新人事制度 大阪での報告①~③
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JP労組の第8回定期全国大会が17日から3日間、石川県金沢市で開催される。<ゆうせいネット>(『伝送便』)は毎年『奔流』と題するビラを会場前で配布しているが、その今年の紙面を、囲み記事は除いて転写します。 ![]() JP労組第八回定期全国大会に参加される皆さんに訴えます。 福島の現実は 大会議案書の冒頭、<提案にあたって>は、今年も東日本大震災に触れることから筆を起こしていますが、今年の特徴は「・・がれき処理と公共インフラの復旧はおおむね終了し」云々と、三月一〇日に復興庁が公表した『復興四年間の現状と課題』の文言がそのまま引き写されているだけで、それに何の批判も注釈も加えられていないことです。 去年はどうだったでしょうか。第七回大会議案から少し引用します。 「・・沿岸部を中心に復旧が進まない地域が存在するなど、その差は日を追うごとに大きくなっています。また、いまだ二六万四〇〇〇人の住民が避難生活を余儀なくされ、福島第一原発事故による影響で一〇万人を超える住民が自宅に帰ることができません」 復興の遅れや原発事故の深刻な被害を去年の議案はさすがに全く無視することはできませんでした。ところが今年にいたって、それらについての言及はきれいさっぱり消えてしまっています。まるで福島県など存在していないかのように。原発事故など起きなかったかのように。 しかし、現実はどうでしょうか。事故を起こした福島第一原発の周辺は強い放射能のため今も人々が立ち入ることができない地域が多くあります。土地は荒れ放題です。汚染された水は海洋に漏れ、漁業関係者の苦悩は深まるばかりだ。そして福島第一原発の中で現在廃炉作業に従事している労働者の命と健康の問題は労働組合として黙視することはできないはずです。被曝だけでなく労働災害も多発しているのです。こうしたことからは目をそむけながら自賛される「福祉型労働運動」とはいったい何なのでしょうか。 会社の利益優先でいいのか 議案を読み進めていくと目につくのは、会社の成長・利益優先の考えがいよいよ強くなってきたことです。 しかし、公共性が強いがゆえに採算性は低く、だから国営で行われてきた事業が民間会社になれば、採算性を理由にして公共性をむしりとり、働く者の労働条件を切り下げることに経営側は腐心します。まさに今、郵政で進んでいる事態であって、これが民営化の狙いの一つ。利益優先ではこれに呑み込まれてしまう。「全国の郵便業務、八割地域で赤字」という記事が六月一日付「朝日新聞」朝刊に載りました。総務省が全国約二万四〇〇〇局の郵便局網を一〇八七の地域に分け、二〇一三年度の実績で地域ごとの収支を分析したところ、約八割にあたる八七三地域で赤字だったといいます。東京・大阪など都市部は黒字で、郵便事業全体では一八六億円の黒字だったそうですが。 人口密度にこれだけバラツキがあるのですから、全国にあまねく公平なサービスをしていれば大都市以外では赤字になるのは当然です。儲けは出なくとも社会を支え、人々の暮らしに役立っていることを誇りとして私たち郵便労働者は働いてきたのではないでしょうか。ところが、議案書に顕われたような考えを進めていけば、ユニバーサルサービスを放棄することを労働組合が要求する日が来ないとも限りません。それでいいのでしょうか。 この上場に異議あり 小泉政権下の二〇〇五年に成立した郵政民営化法を微修正して二〇一二年に成立した現在の郵政民営化法等改正法では、郵貯・簡保の金融二社は全株式を処分するという方向は変わらず、しかし小泉民営化法にあった「一〇年以内で」という期限は外されました。さらに郵便のみならず金融にもユニバーサルサービスが課せられたのはご存じのとおりです。 けれども、金融二社の全株処分と金融のユニバーサルサービスは両立するでしょうか。ユニバーサルサービスは金融二社に対してではなく日本郵政と日本郵便に課せられているのであって、金融二社の株式処分が進み、純粋の民間金融会社に近づけば近づくほど、両社は利益の上がらぬ過疎地での営業からは撤退しようと欲するでしょう。㈱ゆうちょ銀行は銀行法に基づく銀行、㈱かんぽ生命保険は保険業法に基づく生命保険会社であり、これらの法律はその自由を保障しています。日本郵政と日本郵便はユニバーサルサービスを維持しようとすれば金融二社を繋ぎとめるか他の金融会社を捜してこなければならないのですが、後者(他の金融会社)が現れるとは思えません。利益の出ない分野に新たに進出しようとする民間企業は無いでしょう。 現在の郵政民営化法等改正法はかなりの混乱を含んでいます。方向の違うもの、両立しえないものが同居しているのです。その下での株式上場、しかも親会社・日本郵政と子会社たる金融二社との<親子同時>というかなり異例な上場は成功するのでしょうか。危惧されるのは、前記したような混乱から将来展望が描けないことを理由として安く買い叩かれることです。三月六日付「日本経済新聞」に「郵政株七・九兆円、主幹事証券試算、純資産の六割どまり ゆうちょ銀、収益力に課題」という記事が載りました。野村証券・三菱UFJ・ゴールドマンサックス・JPモルガンの四社の試算として、日本郵政グループ三社の親子同時上場で総額七・九兆円と弾き出されたというのです。「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」附則第14条は、(金融二社は含まず)日本郵政だけの株式売却益から二〇二二年までに四兆円を震災からの復興財源にまわすとしています。その数字と照らしてもグループ総額で七・九兆円というのは寂しい数字ではないでしょうか。 「かんぽの宿」売却では 二〇〇七年の民営化スタート直後に問題となった「かんぽの宿」のオリックスへの売却が思い出されます。