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新人事制度 大阪での報告①~③
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これも『伝送便』誌2月号掲載記事。去年の秋『思想運動』紙に寄稿したものに加筆しました。昨日のブログ記事(『物流新時代とは何か』)と併せて読んでいただけると嬉しいです。 ![]() そのドライバーは五〇歳前後。荷物を家庭に配送していた。著者が同乗取材した当日は扱った荷物は一〇〇個前後。一個あたり一五〇円強がドライバーの収入になるから、一日一四時間働いて約一万五千円である。しかしガソリン費や保険代など必要経費を差し引いて計算すると時給は八〇〇円台だ。これでは東京都の最低賃金(現在は時給九〇七円)にも届かない。「一日一五〇個の荷物がコンスタントに運べるとようやく生活ができる水準」(二一ページ)で、繁忙期には一日二〇〇個を運ぶこともある。けれども一〇〇個の荷物を扱う日でも一四時間も働いたなら、一五〇~二〇〇個を処理する日の労働がどれほど過密なものとなるか。二〇一四年度、過労死が一番多かった業界は運輸・郵便で九二件であった。その数字の陰で、このドライバーのように辛くも死はまぬがれても離職を余儀なくされた労働者はどれほどの数にのぼるだろうか。 宅配業に従事する労働者がかくも荷重な労働で、しかも賃金は低いことの背景にあるのは、この業界が落ち込んだダンピング競争である。詳しくは本号特集記事の他稿で述べられると思うが、ヤマトと佐川の「底辺に向かっての競争」に加えて、直近では日本郵便が採算度外視で攻勢をかけている。「ここ数年では、小型の荷物になると、日本郵便の出してくる値段にはとても太刀打ちできないようになりました」とは、都内で働く佐川のセールス・ドライバーの弁(一九六ページ)。利用者にとって安いに越したことはない? しかし、その“便利”は結局働く者にしわ寄せされるのだ。 本書の長所は、宅配の労働現場で実際に働きながら取材していることである。働く者の、しかも短期で使い捨てられる者の視点が出ている。去年の夏から秋にかけて、ヤマト運輸の旗艦センター<羽田クロノゲート>では深夜一〇時から翌朝六時まで週五日の勤務を一か月、そのあと佐川急便の千葉支店で週末だけだが夜一一時から翌朝八時までの勤務を二か月。その直後、著者は体調を崩す。原因は不眠だ。「・・このころ、午前三時、四時に目が覚めて、そのまま一睡もできず朝を迎えることが多くなった。そうした日、午前中は眠気のため、身体と頭がほとんど機能しなかった。」(あとがき)。 郵便における深夜労働従事者である私も全く同じ症状を経験している。信書の逓減が続く中で日本郵便はいま郵便から物流業へとシフトしつつあり、本書のサブタイトルにも日本郵便の名が登場する。しかし<VS>で括られるのではなく、命と健康を守るため、企業を超えた労働者の連帯を創らなくてはならないことを痛感する。
by suiryutei
| 2016-02-06 08:22
| ニュース・評論
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