新人事制度 大阪での報告①~③
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上の本について書評記事を『伝送便』誌5月号に書きました。著者の米今達也さんには、4年前、『伝送便』の全国編集委員会でお会いしたことがあります。同世代。筋金入りの活動家です。 時給制契約社員として二〇〇六年一月から働いてきた。バイクで郵便を配達する集配業務。風を切って疾走する爽快さも感じられる日々だった。ところが・・・。 発端は二〇一〇年の正月である。暮れから一二日間連続勤務(!)の最終日となった一月四日、出勤したもののどうにも体調がすぐれず早退しようとすると罵声が飛んできた。課長代理で退職したあと期間契約社員として再雇用され、やはり課長代理の仕事をしていた今宮(仮名)からである。これを境に、彼の占部さんに対する態度が豹変する。五月、彼女が返したはずのバイクの鍵が無いと、勤務を終えた彼女の自宅に今宮から電話が繰り返しかかる。「これから局に来て捜せえや」「この窃盗犯が! 鍵出せや、こらあ」・・・。 じつは、鍵は地下に置かれたバイクにささっていたのである。電話の直後に夜勤の人が発見した。しかも鍵の授受簿には占部さんの返却印も課長代理の受領印も、のみならず夜勤だった今宮の確認印まで押してあったのだが。 六月、占部さんは配達中に交通事故。L字型交差点での自動車との典型的な出会い頭事故だったという。業務中の事故は起こりうることなのだが、このケースに限らず、いま日本郵便という会社の交通事故に対する姿勢は異常である。業務運行における会社の責任は棚に上げて全てを社員のせいにする。ひとたび事故を起こすとまるで凶悪な犯罪を起こしたかの如くだ。このときも現場に来た濱田(仮名)第一集配課長は占部さんを一方的に叱責した。彼女は一度は退職願を書くところまで追いつめられる。 郵政産業労働者ユニオンに相談に行った。こうして彼女とユニオン呉支部(福山局にはユニオンの組織が無いので、同じ県内の呉支部所属となった)の闘いが始まる。あとは本書を直接読んでくださればいい。侮蔑的な言葉を浴びせる、退職の強要、スキル評価を下げることによる懲罰的な賃下げ、さらには男性管理者による女性のロッカー点検・・・これらパワハラ・セクハラ行為の数々に、今日の労働現場の実態が浮き出される。裁判(二〇一四年五月一六日、広島地裁判決。同年一二月三日、高裁は上告を棄却。一五年一二月二二日、最高裁は上告を受理せず)の結果は、今宮(仮名)の人権蹂躙行為について原告に十一万円の賠償を行うことを会社と今宮とに命じたが、会社の体質そのものに踏み込むものではなかった。その点の無念さは本誌前号に占部さん本人が寄稿されている。しかし、原告の主張の一部は通ったのである。それに励まされた仲間は多いに違いない。もうひとつ思うのは、こうして記録として残すことの大事さである。私も箱根よりも西のことには疎かったのだが、一冊を通読することによって占部裁判の全貌を知ることができた。最高裁の決定から日をおかずに本書の出版にこぎつけた筆者の米今さんの筆力に改めて敬意をおぼえる。なお書中、綾部真紀と仮名で表記されているが、本誌では実名で報道してきたので、本稿でもそれに倣った。 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033425027&Action_id=121&Sza_id=LL
by suiryutei
| 2016-04-30 08:24
| ニュース・評論
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