このとき、たとえば鳥取県の岩井簡易保険保養センターは僅か一万円で落札され、それが数か月後には六千万円で転売されました。こんな強盗まがいのことがどうしてまかり通ったかというと、「かんぽの宿」は公的事業ですから利潤を上げることを目的としてはいません。もし利益があれば(公正に経営されていればですが)利用者に還元されるものとされ利用料を下げることになります。それゆえ利益率は低い。資産評価価格というのは、その利益率をもとにしますから、公的事業の資産評価はどうしても低くなる。しかし、そうやって買い取った後、経営の方向を変えて、つまり公共性を剥ぎとったりリストラを進めれば利益の出る企業に変えることができます。サッチャー時代のイギリスを始め各国の民営化で行われてきたことであり、民営化が国民の財産の不当な払下げ、安売りと言われる所以です。 「かんぽの宿」売却は極端なケースとしても、いま日本郵政グループ全体がそのように買い叩かれようとしているのではないでしょうか。本大会議案は今秋の株式上場を成功させようという立場ですが、問題が多すぎます。ここは労働組合として「待った」をかけるべきではないでしょうか。 企業の枠を超えよう もし金融二社の株式売却が始まれば、買い叩かれるとしてもそれなりの売却益を日本郵政は手にします。それは物流業でのM&A(企業買収)の元手とされると囁かれています。いま話が進んでいる豪物流大手トール社の買収はその先行例。買収資金六二〇〇億円は、ゆうちょ銀行に自社株の一部(発行済株式総額の一六・六七%)にあたる一兆三〇〇〇億円を自社株買いさせ、そこから捻出したのですから、金融二社の株式処分の一部先取りになります。このさき成長の見込めない郵便から物流へとシフトしていこうというのが、描かれる「成長戦略」。五月にゆうパック部が、八月には郵便部も開業する東京北部新局(埼玉県和光市)も、郵便局というより巨大な物流処理工場といった様相だ。これまでの新東京・多摩集中局に加え、この拠点三局に東京の郵便内務作業が集中統合されていくことと併せて、これらの“工場”では健康破壊の深夜労働が一層強化されていくのではないでしょうか。成長分野といわれる物流業。でも、その成長は働く者の命と健康を切り縮めることと裏腹です。議案からは残念ながらこの姿勢は全く窺われないのですが、企業の枠を超え、物流業界に働く全ての労働者の状況改善を展望した産業別の統一闘争を提起するときです。 労契法二〇条を無視するのか 去年春、導入されたばかりの「一般職」の一期生となったAさん(郵便外務、三〇歳)は一般職として最初の賃金明細を見て目を疑いました。月給制契約社員だった前月までと比べて約八万円も手取りが下がっていたからです。前月の手取りは二十一万五一七七円だったのが十三万六九〇〇円に減っていました。 どうしてこんなことになったのでしょうか。Aさんの契約社員だったときの賃金を、月給制のところを時給に換算してみると一五〇五円でした。一般職になってからの賃金をやはり時給に換算すると一〇五五円です。Aさんは契約社員だったとき高いスキル評価を得ていたのが登用によってそのスキル評価にあたる額がほぼ剥ぎとられてしまったのです。 労働契約法は二〇一二年の「改正」(施行は十三年から)によって、五年以上有期契約を反復更新してきた有期雇用労働者は希望すれば無期雇用に転換できるという新たな条項を設けました(十八条)。郵政一般職はそれにそのまま従ったものではないにしても、会社がこれを横目で見ていたのは間違いありません。十八条だけでは、有期から無期に転換した労働者の労働条件については何の改善も保障されないのです。無期への転換を「正規雇用化」と位置づけなおし、けれども賃金など待遇面での改善は手を抜くならば、従来の正規と非正規の格差がそのまま正規雇用の中に持ち込まれます。しかもAさんの場合がそうであるように、スキル評価による加算部分を計算の外に置くならば非正規と変わらないどころか大幅なダウンになってしまいます ここは二〇条の出番です。やはり二〇一二年の「改正」によって加えられた労働契約法二〇条は「非合理な労働条件」を禁じているからです。この条項を活用して正規と非正規の格差、そして正規雇用の中に新たに作られた格差を無くす取り組みに力を入れなければなりません。議案は改正労働契約法について十八条は活用する姿勢です。ところが二〇条には全く触れません。郵政ユニオンの労働者が同条を手に裁判を闘っているからでしょうか。注意しなければならないのは、二〇条は均等待遇をどこで達成するかには触れていないことです。ということは、待遇を押し上げていく私たちの闘いが弱ければ十八条も二〇条も逆に経営側の武器になってしまう。彼らは十八条で低待遇の正規雇用を創り出し、ここにおいて二〇条が謳う均等待遇が実現すると強弁しようとするでしょう。こんな転倒を許してはなりません。 沖縄を見殺すな! そして、どうしても言っておかなくてはならないのは、憲法九条と沖縄のことです。安倍政権による九条破壊と沖縄の民意圧殺に議案の執筆者たちが全く鈍感であるのは本当に情けない。 沖縄を見殺しにするな春怒涛 これは俳人・金子兜太さんの近作です。金子さんは今日の俳壇における第一人者であるのみならず、旧「全逓新聞」始め多くの労働組合機関紙の文芸欄で選者を務めてきました。金子さんのこの思いはまた私たちの思いでもないでしょうか。 心ある代議員・傍聴の皆さんに訴えます。憲法九条を守ること沖縄県辺野古への基地建設に反対することを金沢大会の総意とすべく奮闘しましょう! ![]()
by suiryutei
| 2015-06-16 10:45
| ニュース・評論
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