新人事制度 大阪での報告①~③
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雑誌『季刊社会評論』2015夏号の「労働者通信」欄に寄稿した文章を転写します。 日本郵政グループの労働組合であるJP労組の今年の定期全国大会は六月十七日から三日間、石川県金沢市のいしかわ総合スポーツセンターで開催された。グループ四社(持ち株会社たる日本郵政の下に郵便・貯金・保険の三社がぶら下がっている)で働く労働者総数は約四十一万三千人、そのうち正規雇用が約二十二万人、非正規雇用が約十九万三千人である。JP労組の組合員数は今年四月二十四日現在で二十三万七五七五人。正規雇用の八十八・四%、非正規雇用では二十八・四%を組織している。郵政にはこれとは別に郵政産業労働者ユニオン(PIWU)という少数労組が存在していて、その組織率は全体の一%に満たないけれども、いま注目されている「労働契約法二〇条裁判」「六十五歳雇止め裁判」を闘っているのは同労組である。いっぽうJP労組は労使協調路線を近年いよいよ深めてきた。今年の大会議案の基調を貫くのも今秋に予定されるグループ株式上場を成功させるということ。民営化の進捗としての株式上場が持つ問題点や矛盾からはことさらに目をそむけている。 今年も『伝送便』編集部の面々とともに、JP労組全国大会の初日と二日目に会場入り口前において、入退場する代議員・傍聴者にビラを通じた情宣活動を行った。『伝送便』というのは郵政で働く者の交流誌で月刊。読者も編集委員もJP労組・ユニオンの双方にまたがる。そういういささかややこしい構成なのは、かつては旧全逓労組内の左派的グループの間で発行され読まれていたのが、旧全逓労組が労資協調に転じ、御用労組・第二組合と以前は指弾していた旧全郵政労組とついには合同するに至る(そうしてJP労組が二〇〇七年に結成される)過程で、私たちもそれぞれが立ち位置の選択を迫られたからだ。ただし、所属労組を違えても『伝送便』を通じて繋がることによって、労組の枠を超えた協働を展望できる。私はJP労組の組合員だがユニオンが取り組む「労契法20条」や「六十五歳雇止め」裁判を応援しているし、JP全国大会でのビラ撒きにはユニオンに籍のある仲間も参加した。 ビラ『奔流』で訴えたこと 毎年『奔流』というタイトルで発行するビラの今年の内容については、本誌の姉妹紙である新聞『思想運動』七月一日発行号に全文が転載されているので、そちらを読んでほしい。大会初日と二日目では内容を変えて発行したから、その二号分のオモテとウラ合わせて四面の大見出しだけ紹介しておくと 「株式上場は破滅への道」(初日一面) 「福島を見捨てるな脱原発を取り組め」(初日二面) 「公共性を死滅させるのか」(二日目一面) 「沖縄と連帯して反基地の闘いを」(二日目二面) 郵政株式上場問題の分析に紙面の多くを割いたのは状況が然らしめるところであったが、本文とは別に囲み記事として池田実さんと比嘉宏さんに登場してもらった。二人とも『伝送便』との関わりが深い。 池田実さんは一昨年、赤羽郵便局を定年退職したあと福島へ赴き、まず除染作業に、次いで福島第一原発構内で廃炉作業に従事した。その労働を詠んで朝日新聞の『歌壇』に何首もが採歌されたから、それを目にした方も多いと思う。 比嘉宏さんも一昨年、那覇東郵便局を定年退職。現在は沖縄の一坪反戦地主会の事務局長として辺野古や高江の闘いに取り組んでいる。今年五月には『伝送便』編集部が企画した「沖縄現地報告集会」の講師として沖縄の状況を報告してくださった。 JP労組本部提案による大会議案書が原発にも辺野古にもまったく触れず、平和憲法の危機に沈黙している中で、大会参加の代議員・傍聴者は二人の声を、また私たちの訴えをどう受け止めたのだろうか。大会最終日に行われた採決の結果は本部提案への賛成四〇三、反対六六という数字であった。この限りではJP労組はいよいよ内向きに労使一体化の道を突き進んでいると断ずる他はない。 JP労組新聞に何が反映したか さて金沢から戻ったら、留守の間に六月十五日付「JP労組新聞」が自宅に配送されていた。同労組の機関紙である。「安倍政権が推し進める『戦争参加法案』に断固反対する!」という記事が三ページ目に載っていたのに目が留まった。同紙紙面にしては珍しく労働組合らしい(?)見出しである。今になってこれを言うなら、大会議案でも何故はっきり打ち出さなかったのかと思う(安保関連法案に反対する特別決議が大会最終日に採択されたことを後日知った。ただし、この決議は安倍政権の強引さは問題にするが憲法九条にも辺野古にも触れない)。 大会議案は開催の三〇日前には提示することが規約で定められている。実際、私が初めて目にしたのは五月十五日。中執で討議される時間などを勘案すると議案書はさらにその一~二ヵ月前には執筆されていたろう。すると、議案書と直近のJP労組新聞紙面(及び大会最終日の特別決議)とのいくらかの温度差には、この二~三ヶ月の間の情勢の動きが反映していると見るべきであろう。五月十七日の沖縄県民大会三万五千人の結集に倣えと、一週間後の二十四日には辺野古基地建設反対の国会包囲に一万五千人が繋がった。六月十四日、安保法制反対の国会包囲二万五千人の参加はこれに牽引されてのことである。沖縄県民の不屈の闘いが、まだ大きな落差は伴いながらも、県外の人々をも立ちあがらせ始めたのである。労組内においては前述の通り落差はさらに大きいのだが、諦めはしない。
by suiryutei
| 2015-07-21 09:02
| ニュース・評論
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