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NHK総合で先月から再放送が始まっている『カーネーション』(2011年~2012年放送の朝ドラ)は、ヒロインの糸子(尾野真千子)が生れて初めてイヴニングドレスを仕立てるところまでストーリーが進んだ。ヒロインのモデルとなったのは我が国における女性洋裁家の草分け的存在であり、コシノ三姉妹の母であった小篠綾子。一回に二話ずつ放送されるから、放送が順調なら話がどんどん進んでいく。ただし、時間帯が午後4時20分からの30分間なので、大相撲の場所中なんかは中断する。来週からの二週間は視られないわけだ。ちょっとさびしい。 さて、このドラマにちらちら登場する[蛸酒造]については、このブログでも何度か話題にしてきた。 https://suyiryutei.exblog.jp/17710353/ 登場するといっても、その出かたはあからさまではない。街角にこの銘柄のポスターが貼られていたり、ヒロインの父親(小林薫)が酒を飲んでいる、その横に置かれた一升瓶に[蛸酒造]のラベルが貼ってあったりする。それだけである。でも、酒好きにはそれが面白い。 なお、そのポスターの図柄は、日本髪を結った女の人の顔が大きく、蛸の絵が小さく描かれている。 そうして、『カーネーション』の後も、NHK大阪が制作する朝ドラ(したがって物語の舞台は関西)には[蛸酒造]のポスターや一升瓶が時々登場するようになった。この春まで放送されていた『わろてんか』でも。 しかし、そういうふうにちらちらと出てくるだけであるから、酔流亭にとって[蛸酒造]というのは謎の蔵元である。架空の蔵であることは承知の上で、あの酒、どんな味なんだろうな、と思ってしまう。 このあたりから妄想が膨らんでいく。『カーネーション』の舞台は大阪の岸和田。だんじり祭りで有名であり、実際に小篠綾子の洋裁店はこの街にあった。この街の郊外をヒロインが歩く場面がときどき出てくる。たとえば女学校を中退して勤めた桝谷パッチ店で、あるとき風邪を引いてしまったので店を早退する。店の職人たちは内心では彼女の身体を思いやっているのだが口では「オマエみたいなモン、どうせ役に立たないんだからとっとと帰れ!」と叱りつけるようにして家に帰す。ところが糸子は職人たちのその荒い言葉を真に受けて悔し涙を流しながら川沿いの道を歩いて帰る。そのバックに、黒板塀の倉が見える。 あの黒板塀、もしかしたら酒造場であって、それが[蛸酒造]ではないかしらん? パッチというのは股引(ももひき)のこと。ドラマの当時、大工など職人の作業着であったようだ。語源は朝鮮語であるらしい。 ※関連する過去ログとして ★『TVドラマ「カーネーション」を推す』(2012年2月4日更新記事) https://suyiryutei.exblog.jp/17742509/
by suiryutei
| 2018-05-12 09:33
| 映画・TV
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Comments(2)
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