新人事制度 大阪での報告①~③
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![]() https://www.asahi.com/articles/photo/AS20180329003057.html 偶然なのだが、昨日発送した『伝送便』4月号に寄せたエッセイで酔流亭も片倉館と千人風呂に触れた。ただ、朝日記事の執筆記者と酔流亭とでは、視点が少々ちがう。『伝送便』記事を貼り付ける。 ![]() ・・・・私は先年、諏訪地方を訪れたことがある。同地には<千人風呂>の名で知られる温泉施設がある。製紙産業で『王国』を築いた片倉財閥の二代目片倉兼太郎が手がけて、一九二八(昭和三)年竣工した。浴槽の広さは四メートル×七・五メートルだからそれほど大きいとはいえない。驚くのは一・一メートルという深さである。タクシーの運転手から聞いた話では、浴槽を立ったままでは入れないほど深くしたのは、大勢の製糸女工たちを短時間で入浴させるためらしい。女工が座って眠らないようにするためという説も聞いた。森岡さんはさらに『女工哀史』や『職工事情』などの文献を引きながら戦前の女工たちの働かされ方を紹介している。諏訪の製糸工場では徹夜業こそなかったものの、午前午後の休憩時間を与えないだけでなく、食事時間もなるべく短縮しようとする。規則に「食事時間は五分を過ぐべからず」という項目がある工場も。食堂に集めては時間がかかるからと握り飯を女工たちが働く繰釜の側に配り、女工たちはこれを頬張りながら作業を続けるところもあった。 なるほどこんなにこき使われていたら、仕事のあと湯に浸かったら湯ぶねで寝てしまって不思議ではない。そうさせないための底の深い浴槽であったか。私も[片倉館]に何度か立ち寄り湯をしたことがあるけれど、そこに思い至らなかったのは不明であった。 [片倉館]が竣工する前年、一九二七年の新聞によれば、その年の半年間に諏訪湖周辺で自殺した女工の数は四七人に上るという。過労自殺は今日だけのことではなかったのである。 ところで、休憩がとれない、食事時間も、というのは、現在の宅配の配達員がそうである。クロネコヤマトもゆうパックも出勤したら最後、一日休みなし、昼食は運転席でおにぎりとかバナナを頬張ってすますというのが常態化している。こちらは戦前の哀史が今日に再現しているのだ。 三月一九日に発表された日本郵政の一八年三月期決算予想によれば、一七年四月~一八年一月のゆうパック取り扱い数は前年同期より二五%増の約七億二千万個と、すでに年度としての最多を更新している。この数字には集計法が以前と変わった(ゆうパケットも含めるようになった)ことも与っていることは本誌一月号で指摘した(『事業と職場のいま』)。 https://suyiryutei.exblog.jp/27908854/ しかし、それを割り引いても異常に増えていることは間違いない。今春闘で労使合意された一一時間の「勤務間インターバル制」も、郵便・物流の現場は対象から外されている。物増と人手不足、くわえてJP労組が闘うことを忘れてしまったことが相俟って、労働基準法も労働組合法も無かった時代のような状況が現出してしまった。 いま喧しい政府の「働き方改革」は、この状況にメスを入れるだろうか。逆だというのが森岡さんの本を読むとよくわかる。
by suiryutei
| 2018-03-31 08:28
| 旅行
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