルサービスで葉書一枚が全国どこへでも五十二円で届くのはなるほど結構だ。しかしユニバーサルサービスでもっと恩恵を受けるのは個人の利用者より大企業。郵便料金の割引制度は大口利用者ほど割り引かれるのだから。二〇〇七年の民営化スタート以降、物流他社とのダンピング競争が激化しているのは現場にいる誰もが肌身に沁みている。それは労働条件のダンピングも伴うのだ。ダンピングを競わせることで、働く者の犠牲の上に、日本経済を下支える物流を安上がりにする。郵便においてはこれが民営化の狙いである。日本郵便は上場の埒外と先ほど書いたけれども、親会社の日本郵政の株価を上げるため郵便の労働現場にはリストラにさらに拍車がかかる。 民営化は労働者の利益を損なうのであり、労働組合が上場を成功させようなどというスタンスに立っては駄目だ。株式上場―民営化の進行という流れそのものに反対しよう。
by suiryutei
| 2015-03-01 21:00
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