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佐伯啓思氏の『平和を守るため戦わねば』という文章が気になっている。数日前の朝日新聞紙上で見かけた。氏が月一で同紙に連載しているコラム<異論のススメ>の五月の稿である。 改憲論の立場である氏は、安倍総理が9条に自衛隊の合憲化を付加したいと述べたことに触れて、「それで充分とは思えない」とする。なぜならば「朝鮮半島有事の可能性が現実味を帯びてきたからである」。 憲法に一項を加える程度ではなく、もっと根本的な「改正」が必要だと言いたいのだ。 「今日のような『緊急事態前夜』になってみれば、そもそもの戦後憲法の基本的な立場に無理があったというほかないであろう」。 「朝鮮半島有事の可能性が現実味を帯びてきた」というのは、酔流亭もそう思う。しかし、問題はなぜそうなったかである。新聞『週刊新社会』(新社会党の機関紙。酔流亭は同党の党員ではないけれど新聞は定期購読している)の5月9日号に辛淑玉(シン・スゴ)さんが書いている。 「世界最強の日米韓合同軍事演習をこれ見よがしに目の前でやられ、カダフィやフセインの末路を見ていれば、核を手放したらやられると考えるのが当然だろう。核を握りしめて、チャラいお前が来たら本気でやるぞ、と言っているのが北朝鮮だ」(連載コラム『たんこぶ』第484回)。 朝鮮半島をめぐる情勢を順を追って見ていけば、辛さんが書いていることがまっとうな認識だと酔流亭は思う。なお辛さんが「チャラいお前」と言っているのはアメリカ軍のこと。本当に戦争になったら朝鮮は全土が焦土と化すことを覚悟しなくてはならないが、アメリカのほうは自国がまるごと滅ぶ心配なんかしていない。だから覚悟が違う。アメリカは「チャラい」。両者の国の大きさ・軍事力の規模は隔絶しているのに、その大きなほうに寄り添いながら、相手の置かれた状況への何の想像力もなく「怖い、怖い」を連発しているのが佐伯氏を含むわが国の知識人多数派だ。 しかし、佐伯氏の論考でもっと看過できないのは後半に出てくる。 「国防は憲法の前提になる、ということであり、憲法によって制限されるべきものではない」。 ちゃぶ台をひっくり返すような議論である。これでは、そもそも憲法論議に意味がなくなってしまうではないか。 佐伯氏がそう考えるのは、「自衛権は主権国家の固有の権利」と理解するからである。固有の権利である以上、憲法のような後から作られたものには拘束されないぞ、というわけだ。自衛権=国の固有の権利と考える人は、しかし改憲論者だけでなく護憲派と言われる人たちにも少なくないのではないか。これが間違いのもとである。
by suiryutei
| 2017-05-09 14:04
| ニュース・評論
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