新人事制度 大阪での報告①~③
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今朝は朝刊を取りに戸外に出るのがたのしみだった。昨夜、寝る前に見た月が見事だったからである。今年のスーパームーン。一年間で月が一番大きく見える晩だったのだ。12月の朝6時前ならまだ昏い。昨夜のあの月がまだ浮いているはず。 5時55分、外に出ると、案の定、真ん丸の月が西の空にあった。東から上がってこようとしている太陽の光を浴びてだろう、昨晩よりも金色に輝いている。新聞を読むのを後回しにして、しばらく見惚れていた。 もっとも、新聞(『朝日』)の一面は、東証一部上場企業225社のうち、月80時間以上の残業上限を労使協定(36協定)としている企業が過半数であることを報じている。80時間超といえば「過労死ライン」だ。 http://www.asahi.com/articles/ASKCX7DXGKCSUEHF01Q.html 現実に戻って『伝送便』誌12月号に寄稿した文章を転載します。 働き方にかかわって喫緊の課題について質問します。 政府は昨年、通算雇用期間が五年以上になる有期雇用労働者のうち、希望する労働者はすべて無期転換―すなわち期間の定めのない雇用にきりかえるとの目標を掲げました。 ところが、改正労働契約法に基づく無期転換権が生ずる来年四月を前に、トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーは、雇用契約更新の際、六カ月の空白期間を設ける契約への変更をすすめています。無期雇用にしないためです。あきらかな脱法行為です。 こんなことが許されたら無期転換権を行使できる労働者はだれもいなくなってしまうではありませんか。“五年たったら無期雇用”ではなく“五年以内で雇い止め”―これでは、雇用の安定化どころか、大量の失業者を生み出すことになります。多くの国立大学、独立行政法人でも同様の動きが顕在化しています。有期雇用労働者一千五百万人に関わる重大な問題です。 (11月22日 参院本会議における日本共産党 山下芳生議員の代表質問から) 自動車会社の期間雇用労働者は、たいてい半年ごとに契約を更新するということである。これは郵便局の期間労働者もそうだ。 そうして、たとえばトヨタなら更新をくり返して大体三年たてば、これまでだったら一ヵ月間の空白期間が入る。そのあと、仕事があり、労働者も就労を希望するなら、また契約を交わして働く。ところが、二〇一五年から、それまで一ヵ月だった空白期間を六ヵ月に変えられてしまったのである。 この人手不足の時代に、何だってそんなことをやるのか。山下議員が指摘したように有期雇用を無期雇用に転換させないためだ。無期雇用になると、会社の都合で契約を更新せず雇止めすることができにくくなる。 無期転換は権利だ 二〇一二年に改正された労働契約法は、一八条で有期雇用労働者は契約更新をくり返して五年を超えたら、希望すれば無期雇用に転換できるとした。これが山下議員が述べた「改正労働契約法に基づく無期転換権」である。ただし、契約と次の契約との間に六ヵ月の空白があったら、それ以前の契約期間は通算されない。だから、或る程度更新をくり返したところで、それが五年に達する前に六ヵ月の空白期間を入れられてしまったら、永遠に通算五年に達せず、無期転換権が発生することはない。 労働契約法が改正されたとき、その空白期間が抜け道に使われるのではという懸念はあった。もっと露骨な抜け道は、五年に達する直前に雇止めしてしまうことである。現在、東北大学などで有期雇用の職員に対してその動きがあると報じられている。しかし、懸念の声を大きくしていくことが抜け道を使わせない抑止になるとも考えられた。怪しげな企業が人目につかないところでコソコソやるならともかく、トヨタ、ホンダ、日産といったブランド企業が、あるいは天下の旧帝国大学が平然とこうしたことをやるとは驚く。さらに、今まで直接雇用していたパート労働者を派遣に置き換える企業も出てきているという。五年ルールは直接雇用が対象で派遣には適用されないからだ。 二〇条裁判を特集した本誌一〇月号において、一九条(雇止め法理の法定化)と合せて改正労働契約法について「この三条項の立法趣旨が正規と非正規の格差是正にあったのは間違いない。しかし、その実際の規制力は頼りなく、悪巧みに長けた使用者は目を凝らして抜け道を探し出そうとする」と書いた。郵政における二〇条裁判は、その抜け道をゆるさない闘いだろう。しかし、一八条がこんなふうに形骸化されてしまえば一九条の雇止め法理だって画餅となる。 先述した山下議員の質問に対する安倍総理の答弁は、これも『しんぶん赤旗』電子版(一一月二三日更新記事)によれば「望ましいものではない」「実態調査の結果を踏まえ必要な対応をとる」という曖昧なものであった。労契法が改正されたのは民主党政権のときで、抜け道も用意しておかなくては財界と自民党が反対して成立させられなかったという出生の事情があった。ならば、この曖昧さをぶち破るのは労働者の闘いの力だ。ところが連合の相原康伸事務局長「一定の警鐘を与える必要がある」(一一月一六日に出された談話)、神津里季生会長は「当該労組との連携、対話をしっかりやっていく」と、まことに力のこもらないコメントを残すにとどまる。闘おう・闘えとなぜ言わないのか。ちなみに、相原事務局長は自動車総連・トヨタ出身である。 郵政の場合は 日本郵政は自動車大手と比べると無期転換には前向きで、労契法では改正後五年たってからとあるのを一年半前倒しして無期転換労働者がすでに生まれ出している。では日本郵政は良心的なのか。単純にそうとも言えないのは、この無期転換は、やりようによっては毒を仕込むこともできるからだ。スキル評価による選別である。一定の条件を充たしていればいいが、欠けるところがあれば無期転換どころか五年を境に契約が更新されない。この点をユニオン長崎の中島義雄さんはこう指摘している。 「郵政民営化以降、郵政は正面切ってストを理由に首を切ることはできないが、狙いをかけた人に、さまざまな口実をもって恣意的な評価をつきつけ、スキルCへと評価を下げ、自動的に雇止めを行うことは、評価者が郵政である以上、簡単にできる」(雑誌『地域と労働運動』二〇一六年八月号)。 私たちも去年、神戸で開催されたJP労組全国大会会場前で配布した『奔流』No.一二二および本誌去年九月号でその危険を述べてきた。 全産業で無期転換権が発生するのは来年春からだ。抜け道をゆるさぬ統一した闘いを創り出そう。 ★関連する過去ログとして 『JP労組全国大会会場前で撒いたビラです』(2016年6月5日更新記事) http://suyiryutei.exblog.jp/25875287/ 『「契約更新要件」を撤回させよう!~伝送便16年9月号寄稿』(1016年9月2日更新記事) http://suyiryutei.exblog.jp/26156154/
by suiryutei
| 2017-12-04 08:45
| ニュース・評論
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