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新人事制度 大阪での報告①~③
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『伝送便』誌の7月号が完成した。金曜(6月30日)午後に発送作業を行なったから、遅いところでも明日には定期購読者の皆さんのところに届くはず。 今号の特集は「郵政に明日はあるか」。その冒頭記事を書いたのでUPします。 ![]() 外出したとき通りかかった郵便局で切手を買って出すつもりで、書いたハガキをバッグに入れて街を歩いているうちウッカリ忘れ、二日間も入れっぱなしだった。急ぎの用事でないのが幸いであったが。 六月から、こういう体験をされた方は私以外にもいるのではなかろうか。 最大67%も 今回の郵便料金値上げは、消費税増によって改定された二〇一四年(前述したプラス2円はこれ以来)を除けば一九九四年以来二十三年ぶりだ。上げ幅はかなり大きい。ハガキの52円→62円だって、たかだか10円と思うなかれ、率にすれば19%だ。一〇月から値上げになるクロネコ宅急便で一番上げ幅の大きいのが最小60サイズの864円→1004円で16%である。 年賀ハガキと定形内郵便(普通の封筒で25g以下)は据え置きだからといって安心してはいけない。定形外郵便にこれまでなかった「規格」が新たに設けられたことによってケースによっては物凄い値上げになるのだ。その規格とは「長辺34cm×短辺25cm×厚さ3cm以内、重量1kg以内」である。ポイントは3cmとされた厚さ。これまでは3辺の合計が90cm以内(長辺は60cm以内)であれば厚さは問われることはなく、あとは重量によって料金が違った。これからは厚さが3cmを超えてしまってはいくら軽くても「規格外」の料金をとられてしまう。たとえばこれまで50g以下であれば120円だったのが、50g以下であっても厚さが3 cm以上あれば200円である。120円→200円というのは率にすればなんと67%増だ。 ゆうメールにも同様(長辺34cm×短辺25cm×厚さ3cm以内、重量1kg以内)の規格が入った。すると、これまで150g以内は180円だったのが規格に収まらないと265円に。85円の値上げは率にすれば47%である。年末に出回るカレンダーとか、重量はさほどなくとも「かさばる」荷物(ゆうメールに信書は入れられないので郵便ではなく荷物)を多く扱うところは頭を悩ませているのではないか。 いっぽう規格の枠内にうまく収められれば、ごく僅かながら値下げになる場合もある。たとえば定形外500g以内はこれまで400円だったのが規格内なら380円と、20円(5%)の値下げになる。詳しくは日本郵政のサイトなりで確認してください。 規格の根拠について公表はされていないそうだが「一般的な郵便受けの大きさに合わせた」と言われている。郵便受けに入らないため投函が出来ないと不在の場合は不在届を投函して再配達となるため、その分の手間を加算するということらしい。 なお、春ごろ噂されていたゆうパックの値上げは、今回はない。 英労働党に学ぶこと 値上げの理由として人件費が増加したことによる事業収支の悪化が挙げられているのは欺瞞である。郵政の正規雇用は二年連続で今年もベースアップがなかったし、非正規雇用の賃金は地域の最低賃金を僅かに超したところに張り付いたままなのだから。事業収支がよろしくない理由は別のところにある。全国あまねく公平のユニバーサルサービスは採算を考えていてはできないだろう。大口すなわち大企業にはべらぼうに割引する特別割引には今回の料金改定では手がつけられていない。 急いで断っておけば、ユニバーサルサービスをやめろとか郵便料金を全てにわたって値上げしろと言っているのではない。本誌も恩恵を受けている第三種郵便制度というものがある。「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし」一定の発行部数(500部以上)、発効頻度(年4回以上)をクリアしていれば通常の郵便料金より安く発送できる。この第三種郵便が値上げなんてことになったら、労組や市民運動、人権・平和団体の機関紙活動は大打撃を受けてしまう。採算はとれなくとも人びとが暮らしを営んでいくため社会が円滑に回っていくため必要なサービスだ。 しかし、民間企業として収支ばかり勘定していたら、郵便の持つこうした公共的機能もいずれ破壊されるだろう。郵便を民営化したことがそもそも間違いなのである。その間違い・無理を押し通そうとして、ケースによっては67%増なんて、まともな企業ならまずやらないような破格の料金値上げが強行されたのだ。しかし、これによって郵便の利益率は回復するであろうか。おそらくは否。むしろいっそうの郵便離れを招くにちがいない。 ここで六月八日に投票が行われたイギリス総選挙の結果に注目したい。労働運動出身の生え抜きの左派指導者、ジェレミー・コービン党首率いる労働党はそれまでの229議席から33議席を積み増しして262議席に躍進した(政権党の保守党は330議席から318議席に後退)。これまでイギリスでは保守党およびトニー・ブレアのごとき保守党化した右派労働党政権の下で民営化が続いてきた。本誌前号<映評>でdonkoさんが取り上げた映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ監督)は、それがイギリス社会をいかに荒廃させてきたを鋭く衝く。コービンの主張の柱のひとつに国有鉄道や公共企業体の再国有化がある。イギリスの労働者人民はこれを支持したのである。 海の向こうで起きたことに何でも倣うことはない。しかし、一度決まった民営化はもう後戻りできないという思い込みからは目を洗っておいたほうがいいのではないか。 クロネコの場合は 最後に今年一〇月からのクロネコ宅急便の値上げについて。このかんのダンピング競争が現場の過密労働にしわ寄せされてきたことを思えば、これを機に労働現場の疲弊が解消に向かうならば、とは思う。ただ、書籍では、ここ一〇年くらいの間に街の書店は激減してしまった。アマゾンなどの通販が拡大してきたのに反比例しているのである。宅配業界ぐるみのダンピング(それは個々の労働者には過酷な労働強化となってきたのだが)によって競争相手たる街の書店を駆逐してしまったから値上げに転じられるというのが、私にはいささかひっかかる。 つぎに、値上げを通じて一六年度の宅配数一八・七億個より次年度は一七・九億個と〇・八億個の荷量を減らすとしているが、その程度で現場の過密労働は解消するだろうか。委託にたよる佐川とちがってヤマトは自社の労働者でやってきたから、荷物が増えても委託費増という形では会社の腹は痛まず、個々の労働者の負担増でこれまで乗り切ってきた。この点については本誌四月号で白井次郎さんが分析している(『ヤマトが投げかけた「サービス見直し」』)。ところが人手不足でとうとうパンクし、ヤマトも部分的に委託にたよらざるをえなくなった。三月期決算には外部委託費二〇億円の支出も計上されたのである。そうであるならば値上げ⇒荷量抑制だけでは委託業者が切られるだけではなかろうか。働き方に労組が規制をかけることによって個々の労働者の労働密度そのものの低減にまで踏み込まなければならないのではないか。 もとよりこれはヤマト運輸の労組のみに課せられた課題ではない。ゆうパックの値上げが今回見送られたのは、ヤマトの荷量抑制につけこんでシェア拡大を果たそうとする日本郵便経営陣(JP労組指導部もか)の卑しい心根だ。働く者の足を引っぱるのではなく、企業を越えて共に闘う陣形を創り出すために尽力しよう。 ※関連する過去ログとして ☆『ヤマト運輸の荷量抑制→運賃値上げをめぐって』(17年5月19日) http://suyiryutei.exblog.jp/26864119/ ☆『ケン・ローチ監督「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観る』(17年3月22日) http://suyiryutei.exblog.jp/26735397/
by suiryutei
| 2017-07-02 08:55
| ニュース・評論
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