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大著『歴史家・服部之総』(松尾章一 著)を、この正月休みの間にようやく読了した。 http://suyiryutei.exblog.jp/26483799/ 「一年かけて」などと大仰なことを書いたのは、なにしろ980ページという大分量の本だからである。そうして実際には一年で読み切れず、一昨年暮れから今年初めまで足かけ3年かかった。 途中、長い中断もあったのである。去年の夏前あたりから開くのをやめてしまった。 政府の「働き方改革」批判とか、郵政民営化の進展(停滞)具合についての分析とか、酔流亭がいま当面している運動課題についての付け焼刃的な勉強に追われて、それ以外の分野について読書する余裕がなかったということがひとつにはあった。 しかし、中断したもうひとつの理由は、本書の内容にいくらか肩すかしをくわされたような気がしたのである。こんなことを書くのは、これだけの大著を出版にこぎつけた著者の松尾氏に酷であろうか。 酔流亭としては、服部之総の史学そのものをもっと論じてほしかったのだ。たとえば日本資本主義論争における彼のユニークな立ち位置について。 本の帯に推薦の言葉を寄せているのは色川大吉さんだが、そこにこうある。 ・・今でこそ忘れかけている傑出した日本近代史家服部を、史学史に正確に位置づけた上に、緻密な書誌学的記述を附した。・・ なるほど服部の生い立ちには「緻密な書誌学的記述」が施された。しかし、肝心の「史学史に正確に位置づけ」るという仕事は、本書によってはまだ果たされていないと思う。 もちろん服部之総を知る上で大事なことをいくつも本書から知ることができた。三鷹事件で死刑判決を受けた竹内景助(再審請求中に獄中で病死)を服部は獄中への手紙で何度も励ましている。竹内から服部に宛てた書簡が本書には掲載されており、その模様を伺うことができた。歴史を研究課題としただけではなく現実の人民解放運動に尽力した知識人の姿を示すものとして貴重である。 また服部は日本共産党に戦後入党するものの半年ほどで脱党届を出してしまう。その理由が酔流亭にはずっとわからなかったのだけれど、服部が自分の家族に入党とか党の活動への協力を強要したことがないのを「ビラはりを家族にさせないのはけしからん」と党組織の人間につるし上げられ、それに腹を立てて脱党を決意したらしい。服部の人間くささを感じさせる話であるように思う。 昨日、都心に出た折、神田の蕎麦屋[まつや]で小憩し、御茶ノ水から上野まで歩いた。御茶ノ水の駅前に順天堂病院がある。前を通るとき「ああ、服部はこの病院で亡くなったのだな」と思った。1956年春、56歳であった。 http://dokushojin.com/article.html?i=610 ★服部之総を酔流亭なりに「史学史に位置づけ」ようとした拙い文章を一つ貼り付けておきます。6年ほど前、新聞『思想運動』に寄稿したものです。 『服部之総 近代日本のなりたち』(2012年1月9日更新記事) http://suyiryutei.exblog.jp/17540557/
by suiryutei
| 2018-01-11 09:51
| ニュース・評論
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